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インタビュー画像代表社員 井口 賢氏 自然豊かな高知に移住したSalesforceオタクのエンジニア。30歳でIT業界に飛び込み、Salesforceに魅了され、以後、Salesforceの探究に勤しんでスキルアップ。ブログ「Salesforceの一番星」の運営で注目される。フルリモートの会社に転職したのをきっかけに、憧れの高知へ家族と移住。全国の地方活性化を目指し、フルリモート&フルフレックスで働けるUndertheEdgeを創業。趣味はキャンプ。高知に移住してからは、日帰りキャンプも含めて、毎週のようにキャンプをしているとか。

UndertheEdgeが掲げている「小さな嫌だなをなくす」とは、どういうことですか?

大げさな言い方をすると、不幸をなくしたいと思っています。ただ、僕が言っている不幸は、人生を左右するような大きなものではありません。日々の中にある、小さな「嫌だな」のほうです。 毎朝の満員電車。毎回同じことを手入力する作業。誰も読まない報告書。「前もこれで揉めたな」と思いながら繰り返す確認。ひとつずつは、耐えられないほどのものではありません。だから多くの人が我慢してしまう。でも、それが毎日積み重なると、確実に人をすり減らします。 僕自身、そういうものを我慢する側でずっと働いてきました。30歳でIT業界に入る前も、入ってからも。だから、なくせるものはなくしたほうがいいと本気で思っているんです。 会社としてやっていることも、突き詰めるとそこに行き着きます。Salesforceの導入支援も、自社プロダクトも、目の前のお客様の業務にある「毎回これ面倒くさいな」を減らす仕事です。フルリモート・フルフレックスという働き方も同じで、通勤したくない、住む場所を選べないという「嫌だな」を、制度として消しにいっているだけです。 大きなビジョンを掲げて世界を変える、という感じではありません。むしろ逆で、目の前の小さな嫌なことを、地道に一個ずつ潰していく。その総量が減った分だけ、世の中は少しマシになると思っています。 社内でも同じです。「これ、なんか嫌だな」と誰かが言ったら、それは大抵、直したほうがいいものです。意思決定に関わる人数が少ないので、言われたその週に変えられる。この速さは、今のうちの強みだと思っています。

高知に移住されたあと、大阪に戻られたそうですね。働く場所について、どう考えていますか?

はい、今は大阪に住んでいます。子どもたちのステージが変わってきて、家族にとってそのほうがいいという判断でした。 高知での暮らしは本当に良かったので、戻ると決めたときは少し迷いました。ただ、そのときに気づいたんです。自分にとって大事だったのは「高知に住むこと」ではなくて、「住む場所を自分で決められること」のほうだったんだと。 もともと、フルリモートの会社に転職したことがきっかけで移住しました。それまでは働く場所は選べないものだと思い込んでいて、その前提があっさり覆ったのが嬉しかった。だから移住した。でも、その前提が覆っているなら、戻ることも同じくらい自由なはずなんです。 移住することが目的だったなら、戻るのは失敗ということになります。でもそうじゃない。行くのも戻るのも自分で決められる、その状態こそが手に入れたかったものでした。 UndertheEdgeがフルリモート・フルフレックスなのは、この考えがそのまま制度になっているからです。大阪にオフィスはありますが、全員フルリモートで、出社の義務はありません。地方に住みたい人も、都市部にいたい人も、家庭の事情で来年引っ越すかもしれない人も、全員そのまま働ける。それが普通であってほしい。 家族の状況は変わります。介護もあれば、子どもの進学もある。そのたびに仕事を諦めるか、家族を後回しにするか、という二択を迫られるのは、僕の言う「小さな嫌だな」を通り越して、わりと大きな不幸だと思います。そこは制度でなくせる部分なので、なくしています。 この考え方は、会社の体制そのものにも表れています。うちは社員が5名で、業務委託のエンジニアを含めると20数名。この形になったのは、雇用にこだわらなかった結果です。フルタイムでは関われないけれど高い専門性を持っている人が、世の中にはたくさんいます。子育て中の方、他に事業を持っている方、地方に住んでいる方。働き方を固定しなければ、そういう人たちと一緒に仕事ができる。 社員として腰を据えたい人にはその場所を用意しますし、別の関わり方が合う人にはその形で入ってもらう。人に会社を合わせるほうが、結果的にいいものが作れると思っています。

Salesforceの導入支援に加えて自社プロダクトも展開されています。事業として、なぜ「変更管理」という領域を選んだのですか?

