WONQ株式会社

自分達が生まれ育った九州の企業DXに立ち上がったシステム開発会社が、福岡市にある。2021年3月に立ち上げられたWONQ（ウォンク）株式会社だ。

同社は、システム開発やアプリ開発を手掛けるSIer。福岡を中心に、九州地方の中小企業のIT課題を解決するバックアップを行っている。同社のクライアントの多くは従業員100名未満の中小企業。こうした企業では、DXやデジタルシフトを進めたくても、十分な予算を確保できず、大手ベンダーに開発を依頼するのは現実的ではない。同社は、効率的な開発でコストを抑え、中小企業にもフルスクラッチのシステム開発を提供できる体制の構築を目指している。

「九州に限った話ではありませんが、地方の中小企業のDXは『待ったなし』の状況になっています。どの業界も人手不足が深刻化し、業務にITを導入したいが、大きな予算を割けない。多くの企業はSaaSやパッケージの導入で乗り切ろうとしていますが、それでは業務フローをソフトウェアに合わせる必要が生じ、導入したツールの活用が進まないという新たな課題に直面します。当社は、フルスクラッチの開発にこだわり、かゆい所に手が届くテーラーメイドなシステムを、適正価格で提供したいと考えています」（代表取締役・岩下直人氏）。

同社が開発を進める際にこだわっているのは、「ユーザーインターフェース（UI）」。システムの導入をゴールとせず、ユーザー企業の従業員が日常的に活用したくなる使い心地の良さを重視している。

「当社は開発の初期段階でUI/UXデザイナーが操作画面を作って、クライアントと開発の方向性を探ります。初期段階でお客様と方向性を合わせることで、開発に無駄が生じず、その結果、コストを抑えた開発が可能となります。無駄な工程を極力省くことで、お客様と当社エンジニアの負担を軽減できると考えています。そのため、エンドユーザー直請けの案件にもこだわっています」（岩下氏）。

SI業界は多重請負構造となっており、SESによってエンジニアリソースをコントロールしながら開発を続けるのが一般的。しかし、同社のクライアントである中小企業のプロジェクトでは大規模な体制を必要とせず、伴走するスタイルでDX推進を進められる。

「九州には老舗企業も多く、ちょうど代替わりのタイミングにある企業も増えています。2代目、3代目の社長はITに理解があり、柔軟な考えを持っている方も多い。当社としても、そうした若い経営者達と一緒に、地元九州の企業を変革していきたい。そのためにも、目の前の案件だけでなく“10年先の九州”を見据えて開発に臨む若手エンジニアを育てたいと考えています！」（岩下氏）。

WONQの大きな強みは、「AIツールの開発」や「VRソフトウェアの開発」にある。代表の岩下氏は、福岡県の大学院でこれらの研究に従事したバックグラウンドを持ち、その先端技術をビジネスの現場へと落とし込み、業務の効率化や新たな体験価値の創出を実現してきた。さらに、AIを活用した業務効率化ツールやデータ分析基盤の構築など、幅広い開発領域に対応できるのも大きな特徴だ。

「九州のIT企業で、AIツールの開発や、VR開発まで一貫して対応できる会社は、まだ多くはありません。当社は、業務プロセスの本質を理解した上で、AIやクラウド技術を組み合わせた“最適解”を提供できます。効率化はもちろん、新しいビジネスモデルや収益機会の創出まで見据えた開発を得意としています」（岩下氏）。

また、同社はSESではなく受託開発に特化しており、エンジニアが腰を据えて開発に集中できる環境を整えている。経験が浅くても新しい業務に挑戦でき、フルスタックエンジニアを目指せる土壌があることも大きな魅力だ。

こうした先進技術に興味を持つ若手エンジニアにとって、同社はまたとない成長環境を提供している。経験が浅くても新しい業務に挑戦でき、フルスタックエンジニアを目指せる土壌が整っている。さらに、AIやVRといった最先端分野に日常的に触れられる機会も豊富だ。

「SESではなく受託開発のみを手掛けているため、腰を据えて開発に集中できる環境があります。エンジニアがスキルアップできるよう全面的に支援しますので、未経験でも安心して取り組めます。技術を磨いて、市場価値の高いエンジニアになってほしいと考えています」（岩下氏）。

「九州発」であることにこだわり、地域と共に成長する同社。AI・VRといった先進技術を武器に、地方企業のDXを加速させるとともに、エンジニアに成長機会を提供し続けている。ITテクノロジーで九州の未来を一緒に創り上げる仲間を、同社は求めている。

岩下氏は、今も現場に立ち続ける現役のエンジニア。30代前半という若さを生かし、メンバーと共に自身も成長していく姿勢を大切にしている。エンジニアとしてのキャリアを持つからこそ、技術者の価値観を深く理解しており、「エンジニアが自分らしく働ける組織」を目指して制度や組織文化の整備に力を注いでいる。

特徴的な取り組みの一つが「スーパーフレックス制度」。1日8時間勤務という条件さえ満たせば、出社・退社の時間は自由という柔軟な制度だ。ただし、クライアントや社内メンバーとの打ち合わせは最優先にするのがルールとなっている。

「エンジニアが自分でスケジュールを決められるように、働き方には柔軟性を持たせています。当初はフルリモートでの働き方を模索しましたが、開発はチームメイトやお客様とのコミュニケーションが重要。今は週に1回程度に留めています。メンバーの出社を決めたことで、オフィスも博多駅東に移転しました。ミーティングの時間だけ調整してくれれば、働く時間はメンバーの自己管理に任せています」（岩下氏）。

こうした自由度の高い働き方に加えて、休暇取得の奨励や残業の抑制等、スタッフが公私共に充実した生活を送れる環境づくりにも取り組んでいる。月の平均残業時間は10時間未満と非常に少なく、ライフスタイルに寄り添った働き方が可能だ。一方で、「若いうちに多くの経験を積みたい」と考えるエンジニアには、希望に応じた“ハードワーク”の機会も用意されている。

「20代にハードワークをしてスキルを高めれば、その後のエンジニアライフが充実すると思っています。残業を奨励しているわけではありませんが、希望する人にはどんどん仕事を任せていきます。勉強会を開催する等、業務とは別にスキルアップの機会も積極的に設けています。若手エンジニアがスキルを高めることで、九州の企業DXを推進する会社としてのポジションを築きたいです」（岩下氏）。

自分達の地元・九州を盛り上げたい。その思いが、同社の根底にある。Iターン・Uターン・Jターンの転職希望者も歓迎し、フリーランスからの転身組にも居心地の良い環境を提供している。

「私は熊本出身で、大学生の頃から福岡で暮らしています。九州人は独立の気概が強く、『東京何するものぞ！』という反骨精神にあふれている人が多い土地柄。九州のエンジニアはみんな独創的でクリエイティブです。お客様も、九州の会社に開発を依頼することに喜びを感じてくれています。九州の未来は、九州で働き暮らす人達でつくりたい。同じ思いを共有できる仲間を沢山集めて、九州の企業DXを推進していきます！」（岩下氏）。