株式会社ブライトスター

株式会社ブライトスターは、主にSES事業を手掛ける会社だ。2014年の創業以来、一貫して右肩上がりの成長を続け、直近では社員数約260名、売上約20億円の規模に成長している。創業者で代表取締役社長を務める星川一輝氏は、元は中国籍だが（現在は帰化）、日本でのエンジニア歴は30年以上に上る。外国籍でも日本で働ける環境をつくりたいと考え、2014年にブライトスターを創業した。

コロナ渦で外国籍エンジニアの来日が困難になったことをきっかけに、2020年から日本籍のエンジニア採用を本格化し、現在は日本籍の採用がメインとなっている。このような経緯から社内は多国籍で、中国籍と日本籍のほか、韓国、モンゴル、マレーシア等、多様なエリアから人材が集まるユニークな環境となっている（公用語は日本語）。

創業10年でここまでの成長を遂げた要因を、人事課長を務める道日那氏は「エンジニアをしっかり集めることができたからだと思います」と分析する。創業当初は代表の星川氏も経営の傍ら、現場で開発に携わっていたが、次第に優秀な仲間が集まるようになり、各人が高いクオリティーでクライアント企業の要望に応えた。信頼関係が構築されて案件が増え、よき案件がさらなる人材の確保に繋がり、今日の成長を実現した。

クライアントの業界業種は多種多様だ。「実績で多いのは銀行、証券、保険といった金融業界ですが、ほかにも医療、メーカー、物流、官公庁等、様々な業界のお客様から案件をいただいています。特定の業界に偏るということはありません」と道氏。大手SIerや大手SESの直下で案件に参画するケースが多く、引き合いに対するレスポンスの速さと優秀なエンジニアが多く集まっていることから、何かと頼りにされる存在となっている。本来なら要望にすべて応えたいところだが、案件や引き合いの多さに対してマンパワーが足りていないのが現状だ。仲間を増やすことができれば、これまで以上の成長が期待できる。

その一方で、安易にフリーランスに頼らず、社員エンジニアを採用してきたこともブライトスターの特徴だ。採用企画を担当する八幡氏は言う。「フリーランスの方々に頼り過ぎてしまうと社内にリテラシーが蓄積されません。社員だからこそノウハウが社内に貯まり、若手で入って育つことで会社の文化もつくられます。また、社員とフリーランスでは帰属意識も全く違います」
固定費の増加という経営上のリスクを負ってもノウハウを蓄積し、会社としてボトムアップを図ってきた。今後も社員の仲間を増やし、より強い会社に成長させていく考えだ。

そんなブライトスターの最大の特徴は「エンジニアファースト」だ。コミュニケーションを密にとり、一緒にキャリアを考え、実現に向けて案件も選択できる。案件にアサインするときは、必ず本人の希望を聞く。当たり前のようにも聞こえるが、実際、SESの会社でこれができるところは少ない。
「案件は必ず本人に確認します。形だけ聞いて、希望を言っても聞いてもらえないという会社も多いですが、当社はダメならほかの案件を提案しますし、ときにはお客様とも交渉します。キャリア採用の社員には、今まで働いた中でブライトスターが一番エンジニア思いの会社だと言われています」と道氏。それも一人ではなく、何人もがそう言うという。

実際、どれほど本気で選べるかというと、例えば言語を変えたいという希望にも対応する。COBOLからJavaなら、まずCOBOLからJavaへのマイグレーション案件に入ってJavaに触れ、次からは完全にJava案件へ―という具合だ。知識や経験を生かせる部分をフックにして広げていく。そのようなきめ細かな対応ができるのは、エンジニア一人ひとりと日頃からコミュニケーションを密にしているからだ。

エンジニアは月に一度の帰社日があり、そのときに営業や人事と面談し、現状や今後についてじっくり話す。特に問題がなければ雑談になるが、それも重要だ。一朝一夕にではなく、じっくりと何でも話せる間柄をつくっていく。面談では「何ができるか」と「何がしたいか」をヒアリングし、ギャップがあれば、それを補う案件を提案。案件に入ってからも、状況確認と必要なフォローを欠かさない。

エンジニア側も期待に応えようと頑張る。するとお客様から評価され、本人のモチベーションはさらに上がり、向上心を持って取り組むことでブライトスターという会社全体への信頼が高まり、次の案件に繋がる。そんな好循環を実現している。案件も魅力的だ。エンドユーザーの大半は大手であるため大規模な案件が多く、生成AIなどの様々な最先端の案件に参画するチャンスもある。

人事評価は、お客様先からの評価と同社側の評価の半々で行う。客先評価だけでは基準にバラつきがあり、不公平となるが、帰社日などを通じて働きぶりを把握している同社側も評価するため、エンジニアにとっては安心感がある。頑張れば正当に評価され、昇進、昇給していく。キャリアの方向は、マネジメント系でも技術を極めるスペシャリスト系でも、志向に応じて選択できる。このエンジニアファーストぶりは創業時から今までも、もちろんこれからも変わらない。ブライトスターの強みであり、アイデンテティでもある。

採用やコンサルティングの立場で、これまでに多くのSES会社と関わってきた経験を持つ八幡氏は、同社はさらに成長すると自信を持って言う。
「たくさんの会社を見てきましたが、成長するダイレクトなイメージがわいた会社はごくわずか。ブライトスターはその一つです。実際にこれだけ成長してきましたし、ここからさらに大きくなるでしょう。会社の成長スピードを体感できることは楽しく、やりがいがあります。また、全員が社員ということは、これから受託開発などいろいろな方向に展開する可能性があるということ。私が今まで携わった会社の中でもトップクラスによい会社だと思います」

260人（2025年夏時点）の社員を、2030年までには500人規模にする計画だ。これは決して非現実的な目標ではない。それだけクライアントからの信頼と具体的な案件がある。成長を実現するために、今後もエンジニアファーストを追求し、会社の制度も必要に応じてブラッシュアップしていく。今後10年、15年と安心してキャリアを重ねてもらうために、今は社員からの意見も聞きながら評価制度の見直しに着手しているところだ。まだまだ成長途上であり、これから入る人は、このような会社づくりも楽しめる人がよいだろう。

採用ではスキルや経験に加えて、一緒に頑張りたい、一緒に会社を大きくしたいという気持ちも重視する。これも、社員を「頭数」ではなく、ともに頑張る仲間として見ていることの現れだ。また、向上心も採用で重視するポイントの一つだ。その向上心に応えるべく、各種社内教育も充実している。勉強会の開催、外部のe-ラーニングの導入、また、ほしい書籍があれば会社で買い、貸し出す。実際、社員はこれらのリソースを存分に活用し、よく勉強する。知識を身につけることで案件の可能性、キャリアの可能性が広がる。

社内コミュニケーションも良好だ。全社員が一同に集まる機会は、忘年会など年に数度だが、小規模の交流会、任意参加のバーベキューなど数々の交流の機会を用意している。そこで親しくなり、プライベートで交流する人たちも多いという。温かく和やかな社風ながら、存分に仕事に打ち込み、自分を成長させられる環境もある。今の環境や仕事に物足りなさを感じている・キャリアプランが描けない―といった悩みを持つ人は、一度同社に話を聞きに行くとよいだろう。