ベース株式会社

ベース株式会社は、「関わる全ての人々の“ベースとなる”会社」を目指し、システム開発やSAPをはじめとするERPソリューションを展開するIT企業。1997年の創業以来右肩上がりで成長を続け、2022年に東証プライム市場に上場を果たし、2024年には売上202億円を達成。最先端のグローバルソリューションを用いた多様なサービスで新しい価値を提供するSIerとして、エンタープライズ企業から複数のパートナー認定を受けている。

多くの競合がある中で同社がプライム上場企業になるまでに成長できた要因は独自の成長戦略にある。クライアントは大手総合証券会社と大手システムインテグレーターを中心とし、SAPを軸に実績を積んできたことが特徴だ。“幅広く”ではなく、あえてメイン顧客層を“絞る”戦略で企業基盤の柱をつくってきたという。そのため現在も主に金融そしてエンタープライズ向けシステム開発を得意としており、クライアントと長く信頼関係を築いている。

そして上場後は、培ってきた技術やノウハウを他のクライアントに生かすべく、顧客を拡大。日本を代表する大手企業をはじめ多くのエンタープライズ企業にサービスを提供。業種も金融に留まらず流通、通信、公共等広がっており、各業界のトップクラス企業が主要取引先に並んでいる。


また、日本と中国の文化とそれぞれの強みを生かした開発環境、約4割が外国籍の社員というグローバルな環境も同社のアイデンティティの一つ。ダイバーシティな文化が根付き、グローバルな視点を持ったエンジニアが多数在籍しているのも同社の魅力だ。

同社では、さらなる事業成長に向けて新たな取り組みも進めている。2026年～2030年の中期経営計画では、「ITサービスの割合を増やす」「AIを活用したサービス展開も増やす」ことを目標に事業を推進。2026年にはAIをメインとした部署を新設する。

「これからどの業界も人手不足になっていきます。ITでお客様に価値を提供していく事業スタイルは変わりませんが、プロジェクトにおいても携わるフェーズが広がっていますし、SAP等サービスの幅も広がっています。そしてこれからは、どのお客様にもAIを取り入れたサービスで自分たちの価値を提供していく形になっていくと思います」（上席執行役員　第1システム本部本部長　青柳徹氏）。

またAI推進の取り組みでは、社内で「AIコンテスト」を開催。これは各部署でチームを作り、AIを活用した取り組みやアイデアを具現化して実績を発表するもの。良いものは他部署に展開して会社全体のインプットや知識・技術の底上げに繋げており、今後はこのAIコンテストを外部に展開していくことも視野に入れているという。「社員ともAIについて様々な議論を交わしている」と青柳氏は語る。
「毎年湘南国際村でマネージャー以上が集まる幹部合同会議を実施しているのですが、その中でもAI活用について社員からいろいろなアイデアが出てくるので、“やりたい”という人にどんどんお任せしています。その方が会社全体でコミットできますし、社員も高いモチベーションで取り組めると思っています」（青柳氏）。

同社では社員数1,200名を超える大規模でありながら社員の声が届きやすい組織づくりをしている。部署の人数を絞ったビジネスユニットを増やしていく芝生戦略で、縦ではなく「横」に広げるフラットな組織。経営層と社員の距離が近くフランクにコミュニケーションを取っているという。今後組織が拡大しても、「横」に広がるからこそ経営層との距離は変わらない。このような体制が社員の成長ひいては会社の成長に繋がっているのだろう。

同社の本社オフィスは東京・秋葉原UDX。帰社時でも柔軟に業務ができるフリーアドレス制で、常駐メンバーが横の繋がりを持てる部単位での会議や企画行事、勉強会、部活動等も盛んに実施している。そして「手を挙げた人にチャンスを与える」文化が根付いており、20代の若手が活躍しやすいところが最大の魅力だ。

中でも、昇進については立候補制であることが面白い点。上長が一方的に任せるのではなく、「やりたい」という人にキャリアアップのチャンスがある。
「私も執行役員の社内公募で立候補して、社内選挙で選んでいただいたんです。おそらくこのような取り組みをしている会社はほかにないと思います。代表の中山が重要視してきた“手を挙げた人に任せていく”がしっかり浸透しているのだと思います」（青柳氏）。

だからこそ、同社には「自分のやりたいこと・実現したいことがある積極的な人」に向いている。国籍やバックグラウンドが多様なため、「自分からコミュニケーションを取れること」も必要。一人で進めたいというより、チームで仕事がしたい人に合う環境だ。新卒社員も多いが、もともと中途社員が多かったこともあり中途入社でも馴染みやすく、働く上では理念である “相互尊重・誠心誠意・ベストを尽くす”を非常に大事にしている。

青柳氏に面接時のポイントをお伺いすると「今までの仕事を自分の言葉でしっかり話せる」ことを重視しているという。
「今までの仕事の中で学んだこと、苦しんだことやどうやって解決したか等を聞きたいです。ずっと今までうまくいっていました、というのは正直ほとんどないと思っています。それよりも、どんな課題や困難があってどう乗り越えたかという方が重要です。それを自分の言葉で発言できるというところを重視していますので、面接では経験してきたことを自分の言葉でアピールしてほしいと思っています」（青柳氏）。

会議等の後には社員アンケートを採り、良い意見だけではなく悪い意見にも向き合って改善も。満足度を上げるために「社員が興味を持てるテーマは何か？」を話し合っているそうだ。
自分の声がしっかり届けられる環境で、多くのチャンスを掴んでキャリアを磨いていける。同社なら、きっと自分の「なりたい像」を叶えられるのではないだろうか。