プロジェクト推進事業、プロセスコンサルティング事業、次世代MSP事業を展開し、急成長中。
お客様と一緒に「まだ見ぬナナメ上の世界をつくる」ことをビジョンとして掲げ、プロジェクト推進事業、プロセスコンサルティング事業、次世代MSP(Managed Services Provider)事業を展開し、急成長を続ける株式会社アンドゲート。
同社を率いる代表取締役 CEOの田村謙介氏は1988年生まれ。19歳の時に大学に通いながらネットワークエンジニアとしてのキャリアをスタートし、その後ソーシャルゲーム会社やSIerでインフラエンジニアとして経験を重ねてきた。起業までの経緯を田村氏は次のように語る。
「SIerではAWSなどクラウド案件を中心に、エンタープライズ領域からエンターテインメント領域まで約300のプロジェクトに携わりました。途中からは自分のチームを持ってPMを任されたのですが、潰れていくメンバーが出るなど、組織マネジメントの難しさを痛感したのです。そのため27歳の時、マネジメントを学ぶために、働きながら慶応大学大学院のシステムデザイン・マネジメント研究科に通い始めました」。
そして2年後に大学院を修了。エンジニアとして培ってきたテクノロジーに加え、学術に基づいた理論を身に付けた田村氏は、2017年8月にかねてから知り合いだった北川雅弘氏(現・取締役COO)、岸上健太郎氏(現・取締役)と共に同社を設立する。
「世の中にはあまり認知されていませんが、プロジェクトを推進するのも一つの専門性です。それならば、事業プロジェクトの立ち上げや推進、実行に関わるマネジメントを専門とする会社があってもいいのではないかと思いました。北川は会社運営やマネジメントに強く、自身もPM専門の会社を経営しています。また、岸上はゴリゴリのエンジニアとして高いスキルを持つ人物です。私たち三人の強みを結集して事業化したら面白いと考えたのです。登山に例えると、三人の登り方はそれぞれ違います。ただみんな同じ頂上が見えていて、頂上で会おうぜという感じで三人が違う動きをしているイメージです。一体感がないと言われればそうかもしれません。ただ、一人のやり方が間違っていたとしても、まだ二人がいるから大丈夫ということで、リスクヘッジになっているとも言えます」。(田村氏)
従来、プロジェクトマネジメントは、属人性が高く、ロジックに基づく体系化は不可能とされていた。そこに方法論化する思考と、高度なテクノロジーを持ち込んだ同社のアプローチはすぐに注目され、設立当初から大手クライアントからのオファーが相次いだ。
課題に応じて最適な役割を提供し、プロジェクトを成功へと導くプロジェクト推進サービス『ダンドル』を提供。
企業が抱える課題を解決する方法論を提案し、プロジェクト推進を支援する「メソドロジーファーム」として、順調に成長を続けるアンドゲート。設立以来の売上高の推移を見ると、初年度の2017年度から前年比200%のペースで拡大している。4期目となる2020年度もさらに倍増となる見込み。
現在、事業の中核となっているのが、自社開発したプロジェクト推進サービス『ダンドル』だ。これは、プロジェクトマネージャに求められる業務を細分化し、クライアントの抱える課題に応じて最適な役割を提供し、プロジェクトを成功へと導くサービス。筋の展開や組み立てのしかたを意味する「段取り」から名づけた。
「『段取り八分』という言葉があるように、段取りは大切な要素です。『ダンドル』は、段取りを役割として定義して提供することによって、クライアントのプロジェクト推進を支援するサービスです。PMに期待されるのは、技術力、業務知識、推進力の三つの要素に分けることができますが、『ダンドル』は推進力に特化しています。もちろんそれだけではクライアントのご要望に応えることができない場合もありますから、開発案件をまるっと受けて、パートナー企業を探して技術力はパートナーに任せ、私たちはプロジェクト推進だけを提供することもあります。また、当社にもエンジニアがいますので、自社で開発から手がけるケースもあります」。(田村氏)
代表的な実績としては、テレビ東京のテレビ映像データのクラウドアーカイブ開発、伊藤忠ケーブルシステムの動画配信サービスの開発プロジェクト支援などがある。プロセスコンサルティング事業では、株式会社ポケモンの直営店舗「ポケモンセンター」のPOSレジのデータを経営企画に活かせるようデータを整形し、可視化するシステムの開発を手がけた。
