UNBY株式会社

キャンプ用品の売買に特化したCtoCサービスを開発・提供している会社が、兵庫県三田市にある。

その会社、UNBY(アンバイ)株式会社は、2013年に大阪で創業されたバッグのメーカー。バッグブランド『master-piece』の事業責任者が、デザイナーチームと共に興した会社だ。新ブランド『AS2OV（アッソブ）『と『WISCE（ワイス）』を立ち上げ、現在は直営店『UNBY GENERAL GOODS STORE』を、大阪・東京・名古屋に展開している。

直営店は、自社ブランドバッグの販売だけでなく、「トップス」「アウター」「帽子」「靴・靴下」「眼鏡・サングラス」「腕時計」といったアパレル商品や財布・キーホルダー、ステーショナリー、雑貨等、幅広い商品を取り扱うセレクトショップでもある。

「当社は、鞄メーカーであり、自社ブランドのバッグにマッチする商品を販売する小売りでもあります。直営店のコンセプトは『鞄も人も中身が大事！』。当社の自社ブランドのバッグを使ってくれるユーザーに、私たちが本当に良いと思える物や抜け目の無い物たちを、自分たちの価値観で届けるスペースと定義しています」（代表取締役・冨士松大智氏）。

同社の直営店では、アウトドア・キャンプ用品も販売しており、特に本社オフィスの1階スペースを店舗にしている三田店は、ダム湖「千丈寺湖」の畔にあって、テイクアウトもできるカフェ『UNBY BOWL STAND SANDA』を併設。キャンプ場でのBBQも提供し、ダム湖を周遊するためのバイク・バギーのレンタルも運営している。

「個人的にアウトドアが趣味で、直営店オープン時からアウトドア用品を販売していました。韓国のアウトドア用品のメーカーとの取引が始まったことで、アウトドア用品の販売に本腰を入れ始め、本社を三田の現在のオフィスに移した時に、本格的なアウトドアショップをオープンしました」（冨士松氏）。

同社の創業者である冨士松氏は、前職でバッグブランド『master-piece』を、ほぼ独力で生み出し育て上げた人物。独立して自らのブランドでバッグのデザイナーを務めるだけでなく、興味があることには何でも積極的にチャレンジするアグレッシブな人物だ。

「会社名は、昔から日本で使われている『ええ塩梅（あんばい）』から引用しました。何事もバランスが大切。ファッションを通して勉強させていただいたコンセプトを会社名にしました。バッグをデザインする時に心掛けているのも、デザイン性と機能性のバランスです。事業もいろいろなことに『ええ塩梅』でチャレンジしてきたいと思っています」（冨士松氏）。

バッグメーカーとしてバッグの製造と卸売を手掛け、直営のセレクトショップとアウトドアショップを運営する同社。新規事業として、なんとアプリ開発を始めた。

きかっけは、冨士松氏の趣味であったアウトドア。キャンプ好きに限らず“趣味人”なら痛いほど気持ちを理解できるだろうが、趣味が高じると「道具」に走りがち。キャンプを趣味にする冨士松氏も、アウトドア用品が家に溜まって困っていたという。

「アウトドアの世界は、けっこう“沼”でして、ハマると新しい商品やもっと品質の高い製品がどんどん欲しくなって、気が付けば家に同じ道具が何個もある、という状況に。かく言う私の家にも、キャンプ用品が溜まっていました。同じような悩みを抱える人がいると感じて、キャンプ・アウトドア用品に特化したフリマアプリ『VINOVER（ヴィノバー）』を開発しました」（冨士松氏）。

お気に入りのアウトドア用品を安心・簡単に取引ができるCtoCサービス『VINOVER』は、オークションと即売、2つの出品形式を選択できるように設計されている。値段交渉をしたくない出品者は、出品ページで不許可にすれば商品ページに「値段交渉不可」と表示されるなど、ユーザー視点で開発された。

サービス名の『VINOVER』は「VIN（tage + hand）OVER＝ヴィンテージ物を引き渡す」という趣旨の造語。「付加価値の高いものの新たな価値を世界中に広げる」という同社の企業理念に即したサービスだ。

「当社が開発した『VINOVER』は、日本初のキャンプ専用フリマアプリです。キャンプ用品を処分するなら『メルカリ』『ヤフオク』で十分なのでは？という声を頂きますが、趣味人には愛着のある道具をメルカリやヤフオクなどで売るのは忍びないという感情があります。2022年7月にリリースした『VINOVER』ですが、少しずつユーザーが増えており、その多くはキャンプ中級者以上。良い製品を使ってきたという自負があるから、その思いを受け継いでくれる人に譲りたいという気持ちが『VINOVER』の利用に繋がっています」（冨士松氏）。

今後の展開として『VINOVER』を単なるフリマアプリではなく、コミュニケーションツールに進化させたいと冨士松氏は考えている。

「キャンプ好きが集まってくるから、そこで交流が生まれるサービスにしたいと考えています。イメージは『mercari＋Instagram』。キャンパー専用のSNSにして、キャンプに関する情報と道具が行き交う場所を作りたいです」（冨士松氏）。

日本初のキャンプ専用フリマアプリ『VINOVER』を開発した同社では、この新規事業をグロースさせてくれるメンバーを募集している。『VINOVER』の開発は、外部委託で進められており、同社にはエンジニアが一人もいない。新規事業を全面的に任せられる、非常に責任あるポジションのメンバーを広く募っている。

「私はITに関しては素人です。こんなことがしたい、あんなものを作りたいというアイデアはたくさんあるのですが、どうやって形にすればよいか分かりません。今回採用したいのは、社長直属で一緒にサービスを作ってくる人材です。実際の開発は引き続き外部委託でも良いと考えているので、エンジニアに限定しませんが、ITに関する基本知識は必要です」（冨士松氏）。

サービス開発の責任者というポジションとなるため、開発だけでなくマーケティングやブランディングといった領域も“守備範囲”となる。そのため、エンジニアがサービス開発の広い範囲でビジネスを経験でき、将来自分でサービスを立ち上げたいと考えているエンジニアには、チャンスだといえる。

「今後の組織作りに関しても、あれこれ相談したいと思っています。スピード感ある開発には内製化も必要だと感じているため、エンジニアチームを組織するのも念頭にあります。その際に、チームビルディングやその後のマネジメント、あるいはテックリードを任せられる人物だと最高です」（冨士松氏）。

同社の本社は、「千丈寺湖」の畔にある。絶景を眺めながら仕事ができるが、最寄り駅であるJR福知山線「広野駅」からオフィスまで、車で7分の距離。通勤には不便かもしれない。そのため、東京原宿にある東京オフィスへの出社も可能にしている。

「三田の本社オフィスは駐車場があるので、皆自動車通勤しています。大阪や神戸方面から約1時間。阪神地域に住んでいる人なら自動車通勤できます。のどかな場所で働くのは、心地良いものですよ。東京オフィスへの出社も可能なので、首都圏に住んでいる人も歓迎。日本初のキャンプ専用フリマアプリ『VINOVER』を一緒に爆発的な成長をさせたいと思ってもらえたなら、一度話をさせてください！」（冨士松氏）。

ITサービスの開発経験があるエンジニアに最適な仕事ではあるが、ターゲットとなる人材は幅広いかもしれない。ITサービスのWebマーケティングやSaaSのBizサイドの人材、あるいはUI/UXデザイナー等、ITサービスの開発・運営に携った経験が生かせる仕事である。『VINOVER』のサービスに興味を持った人なら、やりがいある仕事が待っている。