init株式会社

日本初のiOSエンジニア専門オンラインスクール『iOSアカデミア』を運営するのが、2019年4月に創業したinit株式会社。
未経験からiOSエンジニアとして働くために必要な知識を学べる、高品質なカリキュラムときめ細かいサポートが評判だ。

開発支援事業『init TECH』もスタートさせており、プログラミングスクール事業との2本柱で急成長を遂げている同社。
代表取締役の山田卓氏は法人営業として働いた後、全くの未経験からエンジニアに転身した人物。
彼がこれまでに得た経験の全てが詰まっているのが、同社の2つの事業なのだ。

「営業時代に、隣で楽しそうに働くエンジニアの仕事に惹かれたのがきっかけです。まずはカスタマーサポートエンジニアに転職し、テクニカル寄りの業務を経験しながら、独学で勉強して作ったスマホアプリをAppストアにリリースしたのが1つのターニングポイントになりました」（山田氏）。

そのアプリをポートフォリオにして様々な企業にアプローチ。クラウドファンディング事業を行う会社でフリーランスとして働き始め、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせる。1年半ほど現場で業務経験を積み、海外留学の後に立ち上げたのが同社だ。

「元々、僕自身が個人のフリーランスとして働いていた間に、150人ほどの未経験者や駆け出しの方に色々と教えていたことがあったのです。その内容を体系化し、事業にしたのがiOSアカデミア。人を育てることに適性を感じ、そこから“教育”と“成長”というキーワードが当社の事業の軸になりました」（山田氏）。

0→1を経て、1→10、10→100とキャリアパスを広げながら起業にまで至った山田氏の経験をもとに、
一気通貫で支援できるような環境を創ろうと考えたのが、開発支援事業の立ち上げに繋がる。

「スクール事業は学生や未経験者の方が対象になりますが、開発支援事業については正社員で採用したエンジニアには当社クライアントの開発支援を行いながらスキルアップを目指してもらいます。何より、本人がやりたい技術や今後身に付けていきたいスキルをもとに案件を選ぶことにこだわっています」（山田氏）。

人にフォーカスし、「その人をいかに育てるか」を大事にしながら企業文化を創ってきた山田氏。
「誰もが安心して成長できる環境を創る」をビジョンに掲げ、心理的安全性を重視した環境で個人の成長を応援し続けているのだ。

山田氏には、一緒に働く人に対しての「強い思い」がある。

「人が成長する時に大事なものが3つあると思っています。それが肉体面、精神面、生活面の3つです。もし、この3つがすでにそろっているなら、うちの会社で働く必要はないと思います。でもどれか1つでも欠損しているなら、当社で全てを満たしてもらい、適切に成長していってもらえればと思っているのです」（山田氏）。

「肉体面」とは、例えば残業や、出向先に足を運ばなければならないなどの物理的な要素。

「精神面」とは、一緒に働く仲間の良さのことで、お互いを傷つけず、尊重し、相手の立場に立ってコミュニケーションが取れる安心感。

そして「生活面」は収入であり、きちんと規定の時間内に働いてそれに見合うお金をもらい、プライベートな生活も満たされること。

「この3つに関しては、当社では約束ができます」と山田氏は力を込める。

キャリアパスの面では、その人が今どのフェーズにいるかで内容が変わってくると話す。まだ1→10の段階であれば、案件にどんどん入って開発経験を積んでもらうことを重視する。やりたいことを見つけながらスキルアップを図っていくことになる。

10→100の段階であれば、すでにできることがたくさんあるため、個々のやりたいことに合わせて期待することや役割を変えていくことになる。例えば、起業を目指したチャレンジをするもよし、CTOやEM、VPoE、PMを視野に入れながら経験を積んでいくことも可能だ。

「まだ5期目の会社であり、今後はどんどん事業も大きくしていくつもりです。例えば、スクールもiOSだけで無く他の言語やプラットフォームのスクールブランドも立ち上げ検討中です。“教育”と“成長”という軸に即したものであれば、社員がやりたいことに乗っかる可能性も十分にあります。どうやって広がっていくのか、僕自身も楽しみにしていますし、そうやって会社が成長していく過程を一緒に見られるのは、今一緒に働くメンバーにしかできないことだと思いますね」（山田氏）。

現在はリモートワークを前提にしているが、週に1~2日、曜日を固定して全員で集まり、ランチを食べる時間をとっているという。
仕事の相談だけではなく、皆でたわいもない話をすることで、自社に対する帰属意識を高めたいからだ。

同時に、リモートで一人で働くことが続けば、精神的にもあまり良くない。
社会と繋がる時間をきちんと設けることで、メンバーのメンタルをケアしたいという意味もある。

心理的安全性の高い組織を目指すために、社内制度も色々と工夫されている。

例えば、必要な教材があればすぐに会社負担で購入。社外のイベントへの参加も積極的に支援している。皆で会社の経費でキャンプに行ったり、船に乗って釣りをしたり、ビリヤードやダーツを楽しんだりと、仕事以外の交流イベントも盛んだ。

「社員がやりたいことを汲み取って、それを就業規則に入れたりもしちゃいます。社内制度はわりと簡単に変えたりしていますね。必要なものはどんどん取り入れたいと思っています」（山田氏）。

1on1も有効に活用し、議論は活発に行っている。キャリアの相談などもしやすい環境だ。

「安心して成長でき、きちんと収入も得られる。そのバランスにはとにかくこだわっていますので、端的にいって、現状に満足できていないエンジニアの方であれば、当社でそれが解消されるはずです。成長したいという気持ちが少しでもあるのであれば、ぜひ一度話ができたらと思っています」（山田氏）。