株式会社NextBits

株式会社NextBitsは、デジタル領域でシステム開発からマーケティングまで幅広く対応する「アクログループ」所属のシステム開発会社。自社プロダクト開発を軸に受託開発やSESも手掛ける。

同社はシステム開発会社としてユニークな出自を持つ。アクログループ内のシステム開発のため設立、グループの「情報システム部」的役割を担う。自社プロダクトの人材管理システム『Engine』もグループ内シナジー向上を目的に開発された。

アクログループは「多様性を活かした連携型グループ経営」を強みにITトータルサービスを提供する企業集団。アクロホールディングスを中心に個性豊かな30社以上の企業で構成。各グループ企業は親会社に統合された子会社ではなく、それぞれ独自のカラーを生かし「営業面」「技術面」「採用面」でシナジーを発揮する形で運営されている。

このグループシナジーを最大化するため開発されたのが『Engine』だ。

「数多の人材管理システムがある中で、新たに『Engine』を開発したのは、グループ経営に最適化した人材管理システムが欲しいというアクログループのニーズでした。『Engine』を開発するため当社が開発し、現在も運用・保守と追加開発を担っています。グループ各社で『Engine』を導入することで人材情報を共有でき、人的資本の活用を最大化できます」(昆氏)。

『Engine』は、エンジニアの潜在価値を引き出し、データ駆動型の人材活用で組織と個人の持続的成長を促進するHRプラットフォームとして開発された。テレワークやフレックス勤務など多様な働き方が広がる現代、従来の勘や経験に頼った人事管理では対応しきれない課題に対し、データとAIの力で解決策提供を目指している。

『Engine』は、組織力最大化を支援する主に3つのコア機能を備える。

第一に「人材情報管理」である。従業員のスキル、経験、資格、キャリア志向などを集約し一元的に管理・可視化する。これにより最適な人材配置によるプロジェクト成功率の向上、戦略的人材育成とキャリア支援、社内に眠る隠れた才能発掘を通じた企業価値向上を支援する。職務経歴書自動作成機能も搭載。

第二に「配信情報検索」である。AIを活用し、大量の案件情報や人材情報から条件に合致する案件と人材を瞬時にマッチングさせることが可能だ。これにより営業活動の大幅な効率化と提案力強化が期待でき、営業担当者はより付加価値の高い活動に集中できるようになる。競合他社に先駆けたスピーディーな提案でビジネスチャンス獲得に貢献する。

第三に「従業員サーベイ」である。従業員のエンゲージメント、満足度、ストレス状況等を定期調査し自動集計・分析し組織の状態を客観的データとして可視化する。これにより組織課題の早期発見と未然防止、従業員エンゲージメント向上による組織活性化、離職率低減と優秀人材定着を促し、働きがいのある環境構築をサポートする。

現在、『Engine』はアクログループ各社の業務支援に活用されているが、今後はこれらの機能を切り出しパッケージ化し他社へ販売する計画だ。

「グループ経営を進める企業向けに『Engine』のパッケージ販売を考えています。従業員サーベイ機能も搭載し、人材管理だけでなく従業員エンゲージメント向上にも活用可能です。近年進化が著しいAIを活用し、グループ経営でシナジーを最大化するツールとして販売したいと考えています。グループ向け開発で蓄積したノウハウをパッケージ開発に生かし事業拡大を狙えます」(昆氏)。

同社は、グループ内システム開発からスタートし、次のステップとして外部企業向け展開を視野に。AIを活用した最適な人材管理システムを提供し、企業の成長支援を加速させている。

同社は、アクログループ内の情報システム部としての役割を果たしつつ、受託開発やSES事業も展開。これは、自社エンジニアのキャリア形成を支援するための戦略的な取り組みだ。

「グループ内で受託開発やSESを手掛ける会社もある中で、当社も受託開発やSESを展開しているのは、自社エンジニアのキャリア構築のためです。自社開発をしたいエンジニアも、長期的なキャリアを考えた時、クライアントワークに出たい時期もあります。そんな時、自社内に受託開発やSESのプロジェクトがあれば、転職する必要がありません。スキルアップやライフイベントの関係等、様々な理由でエンジニアのキャリアは揺れ動くもの。当社はそんなエンジニアの希望を叶えられる会社でありたいと考えています」(昆氏)。

