ゴールドスワンキャピタル株式会社

「地方不動産ビジネスで一流のサービスを提供する」「投資で豊かな社会を創る」をミッションに、地方不動産の再生事業を行うゴールドスワンキャピタル株式会社。

代表取締役の伊藤邦生氏は証券会社の出身で、約11年間、債権トレーディング業務に従事していた。自身も投資に興味があったことから不動産を勉強し、個人でアパートやマンションを所有。不動産から月200万円程度の収入が得ていたという。

そのノウハウを伝えようと副業で教材の販売やセミナーの開催等を行う中で、「もっと不動産投資を学びたい」という声が伊藤氏の元に集まるように。それがきっかけで退職し、独立。2011年6月にゴールドスワンキャピタルを設立した。

同社の主力事業が「不動産再生事業」。地方に特化して物件を購入し、リノベーションして販売するほか、会社で保有して家賃収入を得るといったビジネスだ。

「当社の一番の特徴は、地方に特化しているところです。投資ビジネス、特に不動産投資は効率化されていないマーケットで、非効率な側面が多いところにビジネスチャンスがあります。不動産の中でも地方の方がより効率化が進んでいないことから、あまり人が手を付けておらず、そこに旨味があると考えています。よって競合も少ないんです」（伊藤氏）。

同社は地元の業者があまり手を付けないような大型の物件を見極めて積極的に購入し、リフォームする等して再生を行っているのだ。

他が手を付けないような物件を手掛けられる理由について、伊藤氏は次のように話す。

「地元の企業よりも体力があり、融資を引っ張ってこれるため大きな投資が可能になっています。地方は持ち家が多いといいますが、人がいる以上、住居を借りたいというニーズは当然あります。もちろんそのための市場調査もしっかり行っていますが、他よりもいいものを作って提供していけば、確実にニーズに応えられると考えています」

リフォームに当たっては、世界的トップブランドのデザイナーとコラボしており、再生物件のレベルの高さは一目瞭然。人口減少とそれに伴う空き家問題が深刻になっている中、同社が手掛ける物件の多くが満室となる等、見事に再生を果たしているのだ。

現在同社が力を入れているのが、不動産投資事業の効率化・DX化で、今後はそのためにIT事業部を増強していく考えだ。

「現状、自社で40棟ほどの物件を持っていますが、地方に特化しているということもあり物件は全国に散らばっています。まずはそれらの運用をより効率的に進めていくための仕組み作りに力を入れています。不動産業界はまだまだFAXでのやり取りが当たり前で、紙の文化が根強く残っています。そうしたところをデジタル化して効率化を図る等、新たなビジネスチャンスを見出していこうと考えています」（伊藤氏）。

それ以外にも、クラウドファンディングの準備を進めているという。「地方創生が進まない一番の課題は、地方にお金が流れていかないこと」と伊藤氏は話すが、その一つの解決策となり得る大きな仕組み作りを計画中だ。

「2,000兆円といわれる個人金融資産と、地方の不動産を繋ぐような大きなファンドを作れれば、地方も大きく変わっていくと思っています。そんな大きなビジネスに取り組んでいきたいですね」（伊藤氏）。

全てのシステムをインハウスで作っているわけではなく、時には既存システムを活用したり、それらを連携させたり、必要な情報だけを取り出せるようにアレンジしたりと、現場の声に合わせてIT事業部主導でシステムの導入を進めている。

「非効率な部分を効率化し、デジタル化して見える化するプロセスに面白味を感じる人であれば、色んなことができる会社だと思います。また、不動産、投資事業、地方創生、DXといったあらゆるトピックに関われるので、その中の一つにでも興味がある人であれば、仕事を楽しめるはずです」（伊藤氏）。

最近は、行政から直接「うちの物件を買い取って再生してほしい」という声が掛かるようになっているという。商店街のシャッター問題や空き家問題等、地方と不動産を取り巻く環境において課題は山積だ。そこに対してリスクを取って取り組む事業者はまだまだ多くない。だからこそ、それができる同社への期待も大きく、チャンスも大きいのだ。

伊藤氏がいつも社員に伝えているのは「とにかく勉強しよう」ということだという。学びたいことがあれば会社が補助するのは当たり前。風通しがよく意見がしやすい職場を目指しており、部署を超えた連携も活発だ。みんなで顔を合わせて仕事をする機会を大切にしているからこそ、リモートワークも導入しながら、会社に集まっての意見交換もできるだけ行うようにしているという。

「今いる社員の多くが不動産業界も投資事業も未経験。エンジニアもベースとなるプログラミングの知識が身に付いていれば、あとは必要に応じて学んでもらえればいいと思っています。そのためにスクールに通う必要があるなら、会社としてはいくらでも協力するつもりです」（伊藤氏）。

「仕事を楽しんでほしい」というのが、伊藤氏の思いだ。「時間の切り売りではなく、興味のあることができるとか、職場や仲間が好きとか、ゴールドスワンキャピタルで過ごす毎日の中に意義ややりがいを持ってもらえたらいいなと思っているんです」（伊藤氏）。

組織としては20名そこそこで、これから成長していくフェーズだ。だからこそ一人ひとりの成長が会社の成長に寄与し、事業が拡大する中で個人に与えられるチャンスは当然増えていくはず。「積極的に取り組める人には、いくらでもチャンスを提供したい」と伊藤氏は力を込める。

「今後は他社がやらないようなこと、新しいことを積極的にやっていきたいと思っています。非常に大きなマーケットだからこそ、そこにチャレンジしていくことを面白がれる、そんな人と一緒に働きたいですね」（伊藤氏）。