国際物流プラットフォーム / マーケットプレイス『Giho』を展開!

2019年11月創業のスタートアップ。既にVCから3回・計8億1,000万円の投資を獲得し、期待を集めている。

世界唯一の国際物流プラットフォーム『Giho』を運営している。
Willbox株式会社は国際物流プラットフォーム / マーケットプレイス『Giho』を運営している2019年11月創業のスタートアップ。既にVCから3回・計8億円超の投資を獲得し、急成長を遂げている。
『Giho』は「荷主」である大型工作機械メーカー等と、その製品を輸出する物流業界各社をマッチングし直接つなげるサービス。物流業界には梱包、倉庫、陸運、通関、海運等の会社があり、『Giho』は各物流会社の業務内容や得意分野、所有設備、稼働状況等、最大400項目に及ぶデータベースを構築。海外へ荷物を送りたい「荷主」との1対Nによる複雑な組み合わせの中から最適なマッチングを実現し、大幅なコストカットを実現している。
また、従来の国際物流では見積もりを取るだけでも数日かかるのが一般的だが、『Giho』を使えば最短10秒で見積もりを算出することが可能となる。物流を取りまとめるフォワーダーの担当者は、1日の業務時間の60%を見積もり業務に割いているものの、相見積もりによってそれらの80%を失注しているというデータがあるが、業界全体で発生しているこのような壮大なロスを『Giho』によって無くすことを目指している。
『Giho』が特に強みとしているのは、大型貨物輸送における最上流工程に位置する梱包領域だ。梱包によってその後の物流工程が確定するが、現状は“職人の経験と勘”を頼りにしているケースが多い。『Giho』では“職人の経験と勘”をデジタル化した“Giho Engine”を開発し、貨物に対して最適な梱包を瞬時に算出することで、短時間での見積もりを可能にしたのである。
『Giho』内の物流会社のデータベースや“Giho Engine”は世界でも例のない唯一無二の武器であり、Willboxが秘めている可能性や将来性を象徴しているといえる。
台湾への拠点進出を決定!グローバル展開を加速させていく

代表取締役 神 一誠氏

今後は台湾進出を足がかりにグローバル展開を加速させ、世界の物流を進化させていく役割を担っていくだろう。
創業者の神 一誠氏は、家業である梱包会社で法人営業を経験した後、台湾支社に赴任し現地の物流現場で梱包業務に携わる。そこで、梱包する製品を見ただけで必要な材料や設計、業者手配等を瞬時に頭で計算し、寸分の狂いもない完璧な見積もりを叩き出すギホーさんという職人の存在を知る。
「この素晴らしいギホーさんの頭の中を再現させるシステムをつくりたいと考えました。梱包をはじめとする物流業界には、見積もりに多大な時間を要したり、余計なコストが発生するといった問題点があり、それをテクノロジーで解消できるのではないかという発想でした」(神氏)
自らの貯金を原資に『Giho』の開発に着手すると、シードラウンドで1,500万円の投資を受け、エンジニアを採用し開発を本格化。2021年5月にはプレシリーズAラウンドで9,500万円、2022年10月にはシリーズAラウンドで約7億円の調達に成功した。データベース化する物流会社の開拓は、創業後3カ月で111社を集める。「この、物流業界の協力体制を取りつけた信用力と、私が業界のインサイダーであるという点がVCに高く評価された」と神氏は語る。
今後の成長戦略としては、データベース化する物流会社を増やすと共に、国際物流に関わる上での海外展開に注力する。既に台湾への拠点進出を決めて動いており、その後は東南アジアや欧米にもアプローチしていく構えだ。
「加わっていただく物流事業者の数を増やせば増やすほど、より的確なマッチングが可能となり、結果的に荷主も増えるという良いスパイラルができると考えています」(神氏)
また、『Giho』には国際物流の運用に必要な諸情報を確認できるSaaSや、荷主と物流事業者各社がやり取りできるコミュニケーション機能を搭載する予定で、プラットフォーマーとしても存在感を今後も強めていく。
全員が徹底的に事業に向き合うカルチャー

グローバルカンパニーを目指すとともに、日本初・横浜発のスタートアップであるというオリジンを大切にし、提供するサービスの基準をジャパンクオリティに置いている。

MissionやVision、Willといった原理原則を重視しながらも、日々新しいことに取り組みながら、常に進化を続けている集団だ。
Willboxは「国際物流をより最適に、よりスマートに。」というミッションを掲げている。既存の物流業界をリスペクトしつつ、デジタルの力によって徐々にスマートにしながら進化・発展させていく役割を担うという想いが込められている。
神氏のマネジメントポリシーは、「“Why?”にはうるさいが、“What?”や“How?”は現場の考えを尊重する」というもの。MissionやVision、Willの原理原則を重視し、全員が徹底的に事業に向き合うカルチャーを形成している。
「日頃からWillを意識した声を掛けを行うなどコミュニケーションを通してカルチャーの定着を図っているほか、毎週月曜日の朝会でWillについて全員で考える時間を設け、認識を統一しています」(神氏)
レガシーが残る国際物流業界を相手にするため、スタートアップ期ではあるがタフな交渉が必要な局面も多い。
「投資家との約束を守るため、逆境にあっても事業計画は何としても達成するというマインドを持つメンバーが多く、非常に頼もしいと感じています」と神氏は話す。
そんな同社が求めるのは「誠実で素直、真摯であること」「目の前で起こる問題に正面から向き合い、激しい変化も楽しめるようなタフさがあること」の2つを満たす人。
旧態依然とした業界に変化を起こしていく存在として、楽な仕事ばかりではないだろうが、その過程すらもやりがいに感じられる人にとっては非常に魅力的な会社となるだろう。
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