製薬会社のMRからITエンジニアになったきっかけは?
新卒で大手製薬会社に入社し、MR(医薬情報担当者)をしていました。医薬品の適正使用に必要な情報活動を行う仕事です。5年間MRとして働き、積極的にハードワークをしてキャリアを築こうと考えていました。ただ、MRの仕事を進める中で、非効率な業務の改善をやり始めたら、それがすごく楽しくなって、ITの世界にのめり込んでいきました。最初はExcelでマクロを組むところからスタートしたのが、業務ツールを作るためにプログラミングを覚えました。 エンジニアになるつもりはなかったのですが、のめり込んだら寝食を忘れて没頭するタイプの性格なので、平日は仕事が終わってから夜中まで毎日3、4時間はプログラミングをして、休日も一日中、プログラミング。ここまでプログラミングが好きなら、仕事にしようと考えて製薬会社を辞めました。MRは待遇面では文句のつけようがない仕事でしたし、結婚して家庭を持ったばかりだったのですが、プログラミングへの情熱が勝ってジョブチェンジしました。
大手製薬会社を辞めて、未経験でITエンジニアにチャレンジするのに、不安はありませんでしたか?
製薬会社からSaaSを提供する会社に転職しました。研究開発のDX支援をするプロダクトを開発していました。未経験での入社でしたから、あれこれとエンジニアの仕事を教えてもらいました。1年半その会社でお世話になって、フリーランスに転身。案件を紹介してくれる会社に登録し、フリーのプログラマとして働きました。 製薬会社からSaaS企業に転職した際、年収は大幅にダウンしました。ただ、プログラミングスキルを高めて、フリーランスエンジニアになれば、前職の年収を超えることは可能だと考えていました。実際、フリーになって収入は上がりました。おかげさまで、フリーランスエンジニアとして、たくさんの引き合いをいただき、仕事をお断りするレベルになった時、チーム化の必要性を感じ、ピースフラットシステムを設立しました。
ビジネスパーソンとして、自身の強みはどこにあると考えますか?
エンジニアでもあり、営業でもある点だと思っています。製薬会社での5年間の経験が今に生きていると感じています。個人的に、受託開発の営業という仕事に強い興味を持っています。予め完成している製品を販売する仕事ではなく、まだ形になっていない物を売る仕事。抽象度が高く、非常に奥深い仕事だと思っています。私のキャリアが単なる営業ではなく、エンジニアの経験もあるため、商談がそのまま要件定義に繋がり、受注後のプロジェクト推進に良い影響を与えていると思っています。 営業の世界は「属人化」が激しいですよね。「売れる営業」と「売れない営業」がいる。私は営業の属人化を破るチャレンジをしたいと考えています。AIを積極活用することで、経験がない人でも、すぐに営業として活躍できるワークフローを作り上げたい。そうすることで、ピースフラットシステムの事業も爆発的に成長させられると思っています。 営業の効率化には、製薬会社で働いている頃から取り組んでおり、最近は大手オンライン動画共有プラットフォームのチャンネルや各種SNSで「業務効率化の鬼」というキャッチコピーで、AIを活用した営業の業務効率化に関する情報を発信しています。
ピースフラットシステムの今後の展開は?
一点集中型の方針のもと、あれもこれも並行して事業を広げるのではなく、現在構築しているAI・DX支援のビジネスモデルを磨き込み、継続的にグロースさせていくことを考えています。 当社はシステム開発会社ではありますが、SES事業は行いませんし、日本国内で開発を主業務とするエンジニアの採用も行いません。 一方で、AIやITを活用して業務やビジネスを設計する側に回りたい人材は歓迎しています。 技術実装については、高い技術力を持つスリランカのエンジニアチームと連携し、日本側は「AIをどこにどう組み込み、どう業務や成果につなげるか」という設計・判断・活用の領域に集中します。 日本国内ではエンジニアリソース不足が続いており、採用に時間や資金を投下し続けることは、事業成長の観点では必ずしも合理的ではありません。 海外リソースを活用することで、技術力そのものはスケーラブルに確保できると考えています。 一般的なオフショア開発では品質管理が課題になりがちですが、当社では 業務理解を前提としたAI設計 要件の言語化・構造化 AIを活用した品質・進捗の可視化 によって、実務で使われるDXを実現しています。 ピースフラットシステムが提供したい価値は、「開発」そのものではなく、AIを活用して業務と成果を変え続けるためのコンサルティングと実装支援です。 お客様に言われたものをそのまま作って終わるのではなく、本当に解くべき課題は何か、AIを使う意味はどこにあるのかを問い続けながら、成果が出続ける仕組みとしてAIを実装することを、今後も軸に展開していきます。
仕事をする上で、大切にしていることは?
新卒入社した製薬会社にいた頃から、業務効率化にはこだわっています。一人当たりの生産性を上げるにはどうすればよいのか、ロースキルな人がAIを駆使してハイスキルな仕事をこなせるようになるのが好きなのです。製薬会社に在籍していた頃、皆ノートPCで業務をしていたのですが、私は画面が小さいと業務がはかどらないと考え、モニターを買って大画面で仕事をしていたら、いつの間にか私のいた営業所では大画面モニターで仕事をするのが流行りました。 高校生の頃に某イタリアンチェーンでアルバイトした経験が、業務効率化の原体験かもしれません。キッチンで働いていたのですが、マルチタスクで業務をこなさないと仕事が回らない。ハンバーグを焼いている間に、パスタを茹で、それと並行してサラダを作る。最適な業務フローを瞬間的に組み立て、効率的な仕事の進め方をしないとオーダーをさばけません。大変な仕事だと感じるよりも、効率的に業務をこなすことで、結果が違ってくることがとにかく面白くて、効率化に目覚めました。