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株式会社D-design

  • IT/Web・通信・インターネット系
  • サービス系

目的は“エンジニアの素晴らしい人生”。定着率99%のアウトソーシング会社

企業について

株式会社 D-designは、ハードウェア設計とソフトウェア開発を2本柱とするエンジニアのアウトソーシング会社だ。大阪本社、東京・新宿支店の2拠点を構え、関西、関東を中心に、東海、九州を加えた4エリアで事業を展開している。2022年8月現在、約30カ所の開発現場に、合計約110名のエンジニア(正社員)を派遣している。

D-design社の設立は2008年11月。創業者は、東京に本社を置く15,000名規模の大手派遣会社で、約13年間半導体エンジニアを務めた経験を持つ代表取締役・永冨智也氏である。現役時代は、京都支店に籍を置き、大手電機メーカーの半導体部門に勤務。家庭用のビデオデッキやDVDレコーダー等の半導体開発に従事してきた。ポータブルDVDプレイヤーやノートパソコンの普及期には、独自のアイデアで従来比10分の1の低消費電力を実現するローレートモードを開発した実績を持つ。

そういった背景もあり、創業時から、LSI、マイコン、FPGA、ASIC等、エレクトロニクス分野の半導体開発に特化。大手家電メーカーや半導体メーカーを主要顧客として、ハードウェアのアナログ回路設計、デジタル回路設計、そして制御系ソフトウェア開発のエンジニアを派遣し、業務を拡大してきた。

設立時、2名だったエンジニアも、年々10名ぐらいずつ増員し、設立から10年後の2018年には100名規模に拡大。特にソフトウェア事業では、対応する技術領域を広げながら規模を拡大してきた。現在は半導体の制御ソフトウェアだけではなく、自動車関連や産業機器、医療機器等の制御系・組込み系ソフトウェアから、通信制御分野のソフトウェア、業務系、WEB系まで幅広い技術を持ったエンジニアを揃え、様々なニーズに応えられる体制を築いている。取引先も増え、SIer等の請負業者を含め300社以上からエンジニアの照会が寄せられている状況だ。売上も順調で、設立から14年間、黒字経営を続けている。さらに現在は、国を挙げて半導体産業を支援する動きもあり、半導体業界が活発化していることに加え、自動車、医療機器等の制御系・組込み系を中心に、業務系、WEB系も含めたソフトウェアエンジニアの引き合いも増えている状況である。

強みは、エンジニアに対する充実したサポート体制だ。大阪、東京の各拠点に営業マンを配属し、各地域の派遣先を、毎月、定期的に訪問。クライアントの担当者に対するヒアリングと同時に、エンジニア一人ひとりと面談し、悩みや希望を聞いて、可能な限り働きやすい環境作りに務める。それによってエンジニアの定着率が向上し、全体のレベルアップに繋がっているのである。

「過去にはスキル不足で解約となることもありましたが、現在はほとんどのエンジニアが、同じ開発現場に5年以上定着しています。中にはプロジェクト単位で任されて、社内に持ち帰ってくるケースも生まれています。コロナ禍に入って7割以上が在宅勤務をしていますが、解約は1件もなく、売上も下がっていません」(永冨氏)。

永冨氏がD-design社を設立したきっかけは、2008年9月頃から始まったリーマンショックだ。その2年ほど前から東京本社へ異動し、技術部の管理職として、エレクトロニクス分野だけではなく、機械系、化学系、ソフト系まで、エンジニア約1,000名のマネジメントを担当。採用から配属後の管理、安全衛生、営業と一通りの経験を積むと共に、経営会議にも参加していたことで、起業の下地はできていた。世界的な大不況の影響を受け、永冨氏が勤めた会社も大リストラに転換せざるを得なかったことから、自身も退職を決断。特に関係の深かった数名のエンジニアの受け入れ先を探すために設立したのが、D-design社だった。“D-design”という社名には“デジタル設計”という意味に加え、宝物であるエンジニアの人生をデザインする会社という意味もある。

「“D”はダイヤの原石を表しています。そのDとなるエンジニアに、素晴らしい人生を送ってもらいたいという思いから“D-design”という社名を付けました」(永冨氏)。

