世界中の人の自己実現を、テクノロジーで叶えるためにできること

同社は2021年8月現在で5,000人を超えるライバーが所属する、業界トップクラスのライバー事務所だ。

文字や画像が中心のSNSではなく、「リアルタイムのコミュニケーション」なのがライブ配信のまったく新しい点だ。
東京・宇田川町にある株式会社PRIMEは、ライバー(LIVEアプリ配信者)やインフルエンサーのマネジメント事業を展開している会社だ。と言っても芸能プロダクションではなく、ITスタートアップ企業としてスマートフォンアプリ開発や人工知能開発、データ分析等も手掛ける。
代表取締役社長を務める阿部伸弘氏は、大学在学中の2010年、PRIMEの前身となる株式会社プライムアゲインを創業。プリクラ系写真加工アプリ『DecoAlbum』を2012年にリリースし、500万DL、50万MAUのアプリに成長させた。2013年には米・カリフォルニア州マウンテンビューのシードアクセラレーターに呼ばれ渡米。2017年からSNS系アプリ開発のノウハウを基に、ライバーマネジメント事業を開始した。
現在は業界内トップクラスの規模にまで成長したPRIMEのライバーマネジメント事業だが、阿部氏が事業の着想に至った理由の一つは、起業家としてSNS分野を一貫してやってきた点にある。そして、急成長していたものの、属人的になりがちなインフルエンサー事業の課題を解決したかったという想いもあった。
阿部氏は幼少期から会話コミュニケーションに苦手意識があったという。だが、ネット上での文字コミュニケーションなら「自分の考えが人に伝わる」という感動体験もあった。この原体験からSNS系のサービスをずっとやり続けてきた阿部氏だが、マーケットではなかなか受け入れられなかったという。その中で、今度はSNSを支援するサービスをやっても良いかもしれないと思い立ち、黎明期フェーズでの事業立ち上げを決意した。
また阿部氏はSNSや動画共有サービスの企画に携わっていた時期があり、人の感覚に寄ったコンテンツ編集や、属人的な案件紹介モデルに限界を感じていた。スタートアップとして本質的に取り組むべきことは、いかに再現性高くインフルエンサーが活躍できるアドバイスや教育の仕組みをつくることではないか。こう思った阿部氏は、他にそれをやっている会社がなかったため、サービスの立ち上げを決めた。
定量的なデータを駆使し、効果的にライバーを育成するノウハウに強み

日本ではまだ馴染みの少ないライブ配信だが、中国ではネット人口7.3億人の半分以上、4億人が利用する巨大マーケット。

このマーケットトレンドの流れを受け、日本でも急激に成長している。
PRIMEは「世の中の全ての人の個性を豊かにする」をミッションに掲げ、ライブ配信プラットフォームで活躍するライバーのサポート事業を行っている。具体的には、ライブ配信ノウハウやシステムの提供、ファンイベントの開催支援等だ。
従来の芸能界やインフルエンサーマネジメントは担当マネジャーの力量に多くを左右され、個人が活躍できるかどうかは運頼みの部分が大きかった。そのため、スタートアップとしてスケールさせることは難しいとされていた。
そこでPRIMEは、従来の属人的なマネジメントから脱却し、再現性あるビジネスに変革させた。所属ライバーの過去のデータ等を基に、常に最適なノウハウをライバーに提供することで、事業を拡大できることを実証。データに基づくライバー育成やライブ配信ノウハウの蓄積は、PRIMEの大きなアドバンテージとなっている。
現在、PRIMEには初心者から、ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」で常に上位にランクインし続けるトップクラスまで、5,000人を超えるライバーが所属。この数は業界最大級を誇る。また、膨大なライバーデータを活用し、自己管理・育成管理・コミュニケーションツール等の自社開発も行っている。
ライバーマネジメント事業は、阿部氏がこれまで取り組んできたアプリ開発の経験と、起業家として活動してきた10年の想いが全て投入されている。そのため、必ず成功させたいという意識は社内的にも強い。現在はマネジメント業務の一部を、AIを使って自動化するプロダクトも開発中だ。
誰もが挑戦できる「個の時代」を迎え、PRIMEは急成長のライブ配信マーケットをデータとテクノロジーで支え、5G時代のライブ市場を創造するべく、新たな挑戦に取り組む。世界中の人々の自己実現をデータとテクノロジーで叶えるため、定性的ではなく客観的な指標に基づき、効果的にライバーを育成・プロデュースするシステムに磨きをかけていく。
ユーザーにとって、なくてはならないプロダクトづくりに専念できる

同社は業界の先駆けとして2017年にライブ配信に参入。

マネジメントだけでなく、自己管理・育成管理・コミュニケーションツールなどの自社開発もおこなっている。
2021年10月時点の従業員数は13名で、平均年齢27歳の若い組織だ。仕事をする上で大切にしていることは、ユーザーの声を聞き、本質的な価値を追求すること。スタートアップのよくある失敗例に「空想のユーザー」を想定したサービスを思い込みでつくってしまうというのがある。PRIMEは定量データと共に、定性のユーザーの生の声を聞き続け、その課題を解決することを重視する。
PRIMEは以下の六つのバリューを定めている。
1. ハッカー精神(10x)…「皆が知らない、自分だけが知っている秘密」を発見して仕組み化し10倍良くする
2. スピード(E=mc^2)…1週間で90点よりも、1日で20点を目指す。机上の空論ではなく、まずは何事もやってみる
3. 逆説(2:8の法則)…この世は失敗するようにできている
4. 成長(複利=元本×金利×期間)…人の成長は複利で起こる
5. 目的志向…既成概念や個人の事情にとらわれず、常に“あるべき論”で考える
6. ファクト志向…客観的データ(数字・ユーザーの声)で検証し意思決定する
PRIMEでは、ライブ時代を代表する会社を本気でつくり、ライブ配信業界をインターネットコミュニティにおける一大事業に押し上げていきたい仲間を募集している。知的好奇心に溢れ、日本ではまだ誰も解決したことのないライブ配信マーケットを、一緒につくっていこうという意欲を評価する。
PRIMEでサービスやプロダクトを開発する上で得られるメリットには、このようなものがあるだろう。
まず、阿部氏がアプリ開発に精通していることもあり、エンジニアにとって働きやすい環境づくりに尽力している点だ。またエンジニアは、単にコードを書き続けるのではなく、ユーザーに定性ヒアリングしながら、プロダクトづくりに専念できる。これは、常にユーザーとの対話やユーザーデータの分析に真摯に向き合う、PRIMEの企業姿勢の表れと言えるだろう。コアアクション要素や正しいKPIを追いながら、あくまで基本に忠実に、プロダクトを高めていくことができる。
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