株式会社ロットネスト

「次の100年を創る」を理念に掲げ、インターネット広告代理店事業を手掛ける株式会社ロットネスト。持続的なマーケティングでクライアントに貢献しているベンチャー企業だ。

設立者は、代表取締役CEOの豊嶋玲氏と、COOである濱田弘樹氏。都内の大手インターネット広告代理店の出身だ。今回は豊嶋氏に、会社の思いをたっぷりと話してもらった。

香川県で生まれ、小さな頃から親の家業を見てきた豊嶋氏。自然と、自分も経営者となる将来を考えながら育ったという。そのためまず大学時代は訪問販売を行う学生ベンチャーに入り、代表まで務めあげた。ここでは苦労と成功を重ねるうちに、営業力や企画力、マネジメント力が鍛えられていく。そうして胸を張って社会人へと巣立っていく仲間をたくさん見てきた。実際ともに戦ったOBOGは、企業の第一線で活躍したり、起業で成功を収めたりしているという。

「自分の人生に責任を持ち、将来を自分で切り開く学生たちを見たとき、こう思いました。『こうした連鎖をもっとたくさん起こせれば、幸せな人が増えるんじゃないか、幸せな日本になるんじゃないか』と。そこで、素晴らしい経験や成長を支える組織作りを学ぼうと、組織力で経営に成功している株式会社サイバーエージェントに入社しました」（豊嶋氏）。

ここで豊嶋氏と濱田氏は同期社員として出会い、意気投合。「いつか会社を作りたい」と話をするほどの仲になった。もちろん豊嶋氏の「素晴らしい組織を築きたい」という夢は続いていた。その一方で、豊嶋氏と濱田氏にはもう一つの考えも生まれた。

「サイバーエージェントで、組織の成長が会社の成長に繋がる様を見てきました。その中で気付いたことがあるんです。組織には何か目標があって、それを達成させるために組織があるんですよね。会社にとってその大切な何かとは、“事業”なのではないかなと」（豊嶋氏）。

ビジネスは、いわゆる流行り廃りにも左右される。世の中にはたくさんの事業やサービスが生まれるが、ずっと世の中に必要とされる事業として生き残るのは、なかなか難しい。

「例えば20年30年先、自分の子どもの世代でも支持される、そんな事業こそが本物ではないでしょうか。それがさらに100年先にも残るものであれば、たくさんの人を幸せにできるんじゃないかと。それを、自らの手で生み出したいと思うようになったんです」と豊嶋氏は振り返る。

「次の100年を創る」という理念は、こういった思いから生まれたのだ。

「100年続く事業」×「仲間が思いきり成長できる組織」――。これらが叶う企業を目指して、二人は独立を果たした。

同社の広告代理店事業は現在、美容外科・皮膚科、医療脱毛、医療アートメイクといった、医療美容にフォーカス。こちらは豊嶋氏と濱田氏が前職で多く担当したフィールドでもあり、業界特有の課題をしっかりと押さえていた。

医療美容のような店舗型ビジネスは、デジタルマーケティングにまだまだ苦手意識があるという。ECのように、ネット上で顧客とのコミュニケーションが完結するビジネスとは違うからだ。無料カウンセリングから実際の施術予約に至り、その後リピーターになってもらうまで、ネットと店舗を融合させたコミュニケーションが必要なのだ。

「社内に専門のマーケティング部門を設けていない中小規模の美容クリニックは多い印象です。技術はとても素晴らしいのにマーケティングでうまくいかず、経営に苦労しているんです」（豊嶋氏）。

そこで、同社の出番。強みは “顧客の声”と“現場”を重視した、根拠重視のマーケティングだ。

まずは、“顧客の声”。同社はなんと、独自の市場調査も実施している。「取引を始める前に、顧客となりえる消費者にインタビューを行っています。美容サービスに関心のある方々が何を求めているのかを、しっかりと把握しておくためです。こちらを全うしている代理店は、意外に珍しいかもしれませんね」（豊嶋氏）。