うちは大きく3つの事業をやっています。Salesforceの導入・開発支援。AppExchangeで提供している「Folders」「Files」。そして自社SaaSの「OpsNavi」「Savi」です。 一見バラバラですが、根っこは同じで、全部「企業システムの変更をどう管理するか」に繋がっています。 システムは作って終わりではありません。むしろ作った後のほうが圧倒的に長い。誰かが設定を変える、項目を追加する、権限をいじる。そのひとつずつは小さな変更です。でも積み重なると、数年後には誰も全体像を把握できなくなる。現場で9年、この光景を何度も見てきました。 そうなった現場で何が起きるかというと、まさに「小さな嫌だな」の量産です。何かを変えるたびに関係者への確認で半日潰れる。原因不明の不具合が出て、深夜に呼び出される。「これ誰が入れた項目なんですか」と聞いても誰も答えられない。内部統制やIPO準備の場面になると、「いつ誰が何をなぜ変えたか」を説明できず、監査対応で現場が疲弊する。 これを、多くの会社がExcelと気合いで乗り切っています。OpsNaviは、その課題をそのまま製品にしたものです。 受託だけの会社にしないと決めているのは、そのためでもあります。お客様の課題を解決するのは当然として、そこで見えた課題を製品に落とし込めば、同じことで困っている他の会社にも届く。現場と製品を行き来できるのは、うちの体制だからできる面白さだと思っています。 そして、これはSalesforceに限った話ではありません。変更管理やガバナンスは、あらゆる企業システムに共通する課題です。Salesforceは僕たちにとって最初の市場であって、最終目的地ではないと考えています。

これから、UndertheEdgeをどうしていきたいですか?

まず、Salesforceの外に出たいと思っています。 僕たちが専門にしている「システムの変更管理」は、Salesforceに固有の課題ではありません。誰がいつ何をなぜ変えたのか分からなくなる。それを説明できずに監査で詰まる。この構図は、どんな業務システムでも起きています。Salesforceは僕たちにとって最初の市場であって、最終目的地ではないと考えています。 もう一つは、海外です。日本のSalesforce界隈にいる技術者のレベルは、世界で見ても高いと思っています。ただ、それが国内で閉じてしまっている。すでにAppExchange製品の英語対応は進めていますし、海外のパートナーとの接点も作り始めています。ここは時間をかけてでもやりたいことです。 ただ、会社を大きくすること自体が目的ではありません。 売上や人数は、あくまで結果として見ています。僕が本当に測りたいのは、うちが関わったことで世の中から減った「嫌だな」の総量のほうです。深夜の呼び出しが減ったとか、毎月の確認作業がなくなったとか、家族の都合で仕事を諦めずに済んだとか。数字にしづらいものばかりですが、そっちが本体です。 なので、10年後にどうなっていたいかと聞かれたら、「なくてもよかった面倒ごとを、ちゃんと減らし続けている会社」でありたい、という答えになります。地味ですが、これが一番正直なところです。 そのために今いちばん必要なのは、一緒に考えてくれる人です。うちはまだ、やりたいことに対して人が足りていません。整った会社に入って安心したい方には向かないと思いますが、これから決まっていくことのほうが多い状態を面白がれる方には、かなり良い環境だと思います。

どんな人と一緒に働きたいですか?

まず、「これ嫌だな」と口に出せる人です。 うちは、その一言を起点に動く会社です。業務でも制度でも、誰かが引っかかったものは大抵、直したほうがいいもの。それを我慢して飲み込まれてしまうのが一番もったいない。おかしいと思ったことをおかしいと言える空気は、うちの一番の財産だと思っているので、一緒に守ってくれる方だとうれしいです。 次に、分からないことを分からないままにしない人。フルリモートなので、隣の席で誰かが困っているのが見えません。自分で調べて、それでも分からなければ聞きにいく。この動きが自然にできないと、リモートは孤独になります。逆にそれができる人には、これ以上ないくらい働きやすい環境です。 あとは、決まったやり方がない状態を面白がれる人。社員5名を中核に動いている会社なので、整った仕組みはまだ多くありません。「これはどうすればいいですか」と聞かれて「まだ決まってないので一緒に決めましょう」と返す場面が多いです。ストレスに感じる方もいると思いますが、余白と捉えられる方にはかなり自由な会社です。決裁者は僕なので、提案されたことがその週に動きます。 スキルについては、入社時点の到達度をあまり重視していません。僕自身が30歳未経験でこの業界に入っているので、後から伸びることを疑っていないんです。それより、面白いと思ったものにのめり込める人かどうか。僕はSalesforceにハマってブログを書き始めたクチですが、そういう熱量の出し方をする人と働くのは単純に楽しいです。 住んでいる場所は問いません。それぞれの生活があったうえで、ちゃんと仕事ができる。そういう働き方を一緒に作っていける方をお待ちしています。

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