ウェイラジャパン株式会社

「モノづくり企業の発展の為に」「私たちを取り巻く全ての為に」を企業理念に掲げ、企業のDX化や業務改善の支援を行っているウェイラジャパン株式会社。同社は静岡県に拠点を置いているが、中国にもグループ会社があり、国内だけでなくグローバルに事業を行っている。

代表取締役の的場雅弘氏は、少し異色の経歴を持っている人物だ。静岡県内で3年間高校教師をした後、通信業界のエンジニアに転身。さらに、自動車部品メーカーのIT部門でインフラやセキュリティ関連の仕事に携わりながら、中国に出向して6年ほど現地の工場の業務改善を行った経験を持っている。

「業務改善の仕事をすればするほど、経営の知識がないと本当の業務改善には繋がらないと感じ、私自身のキャリアアップも考えて当社を立ち上げました」（的場氏）。

中国に限らず、特に日本の製造業の現場では、DX化を含む業務改善は間違いなく必要になってくる。それをしないと生き残れない一方で、変化を好まない企業も多く、簡単な話ではない。「だからこそ、そういう企業の役に立てる会社になりたい」と的場氏は力を込める。

「ITを導入するのは簡単ですが、使えないようなものは受け入れてもらえません。しっかりとコミュニケーションを取り、取説がなくても使えるような説明のいらない仕組みづくりを心掛けながら、お客様の原価改善や利益率の改善に繋げていきます」（的場氏）。

売上の軸としてはシステム開発がメインとなるが、「システムありき」では考えていないという。まずは業務の問題・課題が何かをしっかりとつかみ、ベストな選択をしていく。

「システムを活用するのがベストなら提案しますが、Excelでいいならそれでもいいし、既存のシステムを活用するのでもいいし、システムを一切使わないことだってあります。加えて、お客様のリテラシーの問題もあるので、導入後の保守・運用や社員教育のところまで一手に引き受けたりもします」（的場氏）。

その根底にあるのは「他と同じことをやっても勝てない」という思いだ。お客様の心にしっかりと寄り添いながら、潜在的なニーズを捉え、ベストなアプローチで付加価値を付けていく。
「システム開発も得意な『よろずや』的な会社が一つくらいあってもいいのかな、なんて思っています」（的場氏）。

同社ではフルリモートでの勤務を基本方針としている。

「大事なのはアウトプットなので、場所も時間も一切制限はしていません。バリ島で波の音を聞きながら働いた方が捗るなら、それでも構いません。いちいちどこにいるのかを確認することもしていないので、自由に好きな所で好きなように働いてください」（的場氏）。

ただし、月に一回は的場氏と1対1のコミュニケーションをしっかりと取り、顔を合わせたタイミングで自由参加の食事会を実施したりもしている。

「基本的には、社員の皆さんには自分の時間を大切にしてもらいたいです。朝からつらい思いをして通勤するくらいなら、少し多く寝たり、家族と過ごす時間を増やしてもらったりする方が絶対にハッピーだと思っています。有意義に時間を使ってもらうことで、仕事にも力が入るはずですから」（的場氏）。

ただ、集まって仕事をしたいという人に対しては、会社として協力を惜しまない。全国展開するレンタルオフィスと契約しており、日本全国どこでも利用できる環境は整えている。新幹線に乗る際はビジネスマン向けの車両を利用する社員も多いそうだ。

一方で、新人社員の場合はいきなり一人で自分なりに働くというのは難しいだろうということで、一人で自走できるようになるまでの専用のキャリアプランを用意している。

「まずは週5で出勤しながら基本的なスキルや経験を積んでいき、自分のペースで働ける環境にシフトしていってもらっています」（的場氏）。

こうした柔軟な働き方に対して、魅力を感じている社員が非常に多いのだという。

静岡と中国を合わせて、約30名のメンバーがいる同社。求める人物像について、的場氏は次のように語る。

「組織は同じような人が多く集まってしまうと弱くなるので、いろんな人がいてほしいと思っています。その上で、自分を変えたいとか、何か役に立ちたいとか、これのために頑張りたいとか、何か明確な思いを持っている人であってほしいです」（的場氏）。

海外との繋がりが強いからこそ、語学面の支援や海外勤務等はいくらでも応援したいと的場氏は話す。また、小さい組織なので経営層との距離の近さも魅力の一つだろう。

「正直に言うと、ITの仕事は若い人がやった方がいいと思っているので、50歳を過ぎたら世代交代しようと考えています。だから次の社長候補になりたい人は、思い切って挑戦してほしいです。ちゃんとした形で渡せるよう経営基盤も充実させますし、私の知見や経験は惜しみなく伝えようと思っています」（的場氏）。

クライアントからの紹介も着々と増えており、海外からの引き合いも多くなっている。今後、海外での仕事の比率は増えていくだろう。

「今後の売上目標を達成するためにも、5年後には社員数は倍くらいになっているイメージでいます。引き続き無理のない経営で、地に足をつけてやっていきたいと思っています」（的場氏）。