スペーム株式会社 | インタビュー | 転職サイトGreen(グリーン)

代表取締役社長松村康平氏コロナ禍がきっかけで美容クリニックの立ち上げに参画。そのノウハウを生かして、事業を展開するべく、前職の同僚と共にスペーム株式会社を立ち上げる。経験があった人材紹介事業から創業し、その後、美容クリニック特化型の人材紹介へとシフト。現在は、美容クリニック開業コンサルティングや不動産事業など、多面的に事業を展開している。

美容クリニック業界に参入したきっかけは？

新卒で入社したメガベンチャーを2年半で退職し、その後、Webマーケティング領域のベンチャー企業へ転職しました。小規模な広告代理店にて、Google、Yahoo!、各種SNSを活用したWeb広告の営業および運用提案を担当しておりました。しかし、コロナ禍の影響によりWeb広告市場が大きく落ち込み、会社としても新たな収益源の確保が急務となりました。ちょうどその頃、当時の代表がかねてより関心を寄せていた「美容」分野での事業展開を構想しており、その一環として「美容クリニックの運営」に取り組むことが決まりました。美容クリニックは原則として医師免許を持つ者が開業するものですが、理事長となる医師を招聘し、実際の診療を担う医師を雇用する体制を整えることで、非医師であっても運営が可能となります。医療に関する知識が全くない状態からの新規事業立ち上げは決して容易ではありませんでしたが、多くの困難を乗り越えながら、ゼロから事業を創るという貴重な経験を積むことができました。

御社を立ち上げた理由は？

前職において美容クリニックの立ち上げを経験し、運営に関する実践的なノウハウを培ったことを契機に、志を同じくする同僚と共に当社を創業いたしました。前職ではハードワークが常態化しており、より合理的で持続可能な経営を実現することで、社員一人ひとりが幸福を追求できる組織をつくれるのではないかと考えたのが独立の背景です。創業に至った直接のきっかけは、コロナ禍により経営が悪化した企業の再建を担う新規事業への参画でした。一定のハードワークは想定していたものの、将来性が見えにくく、終わりのない負荷の中で働き続けることに限界を感じ、自らの手で新たな事業を創造する道を選ぶ決断をいたしました。創業当初は、私自身が新卒で入社した人材業界での経験を活かし、一般的な職種を対象とした人材紹介および採用支援事業を展開しておりました。しかし、共同創業者とともに「いずれは美容クリニック領域に特化した事業を手がけよう」という共通のビジョンを持っており、人材紹介事業が一定の軌道に乗った段階で、美容クリニックに特化した現在の主力事業へと舵を切りました。

美容クリニック特化型の人材紹介を事業にした理由は？

美容クリニックの求人情報はまだ限定的であり、医師や看護師が十分な情報を得られないまま勤務先を決定せざるを得ないケースも多く、結果としてミスマッチが生じることが少なくありません。一般的なクリニックとは業務フローや組織の存在意義が大きく異なるため、医療従事者にとっても職場選びの判断が難しいというのが現状です。このような情報の非対称性を是正するうえで、転職エージェントが仲介役として機能する意義は大きく、結果的により健全で透明性のある転職市場の形成につながると考えています。当社は美容クリニックの運営に携わってきた実績とノウハウを有しており、業界構造や現場事情に対する理解が深いのが特長です。そのため、美容医療の世界で働きたいと考える医療従事者に対して、将来的にどのようなキャリアが築けるのか、具体的かつ現実的な提案を行うことが可能です。一口に美容医療といっても、取り扱う施術は多岐にわたります。どの分野で専門性を高めたいのか、自らの志向や強みを踏まえて選択し、スキルを磨ける環境で経験を積むことが、理想的なキャリアデザインにつながります。

社名「スペーム」は、どんな意味ですか？

社名は、「希望」や「情熱」を意味するラテン語に由来しています。「将来に希望を持ち、現在の仕事に情熱を注ぎながら、自分らしい人生を歩んでいきたい」——そんな想いを込めて名付けました。そして、そのような想いを誰もが実現できる場をつくりたいと考え、私たちはこの会社を立ち上げました。美容クリニック業界においても、情報の非対称性を解消し、透明性のある健全な市場を形成したいという強い願いが、スペーム創業の大きな動機のひとつです。私たちは、「クライアントへの最大限の貢献」と「社員一人ひとりの自己実現と幸福の追求」をミッションとして掲げています。このミッションには並々ならぬこだわりがあり、何よりもまず社員を大切にすることを経営の根幹としています。社員が幸せに、やりがいを持って働ける環境であれば、自然とクライアントに対しても高い価値を提供できると確信しています。

仕事をする上で大切にしていることは？

私が最も重視しているのは「動くこと」です。特に意識しているのは、“数”と“量”をこなすということ。スタートアップやベンチャーの世界では、挑戦の連続こそが道を切り拓く唯一の方法だと考えています。チャレンジとは、未知の領域に踏み出すこと。だからこそ、頭であれこれと悩むよりも、まずは動いてみる。そして、その結果から得られた気づきを基に次の一手を考え、再び動く。このサイクルを繰り返すことで経験値は蓄積され、確かなスキルへと昇華していきます。社員にも積極的にチャレンジする姿勢を推奨しています。失敗はあらかじめ織り込み済みですので、臆することなく新たなことに挑んでほしいと伝えています。もちろん、失敗した際にはその原因を冷静に分析し、次に活かす姿勢が不可欠です。私自身、「始めたことは必ずやり切る」というポリシーを持っています。行動を起こした以上は、結果が出るまで決して諦めない。そして、結果を出すために徹底的に考え抜く。この“やり抜く力”こそが、成長の原動力であると信じています。