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インタビュー画像代表取締役社長・箙(えびら) 義人氏 1981年生まれ。システム開発業界でキャリアを積み、ホテル予約システムや金融機関向けシステム、物流管理システムなど、さまざまな業務システムの開発に携わる。2018年、日本ウェブサービス株式会社に入社し、課長職を経て、2020年12月、日本ジールシステム株式会社の設立に参画。取締役を経て、2024年4月に代表取締役社長に就任。経営に携わりながら、現在もエンジニアとして開発の現場に立つ。

エンジニアのアサイン先の選定方法と、現場に常駐するエンジニアに対するサポート体制をお話しください。

アサイン先の選定は会社都合ではなく、完全にエンジニア起点で行っています。本人の保有スキルや「今後どのような仕事をしたいか」という希望をベースに、営業が適合する案件を探して提案します。スキルや希望に合わない案件へ無理やりアサインすることは一切ありません。また、既に当社の社員が常駐し、深い信頼関係があるお客様に対しては、スキルが多少不足していても人間性が伴っているエンジニアであれば提案して、ポジションを空けていただくこともあります。 また、本人の「挑戦したい」という意向を否定せずに、一旦は受け止め、チャレンジさせるのも当社の方針です。最近の例では、Web系案件から動画撮影案件に挑戦した社員もいました。ただ、将来の給与アップやキャリア形成(リーダーやマネージャーへの昇格)を考慮すると、Web系が優位です。そのため最終的には本人の意志でWeb系に戻りました。一旦は挑戦を受け入れ、様子を見ながら、メリットとデメリットを踏まえたアドバイスを行い、本人の意志も確認しながらアサイン先を決めています。 その一方で、現場に常駐するエンジニアへのサポート体制も充実させています。基本的には、複数名のチームによるアサインを目指していますが、仮に単独常駐となった場合でも、孤立させない体制を整えています。大阪、東京、それぞれの拠点で6~7名規模の社内チームを設け、リーダーを中心に密な連携を取る体制を敷いています。具体的には、毎週の残業時間をチェックし、稼働が高くなっていればすぐに本人への声かけや、営業による客先交渉・調整を実施します。また、月1回のチームミーティング等で現場の悩みや状況を吸い上げ、エンジニアが言いたいことを言えない環境をつくらないよう、組織として手厚くフォローしています。

エンジニア起点のアサインを貫ける理由をお話しください。

エンジニア起点のアサインが徹底できる理由は、「豊富な案件数と営業アプローチの柔軟さ」「商流にこだわりすぎない姿勢」、そして「お客様との間に築かれた深い信頼関係」の3点です。 まず一つ目に関しては、当社の親会社であるJ Holdingsの持つ営業ネットワークを背景に、毎月300~400件に及ぶ豊富な案件情報が集まってきます。その潤沢な案件情報と自社独自の営業活動を組み合わせることで、エンジニアの希望に合うプロジェクトを厳選できる環境を維持しています。万が一、既存の案件リストの中に希望に合致するものがない場合でも、営業が既存のお客様へ直接提案を行って個別開拓したり、配属枠をつくっていただいたりして柔軟に動いています。 二つ目は、エンジニア一人ひとりのスキルや経験に合わせた案件選定を行っていることです。案件ありきで配属を決めるのではなく、本人の経験や希望、今後のキャリアを踏まえ、無理なく能力を発揮しながら成長できる環境を大切にしています。段階的に経験を積み、着実にスキルアップできるよう、営業とエンジニアが連携して最適な案件を提案しています。 そして三つ目は、エンジニアとお客様との間に築かれた信頼関係です。当社では技術面だけでなく、社会人マナーをはじめとするヒューマンスキル教育に注力しています。そういった教育方針の成果もあり、設立以来5年以上にわたって同じお客様から指名され続けているエンジニアも在籍しています。現場で高い信頼を得ているからこそ、プロジェクト終了時に「次の案件でもぜひお願いしたい」と直接オファーを頂くことも少なくありませんし、そのエンジニアを軸に、経験の浅いエンジニアをアサインすることも可能となっています。

