代表取締役・中村 亨氏 富山県出身。東京都にある大学の政治経済学部を卒業後、公認会計士試験に合格し、大手監査法人へ入所。監査業務を通じて国内外で豊富な経験を積んだ後、ベンチャーブームの流れを受けて退所。知り合いが立ち上げたコンサル会社副社長を経て、33歳で中村公認会計士事務所を設立。IPO支援をはじめ、FAS、税務、M&A、事業承継等の幅広い分野でサービスを展開し、総合型コンサルティングファームへと事業を成長させている。

起業までのご経歴を教えてください。

富山県で生まれ、大学進学を機に上京。大学では経済や経営に関心を持ちつつ、将来は銀行や証券会社に進むものだと漠然と考えていました。しかし、バブル崩壊や湾岸戦争等、不透明な時代背景の中で就職活動を進める中、大手金融機関に入っても本当に自分の力が発揮できるのか、という疑問が湧き、「誰にも負けないスキルを身に付けたい」と考えるようになりました。 そこで出会ったのが、公認会計士というプロフェッショナルな道です。大学3年の終わりに受験を決意し、2度目の挑戦で合格。監査法人に入所し、監査業務にやりがいを見出し、国内外を飛び回る多忙な日々を経験しました。その後、同僚が立ち上げたコンサル会社で副社長を務めた後、33歳で中村公認会計士事務所を設立。顧客の声に応える形で事業領域を広げ、後の株式会社コーポレート・アドバイザーズへと繋がる礎を築きました。

目指す会社像を教えてください。

当社が目指すのは、「選ばれ続けるプロフェッショナルファーム」であることです。その核にあるのは、「お客様の不満やニーズに応えること」「人材を育成すること」「仕組みを作り効率化すること」という三つの軸。これらを追求することで、単なる問題解決にとどまらず、顧客企業の発展と社員一人ひとりの成長の双方を実現する組織をつくっています。 経営理念である「明日を創る」という言葉には、お客様の明日・自分自身の明日・組織の明日という三位一体の未来創造が込められています。その実現のために、メンバー全員が自ら挑戦し、変化を恐れず前進する文化を大切にしながら、総合力と専門性を高め続け、最終的には日本を代表するプロフェッショナルファームへと進化したいと考えています。社員と顧客が共に成長できる場――それが、私達が目指す理想の会社像です。

社員にどのように成長してほしいですか。

社員に期待するのは、変化を恐れず柔軟に挑戦し続ける姿勢です。定位置に固執することなく、何事にも前向きに取り組み、視野を広げてほしいですね。 歓迎するのは、成長を求める意思を持ち、たゆまぬ努力をし続けられる方です。そのような方には失敗を恐れず果敢に困難なことに挑戦し、あえて「苦しんでください」とお伝えしています。なぜなら、本質的な成長は、「苦しみ」のプロセスを経て初めて得られるものだからです。私自身、多くの社員の成長を見届けてきた経験から、このことを強く実感しています。 当社は挑戦する社員に対し、成長の機会と環境を最大限に提供しており、努力する方を全力で支援する土壌が整っています。自らの限界を決めず、積極的に挑み続ける方にとって、これほど成長できる環境は他にないと自負しています。

中村社長にとって仕事とは何ですか。

「プロフェッショナル」という一言に尽きると思います。大学時代に公認会計士を目指し始めて以来、この言葉が常に自分の中にあり続けています。 私が考えるプロフェッショナルには、四つの重要な要素があります。第一に専門性であり、これは仕事の土台となる力です。第二に「聞く力」。これはお客様の話をしっかりと聞き、本質的なニーズを引き出す能力を指します。第三に「伝える力」。どれほど知識があっても、それを相手に分かりやすく伝えられなければ意味がありません。最後に「人と上手く関わる力」。一人でできることは限られているため、チームで成果を出すための協調性やコミュニケーション能力が求められます。 これら四つの力をどのように伸ばすかは人それぞれですが、当社には社員一人ひとりが自分に合った成長の道を選び、その実現を支える環境が整っています。

社員に求める仕事への取り組み方を教えてください。

当社では、社員に対し付加価値の創出を重視し、単なる作業ではなく価値ある仕事に取り組むことを求めています。また、お客様からの問い合わせには迅速に対応し、ミスやクレームは速やかに報告して改善の機会と捉える姿勢が重要です。報酬に関しては、お客様と対等な関係であり、プロフェッショナルとして正当な対価を請求するため、サービス品質と業務効率の向上を常に追求すべきと指導しています。 さらに、「なぜ当社に入社し、働いているのか」を自問することも大切にしています。実際、多くの社員は「成長したい」という意欲で入社していますね。 プロフェッショナルになるには「成長痛」と呼ぶ苦難の期間があり、これを乗り越えるためにはお客様の感謝や上司の信頼、業務の達成感等「成長実感」を得ることが不可欠です。当社は、成長意欲を持つ社員を支え、共に歩む環境づくりに力を入れています。