代表取締役 原田 勝人 氏 大手流通会社のシステム部門で30年強、技術者として勤務し、2001年バンガードシステム21を設立。社名の“Vanguard”には「先駆者になりたい」という想いが込められている。40年に渡って情報処理産業に関わってきた一方で、大地に根ざした生活と木工を満喫するライフスタイルを10年以上に渡って続けている。週に数回、事務所の近くにある大阪天満宮で「会社の発展」「社員の健康と成長」を祈願してから出社する習慣も。社員からの信頼は非常に厚い。

丹波篠山市から毎日通勤されているとのことですね？

サラリーマン時代は宝塚市内に住んでいましたが、起業する数年前から実家のある丹波篠山市に移りました。 月曜日から金曜日までは、毎日朝5時半に起きて大阪の事務所に出勤しています。そして、農繁期の土曜日と日曜日は、米づくりと野菜づくりに励んでいます。自家消費分と、さらに数名の知人に分けるくらいの収穫があるんですよ。 また、冬の間は、灯篭や水車や孫の玩具などの木工作業に没頭します。休みの日にゆっくり過ごすということが出来ない性分なんですね。土日は完全に仕事のことは忘れて、農作業や木工作業に集中しますから、放っておくと、月曜日出勤したときに何をすべきだったか忘れてしまう。ですから毎週金曜日は、やり残したことをメモに残して、自分自身に引継ぎをしてから業務に入ります。 サラリーマン時代は仕事人間でしたが、今は土曜日が待ち遠しいですね。就業中は仕事に集中して、オフタイムは仕事を忘れて何かに夢中になる、といったメリハリをつけないと仕事も楽しくならないでしょう。

御社は技術者にとっては働きやすい環境が揃っているようですね。

私は、社員の成長があって、初めて会社の成長があると考えています。技術者を孤立させないために、チーム単位で出向させることが出来て、さらに一つのプロジェクトにおいて受け持つ責任範囲を広げていくことができるのも、現場で働く技術者がコツコツと顧客の信頼を積み重ねて来たからです。ですから、働くことに喜びを感じられる企業風土を作り、技術力の向上を通して人間としても成長し、その結果として報酬が増えるという労働観を、社員の中に育んでいかなければならないと考えています。 私は、会社の事業計画の範囲において、本人の希望も聞き入れながら、それぞれの技術者が現状よりもさらに成長できる仕事に携わるよう、配慮しています。例えば若手のプログラマーですと、COBOLをマスターしたなら次はJava、といった具合に、技術者本人が、意識的に自分が向き合う対象を変え、財産（技術）を増やしていくように仕向けて行くのです。

平均年齢が32歳と若い方が多いようですが、社員に求めることは？

いつも話していることは、先ほどの話と共通しますが、日ごろから財産形成していますか？ということ。昨年の今頃と比べて今年はどれだけの知識や技術を身に着けることが出来たのか、出来ていないとすれば1年間ロスをしたことになるのだから、1年に1回は必ず棚卸をしなさいと言います。それから資格取得を奨励し、出来るだけ多くの資格を取得することを勧めています。また、仕事はチームでやるものですから、健康であることが何よりも重要だと思っており、同じ休むなら病気で休むのではなく、リフレッシュ休暇で英気を養って欲しいとも。 当社の事業の目標は、情報処理技術で社会に貢献することですから、一にも二にも健康に気をつけて技術力と人間性を高め、得意先や同僚から信頼されるSEになれ、ということを一ヶ月に1回、全員が集まる場で話しています。

今後のビジョン達成へ向け、採用したい人物像は？

インターネットや開発技術など、IT技術は日々進化し、現在は非常に多様なプログラム言語が存在しています。それらの多様なプログラム言語によって、あらゆる目的が実現しやすい環境が整っている一方、我々技術者自身にも、常に進化するための努力が求められているのです。 今後当社は、制御システムの開発にも注力していきますが、それと平行して従来実績を積んできたビジネスアプリケーションの分野の強化も図り、お客様の満足とは何かを常に追い求めていきたい。 そういった中で、必要と考える人材は、まず何よりも健康でありチャレンジ意欲が高いこと。そして、多様なプログラム言語の中のいくつかをマスターし、なおかつプロジェクトマネージャーとしての素養がある技術者です。業務知識は、今あるチームの中に入って、その中でマスターしていけば良いでしょう。そのためにも、協調性があって、チームのメンバーや顧客との対話がしっかり出来る、人の話を聞いて自分の意見をしっかり言える能力を持った人材を求めていきたいと考えています。