最上流の企画段階からトータルに展開させていく存在を目指す
セールスプロモーション会社の、株式会社アルファネット。同社はこれまで、官公庁や地方自治体、スポーツイベント主催団体、大手企業等を代理店経由(約65%)および直取引(約35%)によるクライアントとして、主に展示会や発表会、体験プログラムといったリアルイベントを中心に、その企画から運営全般を手掛けてきた。
そしてこれからは、リアルイベントに限らずバーチャル空間やデジタルメディア等も含め、最上流の企画段階からトータルに展開させていく存在を目指す。
同社の代表的な実績としては、次のものが挙げられる。
・世界的な単一スポーツ大会の全会場・全試合におけるプレミアムシートの運営。フードやノベルティの提供も含め、運営オペレーションをトータルに担う。1年がかりの10社コンペを勝ち取った。
・世界的スポーツ大会の体験プロモーション等による普及啓発イベントの運営・進行。
・メガファーマの学会や展示会等における年間約150回に及ぶセミナーの運営。
・航空会社の国際的エキシビジョンにおける、VRやAR等の最新テクノロジーを取り入れた展示ブースの企画提案~運営。
そのほか、玩具メーカーの世界最大規模の総合アニメーションイベントでのブースデザイン・施工、アウトドアブランドの屋外イベントモニュメント制作、たばこメーカーの喫煙所ブースの100カ所以上の施工、フレグランスブランドの新商品発表会の会場からディスプレイまでのトータルな企画・運営、著名ファッションショーの空間演出、完成車メーカーの新商品発表会のエキシビジョンや屋外イベントの企画・運営、アパレルブランドのプロモーションの企画・実施・効果検証等、数々の実績を誇る。
「こうしたイベントの運営においては、多方面にわたる手配や事前準備、当日の進行やトラブル対応等、段取り力や実行力が問われます。ここが評価され、大半のクライアントからリピートオーダーを受けているところが当社の強みの表れと自負しています」と代表取締役の菅野慎太郎氏は胸を張る。
Missionは、“「好き」を創る”
同社のプロモーション事業のスタートは2006年。菅野氏と取締役の丸山優氏が共同で立ち上げた。
「私と丸山は以前、あるセールスプロモーション会社の同僚で、私は営業、丸山はクリエイティブ領域を担っていました。会社の経営状況の潮目が変わったことを機に独立をしました」と菅野氏は経緯を説明する。
当初から前職で担当していたクライアントを引き続き担うことができ、初年度から二人で約1億円の売上を上げる順調なスタートを切る。
「スタートから10年ほどは主にイベントの運営周りに取り組んできましたが、しっかりした事業基盤ができたそのタイミングで、今後はクライアントのセールスプロモーションをもっと上流工程から、あらゆるメディアを含めてトータルに担える存在を目指そうと決めたのです。そこで、従来の営業部に加えてコミュニケーションデザイン部やSPプランニング営業部、メディア&スペースマネジメント部を設け、企画やクリエイティブ、デジタルソリューションへの取り組みにも力を入れ始めました」(菅野氏)。
そして、2021年1月には、従来の「Action for human」という企業理念に変わる次の“新・企業理念”を掲げ直す。
●Mission:「好き」を創る
●Vision:「好き」があふれるポジティブな社会を実現する
●Value:プロモーション力と実現力で、モノ・コト・ヒトが持つ価値を最大化する
心を揺さぶる感動体験で「好き」が創られ、消費者とブランドが共感や愛情で結ばれる。感情で結ばれた消費者がコミュニティに拡散し、共感や理解が広がり、「好き」が溢れ、新たなユーザーを獲得する。つまり、「好き」という力の働きで、消費者の需要が高まり、商品・サービスの横展開や新事業への広がりが始まる――。同社はそんな世界観を追求していく。
この“「好き」を創る力”とは、モノ・コト・ヒトが持つ良さを見出して分かりやすく伝える“プロモーション力”と、諦めない気持ちや突破力のあるアイデアでゴールまでやり抜く“実現力”によってもたらされる。
「このミッションやビジョンを実現させる根幹は、人材です。向上心のあるプロフェッショナルを確保・育成し、ステップアップを図っていきます」と菅野氏は力を込める。
なお、同社では「ARグループガイドツアー」や「VRトラベルマッチング」「VRバーチャル散歩」といった独自プロダクトを10年近く前からいち早く手掛け始めており、今後もメタバース等、最先端のデジタルテクノロジーを活用したサービス展開にも力を入れていく構えだ。
独自の教育プログラムや行動基準を整備。チャットも活発な風通しのよい風土
2022年4月現在、40名強の社員(ほかに派遣社員、アルバイトが在籍)を擁する同社。新たな企業理念を成し遂げるために、全員で大切に共有し実践していく次の行動基準を掲げている。
●追究:クライアントのこと、商品のこと、消費者のこと、世の中のことを深く追究します。
●自発:関わる全ての仕事を自分事として、積極的に考え、行動します。
●挑戦:より高い目標に挑戦することで自己成長を実現します。
●達成:丁寧な対応と、諦めない気持ちで、目標を達成します。
●協力:互いに協力し合い、問題解決や環境改善に努めます。
この行動基準は、人事考課の定性評価項目に設定。半期ごとの考課と中間レビューを含めて、四半期ごとに振り返りや今後の行動目標を考える機会を設け、浸透・促進を図っている。
「なお、当社では給与テーブルを公開しているので、自らの努力がどのぐらいの報酬アップに繋がるかが分かり、励みになっていると思います」(菅野氏)。
人材育成においては、独自の教育プログラムを設けている。役員や社員、または外部講師による社内講座(個人情報保護、業界基礎知識、業務知識・スキル等)、外部の公開講座(新社会人研修、各種スキルアップ研修等)、eラーニングで構成。人事考課で不足している部分が明らかとなれば、そこを強化するプログラムを適宜受講して改善していくことができる。
社内コミュニケーションの活性化においては、チャットツールの活用が進んでいる。
「私は50ほどのルームに参加していますが、もっと多くのルームを社員が細かく設けて縦横にコミュニケーションしています。そこで社内の問題や課題を指摘してもらい経営サイドが改善したり、社員同士が相談し合う等、活発に使われているので、風通しは相当いいのではないでしょうか」と菅野氏は話す。
また、2022年5月には、3年ぶりにリアルの親睦イベントを再開。大型バスをチャーターし、外房で1泊2日のBBQイベントを楽しむ。菅野氏自らが企画した。
「もちろん、リアルイベント運営の業務でも感染対策には万全に取り組んでいるため、一度もクラスターを発生させてはいませんが、社内イベントでも同様に万全を期して挙行します」(菅野氏)。
そんな同社が求める人材像について、菅野氏は次のように期待を寄せる。
「いくらでも補える知識やスキルよりも、最も求められるのはコミュニケーション力のある方。そして、『好きを創る』気持ちや行動基準への理解がある方に是非加わっていただきたいと願っています!」
豊富な実績を足場に、上流に駆け上がる同社。やりがいのあるチャレンジができるに違いない。