マックスコネクト株式会社

「決済代行会社」という言葉は聞いたことがあっても、事業内容を瞬時にイメージすることは難しいかもしれない。

マックスコネクト株式会社は2017年7月設立の決済代行会社であり、国内外のキャッシュレス化に寄与する成長中の企業だ。特に消費者が外出を控えざるを得なかった2020年からは、飲食業の宅配サービスやこれまで対面のみだった事業者もオンライン取引に参入したことから、消費者がどこでも気軽に決済できるサービスを提供することで社会に貢献している。

カード決済ビジネスは事業届出や資本金等の制約があり、新規参入の障壁が高い分野である。しかしマックスコネクトは前身となるITベンチャー企業時代、キャッシュレス決済の黎明期である20年程前からこの分野に参入しており、そもそも競合となる企業が少ない。

同社が提供するサービスは、（１）クレジットカード決済サービス、（２）バーチャル銀行口座を使った収納代行サービス、（３）銀行振込の代行サービス、（４）カード決済・銀行決済を使った支払い・督促システムの提供サービス、そしてこれらに伴うカスタマーサービスである。

実はマックスコネクトのように、上記のサービスを組み合わせてオンラインと対面の双方で決済を扱うことができる企業は少なく、このことが同社サービスの最大の特長である。

なお、同社の顧客層は、国内で決済サービスを行う大手の上場企業や、銀行系の決済サービス企業とは異なっている。同社が独自のマーケットを開拓してきたことにより、キャッシュレス決済というフィールドで大手とは棲み分けを図っているのだ。

同社の主な収益源は、システム利用料と決済手数料である。
顧客（加盟店）の事業拡大が同社の事業拡大に直結するため、決済サービスの利便性向上やクオリティー向上に尽力することで、エンドユーザーである消費者の購買力を高め、購入機会を創出して取引拡大に寄与する。
その恩恵を受けたマックスコネクトはさらに質の高いサービス提供に力を入れ、顧客に還元していく。そんな良い循環が生まれている。

取引先企業の事業拡大に貢献することはもちろんのこと、その先に見据えているのは「消費が冷え込んだ、日本の経済を活性化すること」にあると、代表取締役の木村豪志氏は述べている。消費者の購買意欲を高めるインフラを整えるという意味でも、同社が世の中へ果たす役割は大きい。

マックスコネクトは独立系の企業として、独自のビジネスモデルで事業を推進することで他にはない優位性を持っている。

第一に、同社が「カード決済システム」「銀行振込・収納システム」といったシステムを全て自社内で開発しているということ。しかも、少数精鋭の企業だという“スケールメリット”がある。営業・開発・バックオフィスの各チームが連携することでスピーディーな対応を実現し、時間もコストも無駄にせず、業界内でも低い水準の手数料で高いクオリティーのサービスを提供できる。おかげで同社のサービスを導入する際の負担は少なく、決済件数が膨大な企業にとっても導入のメリットは大きい。

キャッシュレス化の必要性に迫られているのは、大手企業も、小規模事業者や個人の事業者も同様だ。むしろ、対面取引が得意だった個人商店がオンラインサービスに本格参入することで、コロナ禍以前の水準に回復するどころか、飛躍のきっかけをつかむ企業もある。手数料が不安で導入をためらっていた事業者からも、導入後に「コロナ以前よりも集客できた」といった喜びの声が寄せられているほどだ。

第二に、同社の前身時代に海外拠点（2005年にシンガポール拠点、2009年にマレーシアに拠点）を構え、2005年から決済サービスをグローバル展開してきた点があげられる。キャッシュレス決済の先進国をターゲットに運営してきたサービスを日本へ導入したという背景や、海外拠点を持つことによる取引のメリットを活かし、大手企業とは異なったサービスで魅力を発揮することができる。

第三に、カード決済のシステムが「PCI DSS」に完全準拠していること。
PCI DSSは「クレジットカード業界の国際セキュリティ基準」であり、セキュリティ対策の高い基準が求められる。同社クラスの規模でこの基準を満たすハードルは高く、この点も参入障壁の高さに繋がっている。また、システムの安全性という面で顧客へのアピール材料となっている。
そういったシステムをAPIやWeb上で提供することにより、安全性やユーザビリティの高さなどが総合的な魅力として顧客へ伝わっているようだ。

これまでに紹介した独自性・優位性に加えて、この数年は「社会貢献性が高い事業」「経営の透明性・健全性」という審査基準を設け、その基準に相応する事業主と取引するようになった。実は、このことがマックスコネクトの飛躍の起爆剤となっている。

同社の取引先には、海外法人や、オンラインサロン等、新業態の個人事業主もある。かつては収益性の高い事業と取引することを目指していたが、その営業方針を一転した。なぜなら、アクティブな営業を行う事業体の場合、クレーム発生率などのリスクが大きい側面があるからだ。事前に同社が健全性や社会への貢献度を判断することで、事業主やエンドユーザーとも安心して取引している。トラブルも減少してより良いサービスに注力できたことで良いサイクルが生まれ、同社売上は右肩上がりで拡大中だ。

同社の取引先には、小さな飲食店からデジタルコンテンツを扱っている大手、全国に店舗を持つサロン等、多様な事業体が名前を連ねており、今まさに海外の送金代行会社からも取引を打診されているところ。紹介経由でも取引先が増えており、これから更なる成長が見込まれている。

代表取締役の木村豪志氏いわく、同社の今後のミッションは「人に喜んでもらえるサービスを追求すること」。社内体制は長期的な視点で徐々に拡充を図るが、急激な大幅増員というよりは、現在の規模感を維持しながら消費活動の下支えをしていく予定だ。

社内には10年一緒に働いているエンジニアもおり、平均年齢は33歳。男女半々で、残業はほとんどしない。効率良く働いて、オン・オフ共に大切にするように促しているため、営業も定時でさっと帰宅する雰囲気だ。木村氏によると「うちは有給休暇がとても取りやすいと社員からも言われています。社員から休暇を打診されてダメだと言ったことはありません」とのことで、長期休暇も年末年始に10連休を取得することが可能だ。

決済代行事業という「信頼性」を大切にする会社で、腰を据えて自社サービスを提供していきたい方には最適な環境である。