Notion日本1号社員となるまでの経歴は?
世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社で働く中で、組織の立ち上げを経験したいと考えていたところ、タイミングよくビジネス特化型SNS等を手掛ける会社の日本法人設立の話を聞き、日本法人の五人目の社員として入社しました。主にエンタープライズセールスを担当し、7年間勤務し最後は営業責任者のポジションを任されました。 将来的には外資系企業のカントリーマネージャーを目指していましたが、そのためには、ハイパーグロース(爆発的な成長)の経験が必要だと米国西海岸の経営幹部からアドバイスを受けました。同じタイミングで、急成長の兆しを見せていたコワーキングスペースのコミュニティの熱狂に日本を元気にする可能性を見て、その事業を手がける外資系企業へ転職しました。そこで1年ほど、ハイパーグロースの達成と困難さを経験しました。 その後、NotionのCOOであるAkshay Kothari(アクシェイ・コタリ)から、「日本で最初のセールスを採用したい」という話を聞きました。Akshayはビジネス特化型SNS等を手掛ける会社の元社員であり、以前から知っていました。会社のMission、製品の持つ可能性に魅了されると同時に、当時本社含め50名くらいの会社で一人で日本のビジネスを立ち上げるという点に自分のこれまで蓄えた力を発揮できるのではないかと考えました。複数回のGo-to-market戦略の議論後、日本法人の最初の社員としてNotionにジョインしました。
日本1号社員として入社したNotionでは、どんな仕事をしましたか?
私がNotionに入社した時点で、日本には既に多くの『Notion』ユーザーが存在していました。そこで、日本市場を正確に把握するため、最初に取り組んだのが徹底的なリサーチです。ユーザーが『Notion』を利用する理由や活用方法を詳しくヒアリングし、市場理解を深めました。日本市場は『Notion』にとって重要な位置を占めるため、市場を成長させる計画を立てました。 私が入社したのは2020年9月。翌年の2021年10月には日本語対応の『Notion』ベータ版をリリース。そして2022年11月に正式リリースに至りました。ユーザーへのヒアリングを継続し、そのフィードバックをアメリカのエンジニアに伝える一方で、日本チームの組織づくりを進めました。二人目の社員として採用したのはカスタマーサクセス。まずは既にいるユーザー、法人顧客が真にNotionで成功していると強く感じることが重要だと考えたからです。
Notion Labs Japanを、どんな組織にしたいですか?
当社では、新しい仲間を迎える際に「Craft & Values」を大切にしています。Craft とは、ビジネススキルのこと。セールスでもカスタマーサクセスでもマーケティングでも、当社には高いレベルのスキルを持つメンバーが揃っています。インパクトのある仕事をするには、他のメンバーにインスパイアを与えられる程の洗練されたスキルを持つ人材と一緒に働きたいと思っています。 それに加えて、Values はマインド面のマッチングです。ミッションに共感し、プロダクトを愛してくれるメンバーと共に働きたいと考えているため、スキルの高さだけでなく、価値観のマッチも重要視しています。 創業者CEOのIvanからは、「日本で最高のスタートアップをつくってほしい」と言われています。私が考える最高のスタートアップの要素は、成長角度です。急成長を遂げ、勢いよく事業を拡大する組織を目指しています。売上やユーザー数の増加は分かりやすい指標ですが、それ以上に、メンバーが連携しながら事業の成長とともに自身も急角度で成長していくことが重要だと考えています。 これまで培ったスキルを生かし、爆発的な成長の中でさらにスキルを磨く。そんな良いサイクルが生まれる組織を目指しています。
Notionで成し遂げたいことは、何ですか?
私には、生涯を懸けて成し遂げたいライフミッションがあります。それは、最先端テクノロジーで日本の生産性を向上させることです。日本の国際競争力を高めるインパクトのある仕事に携わりたいと、常に願ってきました。世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社に入社した時から変わらない思いで、日本のビジネス現場の生産性向上に貢献する企業で働き続けています。 その点で、『Notion』は私のライフミッションと完璧に一致するプロダクトです。『Notion』の事業成長は、私のミッションの実現に直結すると考えています。ゼネラルマネジャーのポジションは、仕事とプライベートがインテグレートしてこそ、最大限の価値を発揮できるのではないでしょうか。『Notion』を広め、日本の生産性向上に貢献する。その一点において、私の仕事と人生は一体となっています。 自身のキャリアを振り返ると、ネットワーク・コミュニティ・コラボレーションの三つが軸となっていることに気付きました。人と人が集まり、繫がることで、新たな価値が生まれるのを実感しています。ビジネス特化型SNS等を手掛ける会社やコワーキングスペース事業等を手掛ける会社での経験も、振り返ればこの三つの軸に沿ったものです。
仕事をする上で、大切にしていることは?
プロフェッショナル意識を非常に大切にしています。その領域のプロとして計画を立て、それを実行するために適切なメンバーを集めます。プロとして成果を出すことに強いこだわりを持っています。「プロフェッショナル意識とは何か?」と考えた際、私が導き出した答えはアカウンタビリティです。日本語では「説明責任」と訳されることが多い言葉ですが、成功した時も失敗した時も、その理由を説明できなければ、プロとして仕事を適切にコントロールできているとは言えません。 さらに、考えを外に向かって発信することも重要だと考えています。どれだけ深い思考があっても、それを伝える努力、工夫をしなければ、メンバー、顧客、関係者には伝わりません。。外資系企業での経験も影響しているのかもしれませんが、自分の意見をあらゆる場面で積極的に発信することが必須だと感じています。アカウンタビリティを大切にしていれば、仕事の内容や進め方を自然と言語化できているはずです。その上で、それを周囲に伝えることがプロフェッショナル意識の本質であり、徹底すべき姿勢だと考えています。