次に、“現場”について。同社の商談では必ずクライアントの店舗へ足を運ぶ。実際にサービスが行われる店舗の周辺環境や、強みをしっかりと見極めるためだ。また顧客と対峙するスタッフから、顧客の声や反応などを聞きだすことも狙いだ。

実はマーケティングの世界では、まだまだ過去データやイメージに頼ったものも多いという。また、KPIを立てて広告運用するに至っていないケースも。

一方同社は「今、消費者は何を求めているか」というリアルな視点を取り入れることで、しっかりと結果を出してきた。

例えば、これまでマス広告で順調に売上を伸ばしていた大手医療美容クリニック。競合が一気に増えた近年は苦戦を強いられたが、同社の支援によって集客数は3倍にまで成長した。

またとある医療アートメイクのクリニックでは、同社と取引を始めた1年間で、単月売上が5～6倍以上にまで跳ね上がった。最近はトレンドを押さえた同社の提案により、アートメイクから派生した新サービスも開始している。

「制約までたどり着き、その先の持続的な売上を生む仕組み作りまでが、僕たちの役目なんです。ですからマーケティングをワンストップで引き受け、売上データの分析からキャンペーン企画、顧客ニーズを踏まえた新サービスの提案まで行います」（豊嶋氏）。

こうして同社はクライアントから高い評価を獲得。設立以来、クライアントから紹介を受けることもかなり多い。

クライアントにも、自社にも、100年続く素晴らしい事業を――。その実現に向かって同社は、新たな取り組みを続々と始めている。

豊嶋氏との話の中で、こんな言葉が印象的だった。

「僕、いつまでも“童心”を忘れたくないんです。いつも好奇心を持って、大切な仲間と笑いながらチャレンジしていく――。これが仕事の本質ではないでしょうか」

だからこそ同社で求めているのは、経験よりも“仕事を楽しめるマインド”だ。

採用で重視しているポイントとしては、大きく三つある。一つ目は、“次の100年を創る”などの組織ビジョンに共感しているか。二つ目は、同社のような成長フェーズの組織に自分の人生を委ねようと思えているか。そして三つ目に、素直さを忘れず、仲間とともに前向きに取り組める姿勢があるか。

こちらは、もちろん応募者にも見定めてほしいポイントだ。現在活躍しているメンバーも、上記を決め手にジョインしている。自身のキャリアを考えたときに同社と出会い、そのビジョンや成長性、メンバーの人柄にシンパシーを感じたという。「掲げたビジョンを、建前ではなく本気で叶えようとしている」それを感じ取って入社を決めたというメンバーも。

「当社にも行動指針などはありますが、代表である僕がそれを体現することが、一番大切だと考えています。だからこそ、『このチームなら成功できそうだ』『自分も頑張ろう』などと思えるのではないでしょうか」と豊嶋氏は語る。

実際にオフィスへお邪魔すると、ときには真剣な表情でディアスカッションしつつ、いつも笑いの絶えないムードが広がっていた。

そんな同社、組織での活躍やキャリア形成にも大きな可能性が感じられた。

例えば、創業初期にジョインしてCHROを務める佐久間成氏。セールスとして活躍した後、人材紹介会社出身者としてのノウハウを生かし、人事採用領域にもチャレンジしている。新規事業の企画にも貢献するなど、マルチに活躍している一人だ。

まだまだ、用意できるポストはたくさんあるという。組織やメンバー、事業の成長に繋がるアイデアも、どんどん発信してほしいと豊嶋氏は話す。

「当社はまだ、何者でもありません。何者でもないこの組織を、“何者”かにしていく――。それを、仲間になった全員で成し遂げたいんです」（豊嶋氏）。

“ロットネスト”という、まっさらな島の地図を広げたばかりの同社。このチームに飛び込み、誇れる仲間と、100年以上続く素晴らしい島を作りあげてほしい。