代表就任までのご経歴と就任経緯を教えてください。
私は2023年6月に当社の代表に就任しました。前職もIT業界で、ソリューションビジネスに長く携わっていました。エレクトロニクスや機械工具業界等、複数の業界を担当していた中で、生鮮流通分野はERPに向いていないことを痛感。生鮮流通業界特有の課題について解決するため、同業界に特化していた当社とタッグを組み、現場の改善に取り組んでいました。 市場の中でも、生鮮流通にここまで本気で向き合い、業種特化で勝負している会社は他にありませんでした。正直、腹の括り方が違うと感じていましたね。生鮮流通業界での豊富な経験やスキル、実績については、今でもトップクラスだと思います。 10年ほど前から前代表に後継として声をかけていただいていましたが、最終的にはコロナ禍をきっかけに話が本格化し、2022年に内諾、翌年に就任という流れでした。
代表就任後、あえて変えなかった企業文化はありますか。
創業当初から掲げられてきた企業理念です。その中には「豊かな情報化社会の実現に貢献する」という一文があります。これは、まだお客様になる前の方々や、これからファンになってくださるお客様に対して、私達はどう貢献できるのか、という視点です。ビジネスの前段階から、この視点が必要だということに強く共感しました。 また「会社の健全なる発展」という一文もあります。これは、仲間達が自分の目で見て、納得できる形で成長を実感できることが大切だという意味に捉えています。 そして何よりも「社員の高福祉の実現を図る」という言葉。社員を理念の主語に置いたこの精神は、これからも変えるつもりはありません。会社の存在意義をまず認めてくれるのは社員ですからね。社会貢献や顧客満足は当然として、まずは社員が幸福であること。それが何より重要だと考えています。
社員にどのように成長してほしいですか。
社員一人ひとりが変革を受け止め、自ら成長を加速させていってほしいと考えています。私が代表就任の際に掲げたのは、時代の変化に合わせて社員一人ひとりがしなやかに対応し、自らの成長を通じて会社を前進させていくという姿勢です。 実際に掲げたのは「お客様満足度の向上」「高品質な製品の提供」「柔軟且つ迅速な対応力」「新しい市場の開拓」「社会貢献を意識する」「自己のスキルアップの実現及び後進の育成」の六つです。このメッセージに込めたのは、“変革するために自らの体力を付けていこう”という思いです。 現在、当社には二つのコアビジネスがありますが、その中から独立した新しいビジネスが生まれることもあるでしょう。2025年度は、いよいよ新しい市場への挑戦にも踏み出します。その中で、社員一人ひとりが自分のスキルを磨き、存在価値を感じられる――そんな組織を目指しています。
社員のモチベーションアップのために意識していることを教えてください。
社員のモチベーションは、“自分達で会社を動かしている”という実感からくるものだと思っています。私が意識しているのは、トップダウンで全部を決めるのではなく、それぞれの組織の中で生まれた課題やアイデアに対して、私が後ろから援護射撃をするような関わり方です。そうすることで、リーダーやメンバー自身が「自分達で会社を変えていける」と感じてくれるようになる。それが一番のモチベーションになると思っています。 特に、リーダー陣には「自分の組織をどう良くするか」「新しいことをどう始めるか」を自発的に考えてもらいたいですね。私は“ヒント”だけを渡し、答えを与えることはしません。自分達で考えて、動いて、達成する――その経験こそが、何よりのやりがいに繋がると思っています。一人ひとりの動きが会社の未来を創る。そう実感できる環境を整えることが、私の役割だと思っています。
最後に、御社で働くやりがいや魅力を教えてください。
私自身が元々技術者でもあるので、「自分の技術が、誰かの役に立っている」と実感できるところだと思います。技術が上達すればするほど、それがチームへの貢献に繋がり、会社への貢献、そして最終的にはお客様への貢献にもなる。そういう循環が、目に見える形で自分自身に返ってきます。これを“肌感覚”で得られる会社は、そう多くはないと思います。 当社では、あえてジョブローテーション制度を採用していません。多くの技術者は、専門領域を突き詰めたいという意志があります。その希望を叶えるために、一人ひとりの「極めたい」という志向を尊重。一方で、プライムSEからERP領域への転向等、個々の適性や意欲に応じたキャリアパスの選択肢も用意しています。 自身の技術が組織や顧客に貢献しているという実感を日々得られること――それこそが、当社で働く一番の魅力だと思っています。
