アノマリーマーケティング株式会社

Web広告業界では、多くの代理店が「クライアント理解」の重要性を謳っています。私たちアノマリーマーケティングも、支援を行う上でクライアントの理解を最重要視してきました。

しかし、実際にサービスを提供する中で、一方的な理解だけでは成果に繋がらないことが多々ありました。どれだけ私たちがクライアントのことを深く理解しても、成果を出すために重要な部分をクライアントにも理解していただいた上で実行していかないと、期待する結果には結びつかなかったのです。

弊社で特に成果を上げているクライアントを詳しく分析したところ、成果が出ているケースでは、主に二つの条件が揃っていました。一つは「我々がクライアントの事業や顧客・会社などについて深く理解している」こと。そしてもう一つは「我々のことや成果を出すために重要なことを理解していただいた状態」であることでした。この双方向の深い理解がある状態でのみ、持続的な成果が生まれていたのです。

この発見を受けて、私たちはクライアントと代理店の間で共通認識を持ち、双方の事業やスタンス、コミュニケーション方法について理解した上で実行している理想的な状態を「クライアントフュージョン」と名付けました。

弊社では「コミュニケーション」と「事業理解」という二つの軸で、クライアントフュージョンを実現するための仕組みを整えています。コミュニケーションでは、単なる定例会議だけでなく、クライアントの事業に深く入り込んで、展示会への参加や営業同行なども行います。事業理解では、実際に商品を体験したり、競合調査を徹底的に行ったりして、一次情報を収集することを重視しています。これらを明確な定義とプロセスに落とし込むことで、属人的にならず組織として再現できる形にしています。

多くの会社では上司による定性評価や複雑な人事制度を設けていますが、弊社では「定性評価はなく粗利額に応じて給与が決まる仕組み」を採用しています。具体的には、自身が担当している案件の運用手数料や制作料から外注費を引いた粗利額の30%を給与として支給しています。
もちろん粗利額が0円の場合でも給与が0円になることはありません。弊社では案件を獲得するまでの準備期間も安心して働けるように「ベース給与の保証」と経験者に関しては「前職の給与保障」を行っております。
この制度を設けている最大の理由は、メンバーには徹底的にクライアントに向き合って欲しいからです。従来の人事評価制度では、どうしても「上司にどう見られているか」や「評価項目をどうクリアするか」といった社内政治的な要素が入り込んでしまいがちです。しかし、本当に大切なのはクライアントにどれだけ貢献できているかであり、その結果として得られる成果のはずです。
弊社では元々、クライアントへ貢献したいという強い想いを持ったメンバーのみを採用する方針を徹底しています。面接では技術的なスキルよりも、クライアントと深く関わって成果を出したいという意欲や価値観を重視しており、弊社のカルチャーに合った人のみが組織にいる状態を目指しています。そのような環境であれば、複雑な評価制度は不要であり、むしろ邪魔になると考えています。
クライアントへ最も貢献できる状態を考えたとき、人事評価のための資料作成や面談、査定会議といった時間は本質的ではありません。その時間があるなら、クライアントの事業を深く理解するための調査に使ったり、より効果的な施策を考える時間に充てたり、直接クライアントとコミュニケーションを取る時間に使った方が、価値があると考えています。そのように弊社では、成果を出すために必要な行動にコミットする時間を最大化することを目指しています。
粗利連動制の素晴らしいところは、クライアントの利益がメンバーの利益とリンクすることです。クライアントに価値を提供して満足していただければ継続的に案件をお任せいただけますし、成果が出れば予算も増えていく可能性があります。その結果として粗利額が増加して、メンバーの給与も上がっていくという好循環が生まれます。反対にクライアントに価値を提供できなければ案件を失い、収入も下がるため、自然とクライアント第一の姿勢が身につきます。
この制度により、メンバーは上司の顔色を伺うのではなく、純粋にクライアントの成果向上に集中できます。また、「どうやって評価されよう」ではなく「今月はクライアントにどんな価値を提供できるだろう」と考える組織文化が根付いています。結果としてクライアントからの信頼も厚く、長期的な関係を築けるクライアントが多いことが、この制度の有効性を証明していると感じています。

