株式会社家カフェ

株式会社家カフェ。その社名からは、カフェ事業を手がける企業であると連想されることだろう。その予想は正解でもあるが、的確ではない。

同社は、戸建住宅の設計、施工、販売を手がける群馬県の住宅メーカー。そして、同時に「家カフェ」と名付けたカフェ型ショールームを運営している。

元々は一般的な工務店として事業を展開していた同社。現会長がイタリアで開催された家具の展示会において設営されていたカフェからヒントを得て、カフェとショールームが融合したモデルを思い付いたという。こうして、設計事務所が併設されたショールーム兼カフェというユニークな家カフェが誕生することとなった。

家を建てたいと考えている人であっても、設計事務所や住宅展示場を訪れる際に受ける営業行為を不安に思う人も多いだろう。そうした人たちに対し、カフェという気軽に立ち寄れるスペースを提供し、設計事務所やショールームの“敷居を低く”することが家カフェの目的だ。
家カフェにおいて、同社側から営業をすることは一切無い。顧客はのんびりと食事やお茶を楽しみながら、住宅雑誌や土地情報、住宅の模型や完成写真、そしてショールームの各部屋の様子を見ることで情報収集や具体的な建築イメージを固めていくことができる。また、希望すれば実際に土地探しの相談や施工のシミュレーションをすることも可能だ。この居心地の良い場作りが顧客に受け入れられるポイント。実際に同社に住宅を注文した顧客は、カフェの常連として来店することも多いという。

2008年にリニューアルし、食事メニューを増やしてからはその集客は10倍以上になり、現在、月あたり約1,500名が家カフェを訪れている。また、ホームページへのアクセスも20％増加し、資料請求も倍増するなど、その注目度を高めている。

同社は今後、このノウハウを活かして他の会社と提携し「家カフェ化」するサービスも展開していく。8月にオープンする名古屋店が2号店となる。

戸建住宅の設計・施工・販売が主業務である同社。
2,000人の建築家を有するデザイナーズ住宅「di:Blu」、「di:Blu」のデザイン性を生かしながら予算を重視する「C-STAGE」、デザイン性の高さと価格メリットを兼ね備え、子育て世代に向けたブランド「Ism Caro」、2棟セットで建築し、2世帯住宅や賃貸目的の活用を提案するプラン「unicube」の4つの住宅ブランドを展開している。

また同社では、システムキッチンや浴室、室内に備え付ける照明やカーテン、給排水の工事といった家創りに関係する要素を、限られた予算内で行う“フル装備住宅”の提案が可能。綿密なヒアリングを通じ、予算を重視しつつ理想的な住宅を創り上げることをモットーとしている。

顧客の大半は群馬県の住民。多くの地域住民の信頼をあつめ、数多くの物件を生み出してきた。

同社に入社する人は、まずは家カフェのカフェスタッフとして勤務することとなる。設計事務所においても業務の基本は接客。そのためにもコミュニケーションスキルを高めてもらうことが重要であると同社は考えているからだ。また、家カフェを訪れる顧客は、言わば見込み客でもある。家カフェのファンになってもらうことが将来の受注に結びつく、そのことを理解し、多くのファンを作っていくことが社員のミッションである。

同社の特徴は風通しの良さ。平均年齢20代後半の社員たちは仲間意識も強く、一つのプロジェクトをみんなで協力して行うことが多いという。また、意欲ある社員が多く、業務に対し積極的に取り組む姿勢が見受けられ、活気のある職場だ。

家カフェの業務は多岐に渡るため、大変なことも多いが、それは同時に自身のスキルアップにも直結するはずだ。また、物事の決定スピードも早く、会社の変化や成長を感じる機会も多いことだろう。

仲間と協力し、地域住民と触れ合う。そうしたことに魅力を感じることが同社で働く大前提。加えて、業務に主体的に取り組める人、成長意欲の高い人にお薦めしたい会社だ。