圧倒的なコストパフォーマンスとクオリティの両立を実現
日本発のITコンサルティング企業・カイマデータの創業は2016年。代表の笹部は、海外拠点を活用した開発案件を得意とし、大手IT企業の業績拡大に貢献してきた人物だ。カイマデータのビジネスもまた、海外拠点、とりわけ中国拠点の存在なしには語れない。
プロジェクト推進の中核を担う日本拠点(カイマデータ)と、高度なシステム開発および保守を手掛ける中国拠点(KAIMA成都・KAIMA楽山・KAIMA上海・KAIMA昆明)。海外拠点を活用した開発と聞くと、まず浮かぶのがクオリティの問題だ。カイマデータでは、言語の違いによるトラブルを回避するため、日中間のやりとりはすべて日本語で行われる。さらに、日本型の開発プロセスにこだわり、専任のPMOチームを設置。圧倒的なコストパフォーマンスとクオリティの両立を実現した。
2020年10月には中部支社も開設され、順調に拡大をしている。
「200名以上の優秀な中国人エンジニアとの強固な信頼関係は私たちの財産。勉強家の方が多いので、皆さん日本語も堪能です」(代表取締役 笹部高之氏)
「多くの業界を渡り歩きながらITコンサルティングをしてきた私でも、ここまでのレベルで中国拠点との連携に成功している企業は見たことがありません」(コンサルティング事業部長 久保氏)
主力事業はSI事業。レガシーシステムのマイグレーションを得意とし、製造・運輸・商社・小売・介護といった多岐にわたる業界にクライアントを持つ。今後は、介護福祉業界へのソリューション提供により注力していく。日本国内はもちろん、2030年には3億人の高齢者が暮らすことになると言われている中国においても、大きな可能性のあるビジネスだ。
クライアントの課題を解決する「ITコーディネーター集団」を目指して
現在は、Open系福祉業務支援システムをWeb系システムへとマイグレーションするプロジェクトが進行中。業界トップシェアのソフトウェアメーカーと連携し、ゆくゆくは、この福祉業務支援システムを中国市場へと展開していく予定だ。
福祉業務支援システムのみならず、多種多様な業務システムを手掛けるにあたっては、クライアントの業務を深く理解し、エンドユーザーにとっての「使い勝手の良さ」を最重要視していると言う。
「今やあらゆるIT技術が、一部の専門家のものではなく『みんな』のもの。多くの人々の生活を支えるインフラに携わっているという自覚が、IT業界で働くすべての人に求められる時代になったと考えています」(コンサルティング事業部長 久保氏)
SI事業と並行して、世界基準のERPパッケージである「SAP」を活用したソリューション提供への取り組みも活発だ。すでに、大手自動車メーカーや重工メーカー、サプライチェーンに人材を派遣し、大きな成果を上げている。
「開発拠点はあくまで中国。カイマデータで育てたいのは、あらゆるリソースを最大限に活用したソリューションを提供し、クライアントの課題を解決する『ITコーディネーター』です」(取締役 煙山氏)
では、カイマデータのリソースとは一体なんなのか。
「大手企業で一流の仕事を手掛けてきたメンバーが集まっている会社なので、小売・商社・運輸・製造といった幅広い業界に太いコネクションがあります。技術面に置いても、JavaやPHP、SQL、SAPシステムの開発で使用されるABAPなど、多様な領域に精通したプロフェッショナルが揃っています。これらのすべてが、カイマデータのITコーディネーターが活用できるリソースです」(営業部長 中村氏)
笹部氏が創業時に掲げたテーマのひとつに、「個人(社員)のバリュー向上」がある。今、新たな岐路に立つカイマデータは、ビジネスパーソンとしての経験と、会社の資源である豊富なリソースをかけ合わせ、自分自身のバリューを高めていきたいという人材を求めている。