株式会社リアルソフト

株式会社リアルソフトは、システムインテグレーション事業とERPソリューション事業の両輪で展開する企業だ。システムインテグレーション事業は顧客の現況を正確に調査し、業務課題を明確にした上でフルスクラッチ開発を行う「オーダーメード」が特徴。100%受託開発で、内90%がプライム案件だ。ERPソリューション事業はインフォアジャパン社とパートナー契約を締結し、業界特化型ERPパッケージ『SyteLine』の導入支援サービスを提供する。
両事業ともコンサルティングから要件定義、開発、テスト、運用保守まで全ての工程をワンストップで手掛ける。
同社は社員が成長するためのフィールドを広げるべく、会社規模の拡大に乗り出す。成長フェーズを迎え、会社と共に成長しようという意欲溢れる新たな仲間を募る。

創業者であり代表取締役を務める板崎裕氏は、複数のソフトウェア開発会社で長年エンジニアとして経験を重ねた人物だ。創業メンバーとして参画した前職のソフトハウスでは執行役員に昇進し、後々の代表候補と目されていた。
それにもかかわらず、板崎氏は退職を決意する。それは自身を誘い入れてくれた創業社長が、社内事情で会社を離れるためであった。
板崎氏は「その方がいなくなった会社で上場して、社長になるなんてできない。不義理になると思いました」と話す。仕事をする上で何よりも信頼関係を大事にしたいという板崎氏の、義理人情に厚い人柄が伝わるエピソードだ。

そうして2005年4月に15坪の小さな事務所を借りて立ち上げたのが、有限会社リアルソフトだった。ごく小規模でのスタートだったものの、大手電機メーカーとの繋がりから案件の受注が続く。設立年の冬には増資を行い、株式会社へと組織変更した。

2008年からは、ERPシステムの導入も手掛け始める。2012年にはそれまでのERPパッケージから、製造業向けグローバルERPパッケージである『Infor SyteLine』へ全面的に転換した。パッケージの機能性に魅力を感じたことが前提にあるが、この転換の裏側にも板崎氏が紡いできた「人との縁」が生きている。
また同社のコーポレートサイトの取引銀行の項目には、地元横浜の信用金庫をトップに掲載している。身近な存在として、会社経営を支援し続けてくれる地銀への感謝の思いが滲む。
板崎氏が大事にする「リスペクト」「信頼」の理念が、設立以来の黒字経営という結果にも表れている。

成長の一翼を担うシステムインテグレーション事業は、業務効率化にフォーカスしたオーダーメードのシステム受託開発サービスだ。コンサルティングから企画および要件定義、フルスクラッチによるシステム開発、本稼働支援、システム稼働後のメンテナンスまで、全ての工程をワンストップで提供する。
技術者だけを派遣するSESは行わず、100%社内で受託開発を行う。そのうち90%がエンドユーザー直の案件である。
「最高のチームをつくり、チームとして結果を出したいという思いが強くあります。チームワークを発揮するため、自社内での受託開発にこだわっています。そしてほとんどの案件がエンドユーザーとの直取引で、お客様の業務内容や現状のシステム構成等を念入りに調査して課題を抽出し、真に実用性のあるシステムのご提案に努めています。そのようにしてチームで作り上げたシステムを使っていただき、お客様から直接喜びの声を頂くことにやりがいを覚える社員は少なくありません」（板崎氏）。
システムインテグレーション事業のさらなる拡大を目指し、今後は新規開拓の営業活動にも注力していく計画だ。

インフォアジャパン社とパートナー契約を締結してのERPソリューション事業は成長著しく、同社を支える屋台骨となっている。グローバル対応の製造業向けERPパッケージ『SyteLine』の導入において、こちらもコンサルティングから開発、導入支援・データ移行、運用保守まで一気通貫で支援可能な体制を構築している。
2014年と2020年にはインフォア社のサービスパートナーアワードを受賞。サービス品質の高さが評価された。
「当社のERPコンサルタントは、若手からベテランまで揃う層の厚さが特徴です。コンサルタントというと他社では個人プレーのイメージが強い職種かもしれません。しかし当社はSI事業と同様にチームワークを重視して、横の連携と情報共有を密に行い、知識を高め合っています。若手でもお客様とのやり取りの機会が多く最前線に立てるので、成長スピードは速いでしょう」（板崎氏）。