「メディアに寄っているつもりはありませんが、設立して最初に関わった仕事だったこともあり、今のところメディア系が多いですね。あと、私たちが仕事を請けるポリシーがあります。それは、自分の母親に自分の仕事内容を説明できるかどうかです。もちろんお客様は大事なのでご要望をいただいたら様々な仕事をやりますが、選べるのであれば誰にでも説明しやすい仕事を取りに行きます」。(田村氏)
また、“世直し感”があるメッセージ性の強い事業を行うのも同社のポリシーだ。
「世の中今はこうしているけど、実はそれっておかしくない?こうした方がいいよね、みたいな事業です。例えばMSP事業だったら、今はみんなサーバが落ちてから直していますよね。でも保守の本来の価値は故障を防ぐことです。それなら、サーバに負荷がかかりそうな時間を予め予想してダウンを防ぐべきです。トラブルが発生してから対応を行う従来の運用保守ではなく、発生前に要因を特定して対策を打つ“先回りする運用”を行っているのが当社の特徴です」。(田村氏)
フレックスタイム制でほぼ全員がリモートワーク!結果にコミットすることを重視する文化。
現在、アンドゲートは約30名体制。20代から30代の若手社員を中心に、幅広い年齢層の社員が活躍している。本社オフィスは東京都中央区銀座二丁目のオフィスビル内にあるが、ほぼ全員がリモートワーク中。岡山や熊本、大阪、岐阜など社員の3分の1が地方在住で、首都圏在住のメンバーも、本社に集まるのは四半期に一回程度。社員間のコミュニケーションはチャットツール・Slackやリモート会議システムで行っている。
「設立当初からリモートワークOKとしています。以前は火曜日を出社推奨日にしていましたが、それもなくして火曜日の朝にリモートで全体会をやっているぐらいです。でも今は全員がリモートワークしていることで逆に帰属意識が深まっている感じですね。勤務時間も柔軟にしており、11時から15時までの4時間をコアタイムとして自由に組み立てることができます。結果にコミットすることを重視する文化があって、勤務時間や働く場所などのパラメーターは開放するから、結果だけ出してくれればいいよというスタンスです。社員はみんな人間味がある人たちですが、『よっしゃ、やるぞ~』みたいな体育会系のノリの人はいませんね。こういう現象が起こったからこうした方がいいよね、みたいにロジカルに考えて行動する人が集まっています。私自身もどちらかというと暑苦しいのは苦手です」。(田村氏)
そんな同社が求めるのは、血の通った人間味のある人、論理や経験に裏づけられた確かな信頼感のある人、常に新しい仕組みやテクノロジーを模索する人だ。
「今ちょうど中期計画を立てています。今後まずは『ダンドルクラウド』と仮称しているSaaSサービスを開発し、人でしかできないと思われていたプロジェクトマネジメント領域をツール化して広めていきます。とはいえ、全てのことが機械化できるわけではありません。だからその部分は、人間がサポートしますというカタチの事業へと変換していこうと考えています」。(田村氏)
田村氏が見据えているのは、お金はないがアイデアや想いを持つスタートアップを、金銭面や事業推進面で支援する、いわばベンチャー投資的な事業だ。
「当社はコンサルティング、プロジェクト推進、そしてテクノロジーを兼ね備えています。これを人に例えると頭もある、骨もある、肉もある状態です。しかし、唯一ないのが魂、すなわち起業家の想いです。起業家の想いの実現を支援する事業をやりたいですね。それは、社内から生み出してもいいと思っています。例えばある社員が農業でイノベーションを起こしたいのだったら、その企画を社内のリソースを使って事業化し、グループ会社にして社長になってもらう。そんな構想を描き、今はものを生み出すエンジンを作っている最中です。5期ぐらいまではエンジンづくりを進め、長期的にはそのアセットを使って価値をどんどん生み出していく永久機関を作りたいですね。そうすればレベニューシェアのような形態で、当社で事業を立ち上げてくれた人には、その事業で生まれる収益の一部を半永久的に還元する仕組みもつくれるはずです」。(田村氏)