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インタビュー画像代表取締役社長 坂本 俊輔氏 大手SIerへ新卒入社し、小規模のITコンサルティングファームへ入社。取締役にまで上り詰め、新たにIT調達支援サービスを事業化。その事業のノウハウやポリシーを受け継ぐ形で、2010年に同社を創業。 2017年には政府CIO補佐官 (2021年から農林水産省デジタル統括アドバイザー)へ就任。社内でも、現役のコンサルタントとして活躍中。 自社の利益だけを追求するのではなく、社会のIT戦略レベルを上昇させることを同社の使命に掲げている。

御社は経営理念や行動指針の共有を非常に大切にされていますが、きっかけはあったのでしょうか

発端は、当社と同じIT調達支援サービスを、私が前職のITコンサルティングファームでサービス化した時かもしれません。新たな考え方でサービスに臨もうと考えましたが、当時のメンバーは当然のことながらそのようなサービスをやるという前提認識がないまま仕事をしていたため、私だけが方針を掲げてもメンバーとどれだけ同じ目線で仕事に取り組めるかに、大きな壁を感じていたんです。 それは、前職のサービスを踏襲して当社を創業した以降も同様でした。単にサービスメニューを掲げて業務のやり方を教育するだけでは、目指すべき価値観や振舞いの認識共通化が図れないという課題意識がありました。そのため、経営理念や行動指針の言語化を行うとともに、その浸透にはかなり力を入れて取り組んでいます。

2010年に御社は創業しましたが、これまで大変だった時期はありますか

立ち上げてから数年経ち、いわゆる組織のマンネリ化で悩んだ時期もありましたね。その状態が好転したきっかけの一つは、私が政府CIO補佐官を兼業したことだと考えています。 正直言えば、CIO補佐官を始めた理由は、私自身のキャリアを見つめ直したかったためです。企業の代表という枠にとらわれず、個人としても活躍していきたいなと。おかげで、自身の可能性が一気に広がりました。 ですが、思いもよらず会社にも新しい風が吹きました。その一つは、メンバーの自律的な活躍の場が広がったことです。以前は恥ずかしながら、代表としてメンバーの仕事を細かくレビューし過ぎていた時期もありました。しかし私がCIO補佐官の業務で忙しくなった分、もっとメンバーを信じて仕事を任せるようになった、ならざるを得なかったんです。その結果、社員一人ひとりが期待以上に自律的に動ける姿を見ることができ、それを受けてさらに裁量のある役割を任せるというスパイラルが回りだすようになりました。現在は経営理念と行動指針に基づきながらも、一人ひとりがさらに多くの裁量を持ち、より多岐にわたる形で支援できるようになりましたね。

経営理念や行動指針の他に、坂本さんが大切にするお仕事観はありますか

最終的には経営理念や行動指針に結び付くのですが、「無駄な時間を使わない」という点は徹底していますね。社内でも、自分や相手の時間を大切にする文化は根付いていると思います。 例えば、必要以上にセッティングする会議や、不毛な議論。また、経営理念に合わないプロジェクトにアサインすることさえも、当社では「無駄なもの」です。どれだけ対価をもらえたとしても、当社や当社のメンバーがすべきことでなければ、「相手の人生の貴重な時間を浪費させている」ということ。それをなるべく避けたいです。 端から聞けば、厳しい文化に感じるかもしれません。しかしこれは、経営理念や行動指針に基づいた仕事に繋がります。もちろん、100%効率的に仕事ができている自信はありません。でも同じ方向を目指すからこそ、この「何が必要か、何が不要か」というポイントもメンバーで共有できているように感じます。

自分や仲間の時間を大切にする――。この風土は、制度等にも生きているのでしょうか

はい。まずはテレワークが基本で、会議もオンラインで実施するケースがほとんどです。会社としては、不必要な出社はなるべく避けたいと考えているほどです。実はオフィスにデスクが十数席しかなく、現在のメンバー全員が出社したら、みんなで座っての仕事等は、到底できません。 また、「子育てタイム」を意識した柔軟な勤務管理を取り入れています。子育て世代が仕事と両立しやすいよう、子供の送り迎え等の時間には仕事に一旦区切りを付け、落ち着いたらまた気兼ねなく仕事に戻れるという、ワークライフバランス重視の勤務システムです。今後も、こうした働き方に関する制度は、メンバーのニーズに応じて調整していく予定です。 しかし、やはりここでも重要になるのは経営理念や行動指針です。このようなテレワークや子育てタイムを実行しながら組織が成り立つのは、メンバーに同じ考えが浸透しているからこそ。このことは強調させていただきます。

無駄を省くことが、「キャリアを諦めない働き方」にも繋がっているんですね

そうですね。また「キャリア」という視点で話をするならば、メンバー一人ひとりの仕事ぶりやキャリアへの丁寧なフィードバックには自信があります。 近年はマネージャー層も「メンバーのための適切なマネジメント」を意識しています。資料の隅々まで干渉するような過度なマイクロマネジメントではなく、例えば「そのクライアントの課題に応えるには?」「自身の昇格に向けてのギャップは?」「その先の目標設定は?」といったものです。担当クライアントはもちろん、そのステップを踏んでメンバー自身もレベルアップできるようなマネジメントです。 これまでもマネージャー層の働きかけによって、キャリアに悩むメンバーがギアチェンジし、自信を取り戻せたことがありました。もちろんメンバー自身が適性を見極め、自身でキャリアを選び、情熱を持って取り組む姿勢は欠かせません。しかしそれを全力で支えたいと考えています。安心して飛び込んできてほしいですね。

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