ジェイズ・コミュニケーション株式会社

ジェイズ・コミュニケーション株式会社は、セキュリティを中心にネットワークソリューションを提供している独立系のインテグレーターである。

同社は、アメリカやイスラエルといったネットワーク／セキュリティソリューション先進国のベンダー約30社の最先端技術を搭載したファイアーウォール／VPN、UTM（統合脅威管理）、マルウェア対策、WAF、ネットワーク管理等の製品のほか、自社製品を取り扱う。ディストリビューターとして、これらのソリューションを主にSIerを通じて、あるいは直接ユーザーに提供。エンドユーザーの要望に応じ、設計・構築やサポート等、技術的付加価値と共に提供するVAD（Value Added Distributor）事業の形を取る。

さらに、ネットワークの事前検証からネットワークの設計・構築、ソリューションの選定・導入、運用・監視までをワンストップで提供するシステムインテグレーションを提供。社員の70%をエンジニアが占めることによる技術力が大きな強みだ。
シェアにおいて、独立系のネットワークベンダーとしてはトップグループに属している。

特筆すべきは、ネットワーク管理を自動化するハイパフォーマンスな製品で知られる世界屈指のベンダー・米Juniper Networks社の製品提供において、アジア・オセアニア地区でNo.1の実績を挙げていること。これによって、Juniper Networks社より“APAC Distribution Partner of the Year”“Japan Commercial Distributor of the Year 2020”“Japan Technical Certification of the Year 2020”を受賞している。
また、Wi-Fi機器を提供している米Ruckus Wireless社からも、“2020 Distributor Of The Year, Japan”を受賞。Ruckus Wireless社は、Wi-Fiに関する国際標準技術の実験プロジェクトに参加し、世界初の実験成功に寄与したという存在である。

独自開発の自社製品としては、目下テレワークソリューションの『RevoWorksシリーズ』を提供。ローカルコンテナ機能を用いて、セキュアブラウザ機能と仮想デスクトップ機能を提供し、情報漏洩対策を万全にしてセキュアなテレワークによる働き方改革に貢献する製品だ。
開発の端緒は、2015年5月に発生した日本年金機構の100万人分を超える個人情報漏洩事故。これを機に、国が定めた「自治体情報システム強靭化向上モデル」というガイドラインに基づく本製品をリリースし、自治体に提案を始める。今日までに100を超える自治体に採用されている。この『RevoWorksシリーズ』を民間企業のテレワークソリューションとしても展開し、コロナ禍において売り上げを伸ばしているところだ。

同社は、1995年4月、代表取締役社長の愛須康之氏によって創業された。
同社が一段と飛躍する契機となったのは、2002年にJuniper Networks社（当時はNet Screen Technologies社）の代理店契約を獲得したこと。これによって、主力となるファイアーウォール製品が提供できるようになった。2012年には、Ruckus Wireless社と代理店契約を締結。それと共に、日本のユーザーの声を製品改良にフィードバックする機能も発揮するようになる。その後、数々の海外ベンダーと代理店契約を締結し、品揃えを拡充させてきた。

一方、2012年にSES事業を手掛けるジェイシーテクノロジー株式会社、音声系ネットワークインテグレーターのジェイズ・テレコムシステム株式会社という2社の子会社を設立。そして2014年、持株会社のセグエグループ株式会社を設立し、グループ経営に舵を切る。2018年には本人認証システムを提供するファルコンシステムコンサルティング株式会社、2019年にはネットワークやサーバー仮想化、セキュリティ対策を提供する株式会社アステムを子会社化し、グループ体制を強化。

こうした中、セグエグループは2016年にJASDAQに上場し、2019年には東証一部に指定変更した。
マルウェア等のサイバー攻撃や情報漏洩といったリスクが高まる中、同社ソリューションへのニーズは高まる一方。グローバルのセキュリティ市場の年平均成長率は10.0%のところ、同社は15.3%と年々シェアを高めているところだ。
今後は、特に自社製品開発に力を入れ、日本を代表するネットワークソリューションベンダーを目指している。

2023年11月現在、社員数は214名。平均年齢は38歳という組織だ。
ネットワークセキュリティが主な事業領域であり、社員の70%をエンジニアが占めることから、真面目で落ち着いた企業風土が特色といえる。

一方、組織はビジネスユニット（BU）制を導入しており、それぞれのBUが一つのカンパニーとして経営を行うよう権限が委譲されている。このため、社員にとっては主体的に業務に取り組みやすい環境だ。

同社が属するセグエグループでは、2015年に“五つのC”によるクレドを制定。

①Customer：私たちは「顧客満足」を追求します
②Compliance：私たちは社会の一員としてコンプライアンスを徹底します
③Confidence：私たちは自分の仕事に誇りと自信を持ちます
④Cooperation：私たちは互いに認め合い協力します
⑤Challenge：私たちは現在（いま）に満足することなく常に新たなチャレンジをし続けます

このクレドはカードにして全グループ社員に配布し、IDケースに入れていつでも見られるようにしている。また、人事考課における評価シートの項目として浸透・推進を図っている。
また、このクレドは社員が発案し、主体的にプロジェクトチームを組成して作成したということだ。

人材育成においては、若手社員教育や管理職教育を行う研修プログラムが充実。技術はもちろん、ビジネスパーソンに求められる知識やスキルが学べる。新卒社員には、半年間マンツーマンで先輩社員が付き、社会人生活全般をフォローするブラザー・シスター制度もある。
安心して働けるための制度としては、時差出勤制度や在宅勤務制度が特にコロナ禍において活用されている。そのほか、短時間勤務制度や育児や介護休業、誕生日休暇等が揃う。

社員の交流を深める機会としては、職場親睦会や同好会活動支援、年１回の納会、BBQやお花見等のイベントがある（現在はコロナで中止）。

そんな同社が求める人材像は、
『クレドに共感し実行できる方』、『自分の仕事に誇りと自信を持てる方』。

同社では、アメリカやイスラエル等の最先端のテクノロジーを搭載した製品を扱うことができる。そういった環境の中で技術力を高めていけることは、エンジニアにとって魅力に違いない。