株式会社チュチュアンナ

2007年で創業34年を迎えるチュチュアンナ。<br />同社は、女性専用のソックス・インナーファッション市場が未成熟であった時代に創業し、斬新な切り口で、業界のパイオニア的存在となった。当時、ソックスはただの“履物”であり、とてもファッションと呼べるような代物ではなかった。ソックスが“ファッション”になってきた歴史は同社の歴史だと言っても良いだろう。イメージキャラクターの「チュチュ」と「アンナ」が紹介する女性向けのソックスは、足元のオシャレにこだわる若い女性であれば誰もが知っている人気ブランドになった。<br /><br />同社が34年経った今も変わらずお客様から支持されている理由は、売り場全体のプロデュースによりブランド力を強化していることにある。売り場全体を最適に構成することで、立体的にお客様と触れ合うことが可能になり、チュチュアンナの世界観を表現したブランディングが可能になる。そういった考え方から、同社は自社店舗での販売にこだわり、売り場全体をまかせてもらえるように徹底している。<br /><br />また、そうした店舗運営を通して、よりお客様に近い所での商品開発に取り組んできた。同社が現在手がける商品は、創業当時からのソックスに始まり、インナー・ウェア・服飾雑貨と多岐に渡る。今後もお客様の本当に求める商品の更なる拡充を目指し、将来的には、アパレルだけに留まらず、ライフスタイルを総合的にプロデュースできるようなサービスを展開してゆくことを目指している。

2002年に店舗事業の業績がそれまでに軸としていた卸事業の業績を超え、2007年7月決算期の売上高は卸事業26億円、小売業85億円と、小売業の躍進が目立つようになった。その背景にはSPAモデルの導入がある。<br /><br />SPAとは、ファーストリテイリング、良品計画、ワールド、サンエーインターナショナルの ように、現在の「勝ち組」企業がこぞってとり入れているモデルだ。商品を仕入れて販売する通常の小売店舗とは異なり、商品の企画開発、生産、販売までを全て自社内で完結させる。自社ブランドの確立と共に、コストも削減できる手法だが、生産した分を売り切ることができなければ、在庫リスクが発生する。今やSPAでないと成功しないとまで言われるようになりつつあるが、消費者ニーズを把握した上で、それをスピーディーに企画・開発に活かしていく力があることが大前提であり、必ずしも誰もが成功できるノウハウではない。しかし、同社は今までに培った商品の企画開発、生産、販売、全てのノウハウを駆使し、SPAをとり入れることに成功した。<br /><br />同社の経常利益率が20.7％と、2006年の専門店ランキングで、数ある大手有名企業を抜いて、2位にランクインしていることも、SPAモデルの成功が大きな役割を果たしている。<br /><br />今後の目標はSPAモデルをとり入れた店舗の拡大で、5年後をメドに250店舗体制＝売上高300億円達成を目指している。このままの勢いであれば十分達成可能な目標だ。<br /><br />「今後は、新しい商品や店舗の開発もどんどん増えてゆきます。社員にとっては、色々な事を学んでゆくチャンスがたくさん訪れるでしょう。このチャンスを活かして、組織をマネジメントできるような能力を育ててもらいたいと思います。」と担当者は話をしてくれた。

チュチュアンナの社風は、社内外から定評がある。社員全員がそれぞれの仕事に責任とやりがいを持ち、のびのびと頑張れる風土があることを感じさせる。<br /><br />その要因として、同社が人事戦略で重要視する「和」という考え方、つまり「コミュニケーションの活性化」が第一に挙げられると担当者は語る。<br /><br />同社は、現場発想主義という考え方に基づき、アルバイトや新入社員でも現場にいる者が自由に意見を出し、それが受け入れられる、とても風通しの良い社内体制が構築されている。<br /><br />相手が上司であれ同僚であれ、自身の意見をはっきり伝えることがその後の仕事の方向を決める材料となり、また、会社からの評価にもつながる。<br /><br />このような文化を持ち、平均年齢が若い職場ということから、おのずと意見の交換が盛んでコミュニケーションが活発な職場になるという。<br /><br />だからこそ、同社は皆が気持ちよく働ける職場が形成されているのだろう。<br /><br />「同業種での経験や職歴は、さほど重要視しない」と担当者が言うように同社が応募者に期待するのは、コミュニケーション能力と、創造力。そして、同社は経営理念の基本を「愛」としている。<br />これを理解し、顧客の満足を自己の満足として感じることが出来、何よりも、楽しみながら仕事の出来る仲間を、同社は求めている。