代表取締役社長　伊勢村 雄吾氏

ご略歴をお教えください。

1986年3月に、名古屋市で当社を営む伊勢村家に生まれました。物心ついた頃、家の隣には工場があり、小学1年生の時の作文で「将来は家業の社長になる」と書いていますので、当時から意識はしていたのだと思います。 高校時代に1年ほどアメリカに留学し、大学もボストンにある大学に進学しました。5年制で、うち1年間は社会で働くことが義務付けられており、私は世界最大のテーマパーク複合施設を選んだのです。大学での主専攻は経営学でしたが、副専攻として心理学を履修し、人をもてなすことを学ぼうと考えたからです。もっとも、単純にそのテーマパークのキャラクターが好きだったわけですが。 2010年に帰国後、当社に入社する前に、取引先でもあったプラスチックの射出成型機メーカーである大手重工会社に入社し、3年ほど技術営業に携わります。その終わり頃、当社がタイに現地法人を出すことが決まったことを受け、2013年に当社に入社しました。 そして、私がタイと行き来してタイ法人を立ち上げ、その後は主に営業を手掛けます。2017年に専務取締役となって経営全般を見るようになり、2025年6月に4代目の代表取締役社長に就任しました。

御社をどんな会社にしていきたいと考えていますか？

創業者と2代目社長は共に技術者で、当時は既にある製品領域を手掛けていく上で技術力を高めることに注力しました。技術力を上げても営業力等が伴っていなかったので、業績には苦労することもあったようです。そこを、3代目である父が営業系として立て直すとともに、経営者として組織づくりに力を入れて会社の体制をつくっていきました。 こうして、技術面、体制面で会社の基本はできていると思っています。そこで私は、この基本の上に新たなことにチャレンジし、次のステージに発展させていきたいと思っています。 具体的には、プラスチック製品づくりとしての新市場開拓というよりも、ものづくりの革新といったことです。例えば、生産設備からデータを収集し、これを活用してロボティクス化を図り、省力化やさらなる精緻化に繋げるといったことです。 当社のお客様は完成車メーカーのTier1が主体で、自動車部品が大半を占めています。自動車領域は最も高度なコストパフォーマンスを求められると認識しており、この領域を突き詰めれば自ずとほかの領域にも通用していけると考えています。

そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いをお聞かせください。

従業員はルーティンワークをこなすだけでなく、新しいことに興味を持ってチャレンジしてほしいと思っています。“改善”というより“改革”です。その結果失敗しても咎めるつもりはありません。 また、仕事は会社のためではなく、自らの夢の実現のために取り組んでほしいですね。家族のためでも、趣味のためでもいいのですが、会社はそのために大いに利用してほしいと思っています。

伊勢村さんの仕事観をお聞かせください。

当社は私が創業したわけではなく、私は4代目の社長です。したがって、私の最大の役割は、この会社を潰さずにしっかりと経営して5代目に引き継ぐことだと考えています。 そのためには、従業員の皆さんが満足して仕事に取り組めるよう、働きやすい環境をつくることが私の仕事です。その結果、お客様に当社を支持していただくことができるからです。 そんな自分としては、仕事を通じて世の中の役に立ちたいとの思いもありますね。 当社はこれからDXを進めていきますが、社内SEは一からそれを手掛けていくことができます。今の仕事に飽きた、つまらないといった思いがある方は、新鮮な仕事ができるでしょう。社長である私の直属となるので、密にどんなことでも言い合って進めていける環境をお約束します。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

自分の感情が揺さぶられることが好きなので、読書や映画鑑賞をよくしています。本は、フィクションよりもノンフィクションをもっぱら読んでいますね。 また、学生時代の友人が世界中に散っているのですが、彼らが来日する等の機会があれば会うようにしています。 おいしいものを食べることも、先代社長共々大好きなので、社員旅行ではカニを食べに北陸に行くということもよくしていました。