株式会社プラウドグロリア

システム開発会社の、株式会社プラウドグロリア。同社は未経験者を積極的に採用し、本人のキャリアビジョンに則して成長をバックアップすることに力を入れている企業である。

同社の現在のビジネス形態としては、SES（準委任契約）が65%、受託開発（請負契約）が35%。技術領域としては、インフラが80%、アプリケーション開発が20%という内訳だ。
代表的な実績としては、大手ITベンダー経由による国の年金システムの基盤開発プロジェクトが挙げられる。
「この案件は受託開発で請けています。大手ITベンダーからの直請け、エンドユーザーからすれば2次請けとなりますが、同じ立場の他のシステム開発会社はどこもエンジニア数が数百名以上の準大手や中堅ばかり。そうした中で、設立8年目で40名規模という存在は当社ぐらいです」と代表取締役の菅野能史（かんの・よしふみ）氏は胸を張る。

エンジニア数で数百名規模のビッグプロジェクトであるが、年金受給者の生活を左右するライフラインの構築・運用として高度な堅牢性や可用性が求められる。その基盤開発の一角を高い商流で任されているのは、若い企業ながら高い信頼性を獲得している証しだと言えるだろう。
「このプロジェクトをクライアントから直取引で獲得できたのは、当社に在籍する前から10年ほど本プロジェクトにエンジニアとして関わり続けている私やリードエンジニアの仕事ぶりを評価いただけたことによると自負しています。当該システムの知見やドキュメントの品質等が担保となっている形です」（菅野氏）。

そのほかの案件も、メガバンク等の金融系基幹システムといった、同様に信頼性が問われるものが多くを占めている。

なお、アクティブな取引先は、SIerやビジネスパートナー等30～50社。
「エンジニアのレベルや指向に合う案件はほぼ必ず確保できる顔ぶれを揃えていると言えます」と菅野氏は強調する。

同社は、2017年11月に菅野氏が設立した。

菅野氏はIT業界での起業を志し、2015年に現在のプラウドデータの前身企業にエンジニア未経験で入社する。同社が独立支援制度を運営していることが決め手となった。
その独立支援制度は、エンジニアリング業務やプロジェクトマネジメント等の経験を積み、経営マインドを持つ人材に対し、トップが独立レベルに達したと認めれば100%出資で独立させるというもの。菅野氏は、これを2年半でクリアした形だ。
「社名に“プラウド”のグループ名称を付けて『プラウドグロリア』としましたが、100%出資でも経営の自由度は認められています。よほど経営が厳しい状況にでもならない限りはフリーハンドで運営させてもらえています」と菅野氏は説明する。

この独立支援制度を同社も導入し、2024年6月に株式会社プラウドアドバンスという子会社（プラウドデータとしては孫会社）を100%出資で設立させている。
もちろん、プラウドグロリアとしても子会社の経営の自由度は最大限、尊重している。
「当社は比較的サーバー系のインフラを強みとしているのに対し、プラウドアドバンスはネットワーク系を得意としています。そこで、両社がタッグを組んで双方を手掛ける大型案件を獲得するといったグループシナジーを発揮させていきたいと思っています」と菅野氏は意気込む。

同社の経営理念として重視していることについて、菅野氏は次のように話す。
「ベタな言い方かもしれませんが、“社員の幸せ”を最重視しています。仕事面では、エンジニアのキャリアビジョンに則した案件にアサインするとともに、ワークライフバランスの充実も図れるようなマネジメントを行うことを方針としています」

そして、今後のビジョンとしては、現在のSESメインからできる限りの受託開発へのシフト、および自社プロダクト開発にもチャレンジしていく。
「SNSは未経験者から育成していく場として止めることはしませんが、やはり当社が責任持って納品する受託開発が本来の在るべき姿ではないかとの思いがあります。また、自社独自プロダクトも、メンバーから希望や意見を出してもらう形で進めていきます。既に、ペット系のアプリの検討を始めています」（菅野氏）。

同社の今後が楽しみな状況だ。

同社の未経験者からの導入・育成ステップは次のとおりだ。

入社1週間前に担当の管理営業職からの挨拶の後、大きくインフラ系か開発系かの希望を確認し、入社後1～2週間の導入研修に入る。
その後、ローキャリアという前提の下に基本的に1名で現場に配属し、配属先の実務指導を受けながら業務を開始する。
それとともに、会社から自宅で行う課題が送られ、プライベートの時間を割いて自己学習に励むという流れだ。なお、常時マネジメントが必要なメンバーには、日報を義務化している。

こうした方式を採る理由について、菅野氏は次のように説明する。
「私自身が経験したことですが、ローキャリアのうちに特定の先輩に付くと、その人の考え方に左右されて視野が狭まるリスクがあります。私の場合は、数カ月後にその先輩が外れて一人になってから、自分の考えで情報を吸収し格段に成長スピードを速めることができました。自己学習も、業務時間でなくプライベートの時間を削ってでも早く成長したいというマインドが成長度合いを左右します。もちろん、当社はローキャリア者を放置するわけではなく、困り事や分からないことはチャットや掲示板等でいつでも聞ける体制を整備していますし、管理営業がきちんとフォローアップしています。ですから、自分が納得して学びたいように学べる体制があると考えています」

なお、同社の約40名のエンジニアの中で最長のエンジニア歴は18年というベテランで、平均でも4年程度という実力者揃いだ。そんなエンジニア達は、最低でも年2回、担当の管理営業とキャリアビジョンを確認し、最適な案件アサインを実現させている。

エンジニア同士の交流も、半年ごとの帰社会や花見等の自由参加イベントといった機会がある。
「私自身、2025年7月現在35歳で、当社の平均年齢は31歳です。また、社員数も約40名という規模なので、できるだけ私と社員の距離を近付けるように心掛けています。例えば、管理営業とエンジニアとの定期的な面談には私も同席していますし、意見や相談事があれば直接言ってもらっています。社内の雰囲気も、プライベートでも一緒に遊びにいくほどとても仲がいいですね」と菅野氏は話す。

最後に、気になる待遇。同社では、エンジニアの単価をベースに、「会社総負担」として70%の還元を基本としている（会社の利益が30%）。会社総負担には、社員の給与や社会保険料等が含まれる。エンジニア個人への還元率としては、60～71%といったところだ。

そんな同社が求める人材像について、菅野氏は次のように話す。
「基本的にオープンで、何でも自ら相談してくれるような方だといいですね。そして、成長意欲があって、自ら学習を怠らない方。そんな方のご応募をお待ちしています！」