その他、イタリアワインの輸入事業も行っている。現地ワイナリーから直接ワインを輸入して、都内のレストランや百貨店に提供するインポーターの役割だ。また自社で運用するECサイトでの販売も開始し、事業拡大に取り組んでいる。
板崎氏は「社長の趣味でしょ？なんて言われたこともありましたが、ビジネスとして本気で取り組んでいます。当社の新たな事業の柱として売上を伸ばしていくつもりです」と力を込める。
自社開発の生産管理システム『Mister@real』の展開も加速する。『SyteLine』を導入するほどの規模感はなくとも、ERPシステムに関心が高い企業や工場に対して提案していく考えだ。

安定経営を続けてきた同社が19期目にして拡大路線に舵を切った背景について、板崎氏は次の通り話す。
「当社の社員は成長し続けています。安定した状況に留まるのではなく、社員がより成長できるようフィールドを広げるべきだと思いました」
“ITで世界中の人々を幸せに”とのビジョンを掲げる同社は、社会貢献はもとより、社員の幸せのためにも事業拡大を目指しているのだ。

ここまで幾度も触れてきた通り、同社が大切にするのは「リスペクト」「信頼」そして「チームワーク」である。
チームづくりには対面のコミュニケーションが大切だと考える同社では、基本的に出社しての働き方を採用している。同時に社員の働きやすさへの配慮から、家庭の都合等の相談に対しては柔軟に対応する。自社内での受託開発のため、裁量が大きくコントロールが利きやすいのだ。
自由な服装での勤務とフレックスタイム制を導入。2022年の実績で残業時間は月平均13.7時間と抑えられている。社員からは「風通しが良く自由な雰囲気」「コミュニケーションがフランク」「フラットな関係性で仲が良い」との声が次々と挙がるのが印象的だった。
人情に厚い板崎氏の人柄と率先して社員に声を掛ける行動が、社内の明るい雰囲気に繋がっているのだろう。

また感謝の気持ちを送り合うシステムも取り入れており、チームの一体感づくりに役立てている。
「当社では五つの行動指針を『SPIRIT』として定め、感謝を伝える時はSPIRITに沿ったタグを付けて送り合っています。例えば『素早い返事をありがとう #SPEED』『フォローをありがとう #TEAMWORK』とった具合です。全てのやりとりがオープンになっているので、別フロアや別部署のメンバーでも社内全体の様子が分かります。メンバー間のコミュニケーションが活性化すると共に、理念の浸透にも繋がっています」（板崎氏）。

月に一度は直属のリーダーと1on1を行う他、悩みや疑問があれば都度話せる環境を整える。評価は自身が設定した目標に対する成果、行動指針の体現、社会人・専門職としてのスキルの3軸で行う。それらをポイント計算して、給与に反映する制度を開始した。定性的な部分も見える化して、納得感が高まるよう取り組んでいる。
同社メンバーの平均勤続年数は5年と、移り変わりが激しいIT業界において長い。最長の勤続年数は17年で会社設立当初から働く社員もおり、同社の働きやすさがうかがえる。

板崎氏は「チームとして成果を上げることにこだわっているため、チームワークへの共感がある方を求めています。当社は急成長フェーズに入りました。チームの一員として、当社を盛り上げていこうという気持ちがある方にぜひ来ていただきたいと考えています。当社しか知らない若手にこれまで培った経験やノウハウを伝えてもらい、大いに刺激を与えてもらいたいです」と呼び掛ける。
少しでも気になるポイントがあったならば、カジュアル面談で会社の雰囲気を体感してはどうだろうか。