データ価値を最大化する仕組みをつくり、人々の幸福に寄与したい
東京都渋谷区南平台町にある株式会社XAION DATA(ザイオンデータ)は、2020年1月設立のAIデータサプライヤー企業だ。
データエンジニアリングを基軸とするコアテクノロジーによりデータを統合/加工/分析/提供し、HR事業、Sales事業、Marketing事業の3事業を展開。HR事業では企業が求める最適な候補者をWeb上のデータからAIが収集・マッチングし、自動でヘッドハンティングを行うサービスを成果報酬型で提供している。
データの収集基盤では、機械学習を基にWeb上の様々なデータ形式の自動構造化を進める機構を作成してきた。これらの技術に関しては特許出願中で、技術面における差別化を図っている。
また、点在するデータを統合し、それぞれの事業領域における課題解決型アプローチを進めることで、技術価値だけでなく、マーケットの課題解決に直接的にアプローチしていくような事業づくりを行ってきた。
取引事例は大企業からITスタートアップまで幅広いが、特に強いのはテック企業だ。経営面では安定的な売上基盤を構築してキャッシュフローを確保し、自己資本運営の中で利益を生み出せている状況。そのため、技術投資や人材への投資を安定的に実施できている。
創業者は佐藤泰秀氏(CEO)と石崎優人氏(CTO)で、二人は大手SIベンダーの新卒同期だった。その後、米・シリコンバレーのHRテックスタートアップに二人とも入社することになり、現地での事業開発や資金調達等に奔走した経験がある。
大手企業の一員として自分の業務が世の中のためになっているのか、自分のキャリアのためになるのか等、自分の価値に対して悶々としていた時期があったという二人。自分の価値を感じられない人は世の中に多いが、自分を必要としている企業・チームは必ずどこかにあるはず。AIの力で自身が輝ける場所を探すことができるような、人の価値を見出して最大化できるような仕組みを自らつくり出し、世の中に価値を提供したいと思い、XAION DATAを共同で立ち上げた。
データの海からAIが必要なデータを収集/統合/加工して価値を提供
XAION DATAは、今まで見つけることのできなかった有効なデータをAIが見出し、データの価値を最大化する活動を行っている。企業が保有するオウンドデータだけでなく、オンライン上のオープンデータも踏まえて、顧客が必要なデータをAIが収集・統合する。
また、必要とされるデータ形式に合わせて、データの成型・加工も実現した。非構造化データの構造化やアノテーション、データフォーマットの成型および統一化等、多種多様なデータフォーマットに適応/対応したデータを求められる形で提供し、無限の価値を生み出す。
データ利活用推進のトレンドは非常に伸びているが、日本国内では個人情報保護法等もあり、なかなか利活用が進まない状況にある。しかし国外ではオープンデータ利活用推進の動きが活発で、大型IPO等も生まれている。将来のAI市場に向けたデータ利活用推進やデータ流動性の向上、利活用が可能なデータ整備といった観点からも、XAION DATAが目指すAI×データプラットフォームは、国内市場において非常に価値のあるものに成長していくだろう。
今後、HR事業やSales事業では、Web上の公開データを統合した、市場にない新しいサービスを展開していく構想だ。日本のデータプラットフォーム事業は未開拓ながら1兆円規模のビジネスであるといわれており、XAION DATAは先行優位性を持ってアプローチしていく。
目下のところ、構築してきたデータ収集基盤を基に、HR事業、Sales事業でのサービスをSaaSサービスとして開発を進めているところ。HR事業ではWeb上のオープンユーザーデータを統合したダイレクト・リクルーティングプラットフォームの構築を、Sales事業では、Web上の企業データ・ユーザーデータを統合し、CRM機能を連携させたセールス管理プラットフォームの構築を進めている。
現在は正式なプロダクトリリースに向け、ユーザーに試験的に利用してもらいながらプロダクト改善を進めている状況だ。今後のPMF(Product Market Fit)を目指す非常に重要なタイミングにある。
プロダクト投資を積極的に進めつつ、事業を0→1でグロースさせる
2021年10月時点の従業員数は5名で、全員男性。フラットな組織風土の下、全員が当事者意識を持って、主体的に考え、行動している。また創業者の佐藤、石崎両氏ともエンジニア出身ということもあり、プロダクト思考・技術思考が根付いている。
XAION DATAの事業理念(Business philosophy)は「New but Practical」。これは「New:新しい事業づくり」をしていくだけでなく、「Practical:実用性のあるもの」、つまりユーザーが価値を感じて使ってくれるものをつくることを意味する。エンジニアリングを通じて「かっこいいもの」をつくりたい。ただし、ユーザーが実用性を持って使ってくれる、価値あるサービスをつくっていきたいという想いが込められている。
また、Value(行動指針)として以下の四つを掲げる。
・Integrity First:人としての誠実さ、自責思考、目の前の仕事を投げ出さずやり切る心
・Always Evolving:成長意欲、改善マインド、本質思考力
・Respect and ownership:当事者意識、他者・既存の仕組みへの尊重、チーム成果への責任
・Data to Action:論理的思考能力、数値マインド
他者の意見は尊重しつつ、言いたいことを言い合える心理的安全性が確保されてこそ、建設的なコンフリクトが生まれるとXAION DATAは考える。
今回はHR事業での採用を強化する。XAION DATAが構築するデータプラットフォーム基盤を実装するHR事業等は、今後の日本市場で注目される市場ドメインだ。新しい市場に挑戦できる、チャレンジングなタイミングであることは間違いない。また、外部資金調達を踏まえてのグロース計画等もつくっていく方針で、企業としての成長フェーズを、共に担っていくことができる。
ただ、現状は立ち上げ時期のフェーズにあり、今後の事業の方向性が変わる可能性もある。こういった環境下で、会社の目指す方向や、今のメンバーと一緒にやり遂げたいと思ってくれるかどうかは、入社を判断する上で重要なファクターとなるだろう。ちなみに現状のメンバーは20代後半~30代前半なので、同年代の方が馴染みやすいのではないだろうか。