株式会社ベイシカ

株式会社ベイシカは、キャラクターのライセンス事業を軸に、デザイン、映像、撮影、Web制作等、多岐にわたって事業を展開している、キャラクタープロデュースカンパニー。多岐にわたる同社の事業を敢えて一括りにするならば「プロデュース業」となります。

同社のクライアントは、グッズメーカーや出版社、テレビ局とメディア等、キャラクタービジネスを手掛ける会社がメインです。

キャラクターを活用して商品を開発したり、プロモーションを展開したりする際にお声がけいただき、イラストレーターやデザイナー、アートディレクター等を抱えている同社が、プロジェクト全体を統括する形でクリエイティブ関係のお仕事を一括で請け負っています。

「グッズメーカーやメディア等がキャラクタービジネスを進める際に、企画から制作までワンストップで請け負うのが当社のビジネスです。クライアントのニーズを叶えるために、イラストを描くこともあれば、特設Webサイト等のランディングページを作ることもあります。社内にクリエイターも在籍していますが、クライアントのニーズに合わせて、外部パートナーに制作依頼するケースもあります」(代表取締役/プロデューサー・中尾恭太氏)。

働く人材の観点から眺めた時、同社で働くメリットが二つあります。一つは幅広い業務に携われる点。もう一つは、プロデュース力をスキルとして身に付けられることです。

一つのプロジェクトで映像を作ることもあれば、Web制作や、SNSプロモーションで使う素材を撮影することもあります。映像制作会社やWeb制作会社に所属してエンタメに関わったとしても、それぞれの専門領域を越えて携わるチャンスは少ないのが現実です。

「ある一部分の制作を請け負うだけでなく、プロジェクト全体に携わるようなプロデュースをメインとしているため、様々なカテゴリの業務に関わることができます。プロジェクトの進行を経験できる会社は多いですが、プロデュース領域の仕事を経験できる会社は多くありません。当社で経験を積めば、エンタメ業界でプロデューサーとして活躍するキャリアも拓けてくると思います。」(中尾氏)。

キャラクタービジネスのプロデュースをクライアントワークで手掛ける傍らで、自社キャラクターのライセンス事業も同社は進めている。

自社キャラクターのライセンス事業では、イラストレーターやデザイナーと契約してオリジナルキャラクターを制作したりプロモーションに活用したりすることで、クライアントに価値を提供している。

「契約クリエイター数は50名を超え、それぞれ個性的なタッチを持つクリエイターばかりで、クライアントのイメージに沿った提案が可能となっています。クリエイターのマネジメントも手掛けており『100日後に死ぬワニ』のプロデュースを手伝わせてもらった際には、作家であるきくちゆうきさんのマネジメントも当社で担当しています。」(中尾氏)。

自社キャラクターのライセンス事業は、同社が版権元となるため、単なるクライアントワークではなく、ビジネスとして大きな可能性を秘めている。

「社会現象にまでなった『100日後に死ぬワニ』では、いろいろ貴重な経験をしました。きくちゆうきさんがSNSで『100日後に死ぬワニ』をアップし始めるとすぐに拡散が始まり、当社とマネジメント契約を結ぶことになりました。ライセンスの管理、商品化や出版、映画化など、多岐にわたる展開をさせてもらいました。たった100日の間に、開始時は1万人だったフォロワーが、最終的にフォロワーが200万人を超えるという勢いを経験したのは、今後の当社の財産となると思っています」(中尾氏)。

ノベルティやグッズ、ロゴ等のデザイン、キャラクターやイラスト、漫画の作成、フィギュアのデザインや、原型・展示ジオラマの制作、映像制作等、とにかく幅広くプロモーションの素材を制作して提供している。スタジオ撮影ではキャラクターにこだわらず、アパレルや雑貨の商品撮影も手掛けている。

「クリエイターの個性を生かして、自社で絵本制作も手掛けています。絵本は最少人数で作品作りができるメディアです。絵本を通して各作家の特徴を活かした作品作りを行い、コンテンツビジネスへと繋げていければと考えています」(中尾氏)。

2017年12月に創業した同社。中尾氏は、キャラクタービジネスの世界で経験を積んできた人物で、これまでに培った経験と人脈を生かして、クライアントに価値を提供するため、独立・起業した。設立当初は、中尾氏が一人で活動してきたが、一歩ずつできることを積み上げていきながら、社員を増やしていった。

「私の個人での活動がベースとなり、その後クリエイターやプロデューサーに参画してもらいながら成長してきたのが、現在のベイシカです。自発的な社風の会社にしたいと考えているので、社員のアイデアや意見をとても大切にしています。自己成長と組織の成長が一体化するのが理想ですので、企業文化を明文化し、それらを浸透させることが重要だと思っています。そのため、早い段階から新卒社員の育成に力を注いできました」(中尾氏)。

キャラクターがいることで人は優しい気持ちになれ、希望を持てる。時には傷付いた心を癒してくれる。同社はそんなキャラクターの無限の可能性を信じ、キャラクターで人の心を豊かにし、世界中の人が「ワクワク」した毎日を過ごせるようにするのをミッションに掲げている。

「当社は『ワクワクできる毎日を。』というミッションの下、既成概念にとらわれず、キャラクターを通して日常を豊かにすることにチャレンジし続ける集団でありたいと思っています。社名は、根本・基本・道徳という意味を持つ英単語『BASIC(ベーシック)』にプラスアルファ『α』の工夫と閃きを大切にする集団でありたいという思いを込めて『BaSICA(ベイシカ)』と名付けました」(中尾氏)。

自由で自発的な社風の会社にするため、同社では社員の働き方や成長に対して柔軟な姿勢を貫き、フラットで風通しの良い組織を目指している。

「通常の組織図はピラミッド型で上下構造になっていますが、当社では前後が大事だと考えます。最前線にいるのは駆け出しでスキルや経験が浅いメンバー。彼らはとにかく手を動かして働く。それを後方で支援するのがリーダーやマネージャーのポジションで働く人達。そして、最終的に全ての責任をとるのが、代表の私だと思っています。上下の関係ではなく、前後の関係。後ろから声をかけ続け、勇気を与えることで、社員全体が前進できる組織を目指しています」(中尾氏)。