永冨氏とエンジニアの退職時期には10カ月ほどのタイムラグがあったが、その間、先んじて退職していた永冨氏の小まめな営業活動が功を奏し、エンジニアの退職と同時に派遣できた。そして、不況下でも好調な売上を維持していた企業との出会いや、一緒に起業した仲間の尽力もあり、着実な成長を遂げ始めたのである。

「思った以上に引き合いを頂いたため、採用活動に注力し始めたら、優秀なエンジニアがどんどん採用できました。目利きは良かったと自負しています。設立当初は5名ぐらいの小規模でやっていければ良いと考えていましたが、意識も変わりました。会社の電話が鳴って“こんなエンジニアはいませんか”という問い合わせを頂いた時は嬉しかったですね。会社をやっている以上、お客様の求めには対応する責務がありますので、さらに採用活動に力を入れるようになりました」(永冨氏)。

それと並行して取り組んだのが営業マンの育成である。アウトソーシング会社の営業マンは、顧客だけではなく、開発現場に配属されたエンジニアとも信頼関係を築く必要がある。現在、同社で営業の役割を担うのは、永冨氏の他、大阪、東京で各2名。いずれも設立から2年目、3年目に新卒採用し、定着した人材である。新卒者は既成概念を持たないため、業界やエレクトロニクスの知識を吸収するのも早く、永冨氏自身の考えも継承しやすい。

「営業は契約が取れれば良いというものではありません。エンジニアの仕事が途切れず、できるだけ良い環境で働けるようにするために、企業様ともしっかり連絡を取り合い、エンジニアの相談にも乗る等、様々な役割を担ってもらいます。営業マンが頑張っている姿をエンジニアは見ていますので、エンジニアに寄り添える営業マンの育成に力を入れてきました。設立から15年経って、現在が一番良い状態ですが、それは彼らの頑張りのおかげです」(永冨氏)。

エンジニアのアウトソーシング業界は、人材の出入りが激しい業界だが、同社では営業マンの成長と共に、エンジニアの定着率が上がり、採用レベルも向上した。特に直近4年間は、99%にまで達している。

その一方では、創業から15年が経ち、在籍するエンジニアの高齢化が進んできた。平均年齢41歳で、20代から60代まで満遍なく在籍してはいるものの、50代の割合が増えている状況だ。現在の課題は、そういったベテラン層のスキルを継承できる若手エンジニアの採用だ。社内の教育体制を強化すると共に、ベテラン層と若手をセットで売り込む営業戦略で、次世代に向けた体制づくりを進めていく計画である。

D-design社が目指しているのは、エンジニア全体で300名規模の体制である。それだけのリソースがあれば、現在取引中の顧客からのニーズには十分に応えられる。営業リソースとの兼ね合いもあるため、まずは150名を目指し、その後、段階的に増やす計画である。

同社が求めるのは、一生涯、開発に従事したいという志向を持つエンジニアだ。設立当時から、生涯エンジニアの育成に注力し、65歳の定年まで働き続けられる環境整備に注力してきた。営業マンの育成に努めてきたのも、その一環である。

営業部 課長・矢野隆史氏が語る。

「技術者と案件のマッチングだけに注力してしまうとエンジニアの気持ちをないがしろにしてしまいがちです。我々営業マンも永冨の指摘を通して、エンジニアの気持ちが少しずつ理解できるようになり、自然とエンジニア寄りの営業ができるようになってきました。現在も毎週2回は、全員で会議を開き、各現場の状況を逐一報告し合って方針を決めながら動いています」(矢野氏)。

アウトソーシング業界のエンジニアは、大小問わず様々な問題を抱えている。「子供が小さいので在宅勤務をしたい」「勤務先が変わって通勤時間が長くなったので引っ越しがしたい」「交通費の上限を上げてほしい」「プロジェクトが変わったら業務内容が変わったので派遣先を変えてほしい」等の要望には可能な限り叶えている。また一つの現場に長年勤務すれば、その分経験値も上がるため、派遣先へのヒアリングを通して、評価を見直し、技術経歴書を書き換えた上で、単価アップの交渉をして手当を付ける。

逆に派遣先からの要望やクレームがあれば、エンジニアにも伝える。良かれと思ってやっていたことを含めて本人が気付かないところで不評を買っているケースも少なくはない。そういった声に耳を傾け正せば、解約防止にも繋がるため、派遣先だけではなく、エンジニア自身のためにもなる。