エンジニアに寄り添う経営スタイルを貫く理由をお話しください。

私がエンジニアに寄り添う経営スタイルを採る背景には、私自身が20代~30代の現場時代に経験した業界の過酷な環境や、過去に所属していた会社での苦い実態があります。 当時のSES業界は過度な残業が当たり前でした。現場の負荷が高まり、会社に相談しても「頑張れ」の一言で片付けられ、無理がたたって体調を崩していく同僚を何人も見てきました。また事前の十分な説明もないまま「明日からこの現場に行って」と指示される理不尽さも味わいました。さらに過去に在籍した会社では、経営者のワンマン体制により社員の意見が一切汲み取られない状況に耐えきれなくなった仲間達が離れていくという経験もしました。 そうした原体験から、「自分が現場で不合理だと感じた過ちを自社の社員に絶対に繰り返させない」「せっかく当社を選んでくれた社員の声に耳を傾け、全員が納得して働ける環境をつくりたい」という思いが経営者としての私の根幹です。元々経営者になろうとは思ってもいませんでしたが、せっかく機会を与えられたのならば、その思いを具現化したいと考えています。この姿勢は私一人だけでなく、現在の取締役や現場のリーダー陣全員にも共通する思想です。 当社では、福利厚生や社内制度も、経営陣だけで一方的に決めることはありません。「こういう仕組みや手当があったらいいな」というエンジニアの声やアイデアを吸い上げ、話し合いを重ねながら導入しています。 当社を選んでくれた社員が安心して長期的に力を発揮できる環境を整えることが、経営者としての役割だと考えています。

「ハイブリッドSES」の具体的な仕組みと、制度を導入した経緯をお話しください。

「ハイブリッドSES」とは、エンジニア自身の志向やライフステージに合わせて働き方を選べる選択制のキャリア制度です。 具体的には、「安定コース」と「高還元コース」の二つを用意しています。一つ目の「安定コース」は、固定給と手厚い福利厚生の下、安心して長期的なキャリアを築いていけるコースです。 二つ目の「高還元コース」は、会社のマージン率を下げて、単価連動で高収入を目指せるコースです。案件の作業単価に対して75%の還元率を設定し、働いた分だけ給料に直結します。社内ミーティングへの参加は任意ですが、福利厚生が一部制限されるほか、案件待機の際は都道府県の最低賃金の支給となりますので、柔軟な働き方ができる反面、より自立した働き方が求められます。個人事業主に近い働き方になります。 なお、バックオフィスの負担軽減と運用の安定を図るため、一度選択した後は2年間固定としていますが、どちらのコースを選んでも、2年ごとに見直せる制度となっています。 この制度は、SES業界で高還元モデルが流行した際、取締役をはじめとする社内で議論を重ねて導入しました。全員を高還元モデルへ切り替える案も検討されましたが、議論の中で「これまで社員のために構築してきた福利厚生やサポートの仕組みが機能しなくなってしまう」という意見が出たため選択制にしました。

箙社長がエンジニアとして大切にしてきたこと、また、これからのエンジニアに求められると思われることをお話しください。

私は、学生時代にHTMLを用いて大学のホームページ制作等を手掛けていました。その体験が楽しかったので、システム開発業界に就職しました。以来、多様なプロジェクトに携わってきましたが、一貫して大切にしてきたことは技術力以上に「人と人とのコミュニケーション」です。逆に新しい技術か古いシステムかといったこだわりは持っていません。どのような現場であっても「お客様にサービスを提供する」「人と仕事をする」という本質は変わらないと考えているからです。 それは、生成AIによるコード生成が普及してきた現代やこれからの時代においても同様です。AIを活用すれば自動的にコードを生成することは可能ですが、出来上がったものについて根本を理解し、正しいかどうかを判断するのは人間です。そのためにはエンジニア自身の知識や、お客様が本質的に何を求めているかを引き出して理解する力が不可欠なのです。 私はAIの時代だからこそ、コードを書く技能だけでなく、システムの根本を理解した上で、お客様やチームメンバーと円滑に対話しながら仕事を進めるコミュニケーション能力がより一層求められると考えていますし、社員が集まる場では「技術力以上にコミュニケーションを大切にしよう」と伝え続けています。人と向き合い、人間力を磨いていく姿勢こそが、これからの時代に長く活躍できるエンジニアの条件であると確信しています。

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