コーレ株式会社

新規事業支援に強いデジタルクリエイティブカンパニー、コーレ株式会社。元々は代表取締役の奥脇真人氏が2017年5月に個人でスタートさせた会社で、2023年現在、20代～30代前半を中心とする若いメンバーが20名ほど集まっている。

業種を問わず、スタートアップから大企業まで幅広いクライアントを持つ同社。中でもUIデザインとWeb系のシステム開発が得意で、Webサービス系ではSaaSやマッチングサービス、プラットフォーム系サービス、モバイルアプリ等の開発が多いという。

新規事業支援に力を入れる理由について、奥脇氏は次のように話す。

「大前提として、私自身、新規事業が好きです。これまでにもクラウドファンディングを使ったコンサルティングや新サービスのプロモーション等、新しい事業の立ち上げのお手伝いをいろいろとやってきました。そういうワクワクするような新しいチャレンジに対して力になりたいと思っています」

20代、30代の若いメンバーが多い点も大きな強みになっている。

「新規事業は要件が途中で変わってしまうこともあり、いろいろ対応が難しいことが多いです。その点、当社はゴリゴリなハードワークが得意な若いメンバーが揃っていて、チームワークでそこを乗り越えられます。言うなれば、しっかりとした耐性があるところも当社の特徴です」

同社にはもう一つ、事業の柱がある。自社コンテンツの開発だ。

最初に手掛けたのが、サンクスアプリ『アリレター』。コロナ禍でドライになった人間関係を繋ぎ止めるべく、「ありがとう」の感謝の文化を作るための組織開発ツールだ。

二つ目が理念浸透ツール『SOMAL（ソマル）』。会社のミッション・ビジョン・バリューといった理念をどう浸透させるかにフォーカスしたプロダクトで、Slackと連携させて理念や行動指針を日常の中でひたすら取り組んでいく。

そして三つ目がデジタルツールライブラリ『bicky.』。海外も含めた数百種類のデジタルツール・Webサービス・メディアやサイトの情報を集めたライブラリーサイトだ。次々に更新されていくため、簡単に新しい情報が取れる便利なサイトになっている。

同社の自社プロダクトは、実はツールだけではない。

「他社と共同運営しているのですが、カレッタ汐留（電通ビル）の地下2階で経営者限定会員制BARの運営をやっています。また、新しくコスメブランドを作っているところで、水分クリームという化粧品の開発を進めています。それ以外にも、高級ハンドソープの開発がスタートしました」（奥脇氏）。

きっかけは社内に美容男子が多く、趣味も兼ねて「自分達で作っちゃおう！」とスタートしたことなのだという。ただ、それだけではない。

「いろんな新規事業に関わる中で、Webの知識だけではどうしても限界が出てきます。最近はDXの流れもあってシステムとリアルをどう絡めるかがポイントになることも多く、だったら自社で小さくやれることから始めてみようか、と。リアルな場所の運営と、プロダクトの製造・流通・販売を自社で手掛けることで、社内にノウハウを蓄積し、ゆくゆくはクライアントワークの中で生かしていきたいと考えています」（奥脇氏）。

こうしたアイデアは社員の中からも出始めている。「今度、薬剤師さんと提携して『二日酔いに効くサプリ』を作ろうと思っているんですよ」と笑顔で話す奥脇氏。同社のフットワークの軽さやノリの良さがよく分かるだろう。

自社プロダクトについては、今後もいろいろ展開していくことになりそうだ。一方の受託開発事業については、しっかり継続していく。

「今やっている仕事で、お客様にパフォーマンスとして価値を提供できている実感があるので、このまま継続してさらにクライアントを増やし、そこに携わる社員も増やしていこうと考えています。ただ、スピードアップはしていきたいので、生成AI等の新しい技術を上手く活用しながら、業務の高密度化・高速化を実現していく考えです」（奥脇氏）。

同社は組織面でも非常に大きな特徴がある。それは上司・部下の概念がない「フラットな組織」であるということ。一人でできる案件は一人で、チームでやるならその都度チームを組む。「仕事を中心にメンバーが集まるスタイル」でプロジェクトが進められる。その一番のメリットは、煩わしい人間関係の“いざこざ”がないことだと奥脇氏。

「だから元フリーランスの人もめちゃくちゃ働きやすいと思います。パフォーマンスのことを考えたらこれが1番いいのではないかという判断ですね。大事なのは社内の顔色をうかがうことではなく、クライアントの顔を立てること。それさえしてくれれば、あとは自由にそれぞれの裁量で思い切りやってほしいと思っています」

加えて、11月に面白い社内制度をプレスリリースしている。「週3勤務の正社員雇用制度」で、社内ではスーパーライフワークバランス雇用制度と呼ばれている。

「社内には元フリーランスで自由な働き方を好む社員が多いです。それでいて、正社員としての保証を受けたいとなった場合に、どういう形が一番いいかを考えた結果がこの制度です。フリーランス的な働き方を求める社員に限らず、例えば子育て中やシングルマザーの社員にも適用できますし、自分のペースでゆったり働きたい人にも合うものだと思います」（奥脇氏）。

そういうわけで、同社はゴリゴリとハードに働きたい社員と、ライフワークバランスを重視したい派の社員が共存する面白い組織となっている。

同社で活躍できる人材について奥脇氏に伺うと、次のように答えてくれた。

「当社はスキルがあって、明るく気持ちの良いコミュニケーションが取れて、チャレンジが好きなガッツのある人であれば、めちゃくちゃ自由に働ける会社ですね」

その上で最低限求めたいことがある。それが「優しさ」だという。

「私は人の悪口が嫌いです。だから悪口を言わない人で、具体的にありがとうというコミュニケーションが取れる人。これが超絶対条件です。私達自身が、新規事業で挑戦していこうとする会社を応援する会社なので、自分達もそういう挑戦する気持ちは持ち続けたいですね」（奥脇氏）。

自由であるが故に、あまり制度がかっちりと決まっているわけではない。今後組織が拡大していく中でそこは課題となってくるが、現状ではそれぞれの判断に任せている部分が大きいという。

例えば、社員同士非常に仲が良くて飲み会が多い同社では、二日酔いになったら午前中は休んでいいというルールがある。要は、クライアントへのパフォーマンスさえしっかりしていれば、働く時間は個人で判断すればいいということ。その飲み会も参加したいメンバーが勝手に集まるだけなので、強要するものではない。現在はフルリモートなので、出社も自由だ。

「組織づくりにおいては、『自分達が一番幸せになるようにしたい』というのが基本的な考え方です。だから、当社の社員は皆、まずは自分達が幸せに生きていきたいと思っています。自分優先で生きてみてもいいんじゃないかと思っている人がジョインしてくれたら嬉しいですし、当社の文化にも合うと思いますね。お待ちしています！」（奥脇氏）。