多くのWeb広告代理店では営業担当者が新規クライアントを獲得して、その後の運用は専門の運用者に引き継ぐという分業制を採用しています。しかし、弊社では「新規営業からWeb広告運用まで一気通貫で対応」することを基本方針としています。
この方針を採用している理由の一つ目は、クライアントとの認識の齟齬が発生しにくいからです。商談フェーズでクライアントから直接お聞きした課題感や期待値、細かなニュアンスを、運用者である自分自身がそのまま運用に活かすことができます。途中で人が変わることによる情報の劣化や解釈の違いが生まれないため、クライアントが本当に求めていることを正確に理解した状態で施策を実行できるのです。
二つ目の理由は、両方を経験することで視野が大幅に広がることです。営業では「クライアントがなぜWeb広告を必要としているのか」や「どのような成果を期待しているのか」といったビジネス的な背景を深く理解できます。一方、運用では「実際にどのような施策が効果的なのか」「データから何が読み取れるのか」といった実務的な知見を蓄積できます。この両方の経験があることで、営業時により具体的で実現可能な提案ができるようになりますし、運用時にはクライアントの真の目的を見失うことなく最適化を進められます。
そして何より、この一気通貫のアプローチは単純に楽しいです。自分が営業で獲得したクライアントの成果が向上していく様子を直接見ることができますし、運用で得た知見を次の営業提案に活かせるという好循環が生まれます。クライアントとの関係も、最初の出会いから成果創出まで一貫して築いていけるため、より深い信頼関係を構築できます。成果が出たときの喜びも、クライアントと直接共有できるため、仕事に対するやりがいや達成感が格段に高まります。
この一気通貫のアプローチは、確かに一人ひとりの担当範囲は広くなりますが、その分だけ得られる経験や成長の幅も大きくなります。営業力と運用力の両方を身につけることで、Web広告業界での市場価値も大幅に向上すると考えております。

Web広告業界では、多くの代理店が「リード獲得数」や「コンバージョン数」を成果指標として掲げています。しかし、弊社では「リード獲得だけではなくクライアントの契約獲得まで支援」することを基本方針としています。
多くのWeb広告代理店がリード獲得の責任しか負わないことで、実は大きな問題が生じています。それは、リードの質への拘りや利益まで考えて改善する意識が薄くなってしまうことです。「とにかく数を獲得すれば良い」といった発想になりがちで、実際にクライアントの営業担当者がアプローチしても成約に繋がらない質の低いリードが混在してしまいます。リード獲得数は目標を達成していても、クライアントの売上には全く貢献できていないという状況が生まれてしまうのです。
さらに深刻な問題は、営業組織への理解がないことで発生する機会損失です。クライアントの営業チームの体制や処理能力を把握せずに広告を配信してしまうと、せっかく獲得したリードを追いかける人手が不足していたり、適切なタイミングでフォローできなかったりして、本来なら契約に繋がったはずの見込み客を逃してしまいます。リードは獲得したものの、それを活かしきれずに終わってしまうという、非常にもったいない状況が頻繁に発生しているのです。
弊社では全員が営業も行うため、リード獲得から契約獲得までの一連のフローが全員の頭に入っています。だからこそ、単にリードを増やすのではなく「どのようなリードであれば契約に繋がりやすいのか」や「営業チームがどのタイミングでどのようにアプローチすれば成約率が高まるのか」といった、契約獲得という最終ゴールから逆算した施策を提案できます。
実際の支援では、広告配信の最適化はもちろん、営業チームのフォロー体制の整備、リードナーチャリングの仕組み構築、営業トークの改善提案まで、契約獲得に必要なあらゆる要素をトータルでサポートしています。リードが獲得できた後も、そのリードがどのような経緯で契約に至ったのか、あるいはなぜ契約に繋がらなかったのかを営業チームと一緒に分析して、次の広告配信に活かしていきます。
この一気通貫のアプローチにより、クライアントの真の成果である「売上向上」に直接貢献できるのです。リード獲得は手段に過ぎず、最終的な目的は契約獲得であることを常に意識して支援を行うからこそ、クライアントにとって本当に価値のあるパートナーでいられると確信しています。