「我々の業務上、初めて訪れる現場も出てきます。その度に人間関係を作り直すことになりますので、コミュニケーション力は非常に重要です。質疑応答には明確な回答ができることは年代を問わずマストな条件です」(矢野氏)。

技術面のスキルアップは、本人の指向性に応じた開発現場にアサインすることで後押ししている。現場で補えない場合もあるため、書籍購入費用の補助は行う。

また、強制的に全員を集める定例的な帰社日は設けず、希望者だけが集まる飲み会を年に2回(納涼会、忘年会)を各地域で開催する。この時は必ず、永冨氏と営業マンも参加してざっくばらんに親睦を図る。技術領域がある程度絞られていることもあり、共通の話題も多いため、参加率も高い(コロナ禍に入ってから休止中)。

この他、年間休日は124日、有給消化率は85%の実績を誇る。業務量が増えている様子が見受けられれば、過重労働にならないよう派遣先の担当者と話をし、36協定の確認を行う等、心身の健康にも細心の注意を払う。D-design社は、まさに一生涯活躍できるエンジニアを目指せる条件が揃う会社だ。

「生涯エンジニアとして勤め上げ、入って良かったと思える会社づくりをしたい。その思いは現在も変わっていません。そう思ってもらえるよう我々も努力しますので、一緒に頑張っていきましょう」(永冨氏)。

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インタビュー

株式会社D-designのインタビュー写真
代表取締役・永冨 智也氏 大学卒業後、東京本社の大手派遣会社に就職。関西で大手電機メーカーの半導体製造部門に配属。ビデオサーボマイコンの開発に5年間携わった後、DVDレコーダーの開発に従事。ポータブルDVDやノートパソコンのローレートモード開発等でリーダーを務める。その他、大手半導体メーカー等、数社の開発現場を経て、東京本社へ異動。技術部 課長を務める。リーマンショックを機に自主退職。2008年11月、株式会社 D-designを設立。

── 半導体エンジニアを志した経緯をお話しください。

半導体エンジニアになったのは、派遣会社に就職して初めての紹介先が大手電機メーカーの半導体部門だったからです。私は大学時代、工学部の電子工学科で、電気電子をメインに勉強しました。親にお世話になって大学まで行かせてもらったので、エンジニアになりたいと思って受けた会社が東京に本社を置く大手派遣会社でした。大阪営業所で面接を受けたのですが、なぜか京都の配属となり、長岡京市にあった大手電機メーカーの半導体事業部を紹介されました。

入社当時は、半導体のことをよく分かっていませんでしたが、やればやるほど面白くなっていきました。半導体の設計にはドラマがあります。 ... 続きを読む

求職者の声

企業情報

会社名

株式会社D-design

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > システムインテグレータ・ソフトハウス

IT/Web・通信・インターネット系 > ITコンサルティング

サービス系 > 人材サービス(紹介/派遣/教育/研修)

資本金

5000万円

設立年月

2008年11月

代表者氏名

代表取締役 永冨 智也

事業内容

◆アウトソーシング事業
ハードウェア・ソフトウェア分野における設計・開発・請負・受託・派遣事業
1. エレクトロニクス分野 主に半導体分野における開発 LSI・FPGAの設計業務
2. ソフトウェア分野 主に組込み・制御ソフト、業務系・Web系システムの設計開発業務
3. メカトロニクス分野 自動車・自動二輪車・特殊車両機・半導体製造装置などの機械設計業務

◆ソリューション事業
ハードウェア、ソフトウェア分野における請負・受託・販売事業
1. お客様に合わせたカスタム設計、組み込みソフトウェア開発、基板設計
2. 電子部品の製造、カスタマイズ、卸販売等も行っております
その他、お客様、要望全般に御対応致します

株式公開(証券取引所)

非上場

主要取引先

株式会社DNPエル・エス・アイ・デザイン NSW株式会社 株式会社 J-QuAD DYNAMICS 中央システム株式会社 クボタシステムズ株式会社 Sky株式会社 等

従業員数

120人

平均年齢

42歳

本社住所

大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル11F

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