同社は、エンジニアの「キャリア構築」を積極的に支援。これはエンジニア出身の昆氏の強い思いでもあり、アクログループ全体の方針とも一致している。グループ内には複数のIT企業が存在し、それぞれが独自色を持ちながら運営。エンジニアが環境を変えたいと考えた時、グループ内でジョブチェンジやキャリアチェンジがしやすい仕組みが整っている。

「アクログループでは、グループ会社間での人材交流が盛んに行われており、転職・転籍は比較的容易です。エンジニアの仕事はいろんなプロジェクトを経験することでスキルアップを続け、市場価値を高めなければなりません。他社への転職となると、大きなエネルギーを要し、精神的にも金銭面でもコストがかかります。その点、アクログループでは、当社が開発する『Engine』で人材の情報をあらかじめ共有しているため、グループ内の転籍は比較的容易です」(昆氏)。

また、同社内で自社開発とSESを選べる体制を整えることで、エンジニアがより柔軟に“他の現場”へ移ることができるようにしている。

「アクログループには、システム開発会社だけでも20社あります。それぞれの会社で案件を抱えており、互いにプロジェクトへの人材アサインで協力関係にあります。当社もグループの一員として、各社のプロジェクトに参画することが可能で、在籍するエンジニアの希望に沿ったキャリアパスの構築を全力で応援します」(昆氏)。

エンジニアにとって、長期的なキャリアを築く上で、柔軟な選択肢を持てる環境は大きなメリットとなる。同社はグループ経営の強みを生かしながら、エンジニアがスキルアップを図れる場を提供している。

アクログループは、2000年に株式会社アクロネットとしてスタートし、2015年にホールディングス化。社名をアクロホールディングスへ変更し、創業者から2代目へバトンタッチ。さらに2023年には、西川慶氏が3代目代表取締役社長に就任し、次世代のエンジニアが活躍できる企業グループとして、新たな取り組みに挑戦している。

西川氏は、NextBitsをグループ内で立ち上げた人物。個性豊かな企業が独自の経営スタイルを持つアクログループの中で、グループシナジーを最大化する目的の下、グループ共通の人材管理システムを導入するために同社を設立した。

「アクログループに所属するシステム開発会社の多くは、長年SI業界で企業のシステム開発を支えてきました。大手ベンダーからの信頼も厚く、様々な業界でエンジニアが活躍しています。一方で、組織がしっかりと固まっていることもあり、新しいチャレンジをするには関係各所との調整が必要となり、スピード感に欠ける面もありました。そこで、グループ内でも設立から日が浅い当社が、積極的に新しい取り組みに挑戦したいと考えています」(昆氏)。

西川氏のアクログループのトップ就任に伴い、同社を引き継いだ昆氏も、アクログループでテックリードとして活躍していた人物。グループシナジーの最大化という同社のミッションを実現するため、戦略的な展開を進める。

「SES事業をスタートさせたのは、エンジニアのキャリア支援というアクログループの新しいアイデンティティーをバックアップしたいという思いからです。まだSES事業で活躍するエンジニアの数が十分ではないため、経験豊富な人材を採用し、未経験のエンジニアを育成できる環境を整えたいと考えています。グループ内にはエンジニア育成のノウハウがあり、会社の垣根を越えた交流も盛んです。各社のエンジニアが集まり、勉強会を開く文化が根付いています」(昆氏)。

アクログループは、「ワーク・ライフ・バランス」「労働環境の整備」「福利厚生の充実」「コミュニケーションの場の提供」等、エンジニアの働きやすさと働きがいを重視。「やりがいの創造」に向けた取り組みを推進し、同社でもその方針が徹底されている。

「アクログループでは、『エンジニアの未来をつくる』をパーパスとして掲げています。当社でも、若い人達がエンジニアという仕事を通じて未来を築ける環境を提供することに力を入れています。経験者も未経験者も、エンジニアとして自分のキャリアを充実させ、豊かな将来を築きたいと願う人は、ぜひ会社とあなたのこれからについてお話ししましょう！」(昆氏)。