OracleAPEXを使いWebアプリを開発。企業がシステム開発を内製化できるよう支援する
株式会社シックススクウェアジャパンは、Oracle Databaseの付属ツールとして提供されている『Oracle Application Express(APEX)』を使ったWebアプリケーション開発をメイン事業としている。
代表取締役社長を務める亀井 良氏は、Oracle Databaseのエンタープライズ向け製品を構築・運用するデータベースエンジニアとして経験を積んできた。起業後はオラクル社が受注した開発案件を請け負い、要件定義から設計、開発まで数々のプロジェクトを手掛けてきた経歴を持つ。Visual Basicによる印刷版の管理システムをOracleAPEXによってWebシステム化したり、データベース統合により100以上のデータベースを管理することになったクライアントの、エラー通知管理の困難を支援するためOracle APEXでデータベースのエラー状況の見える化を実現したりと、案件の内容もさまざまだ。
「最近はクラウド関連が中心となってきていて、たとえば、官公庁向け案件では多数のソースからのビッグデータを多様な形式で保持できるリポジトリ、つまりデータレイクを構築するプロジェクトにおいて、(Oracle)APEXを使いデータを可視化する機能の開発を担いました。統計データを扱う別のプロジェクトでは、通常10人月ほどのボリュームがあるシステム構築を、APEXを使うことで2人月程度に圧縮したこともあります」(亀井氏)
亀井氏はOracle社の依頼でWebセミナーの講師を務めるほどOracle APEXに関する造詣が深いのだが、彼が同ツールを評価するのには、企業理念にも通ずる理由がある。
「近年は、システム開発の内製化が進んでいます。IT人材を自社内に抱えビジネス戦略に即して柔軟にシステム開発を行っている欧米企業に対抗するには、外注頼りのシステム開発ではマズイと考える企業が増えてきたからです。その点、APEXはクライアントソフトの導入が不要で、専門的な知識もそれほど必要なく、コードを書かずにWebアプリの開発ができます。また、必要に応じてコードを書くことで拡張することもできる。いわゆるローコード開発ができるわけです。しかも、APEXはOracle Databaseへの直接接続ができるため、シェルやjavaなど一般的な言語からのデータ操作・共有が可能なように、拡張性や汎用性が抜群なんです。当社は、顧客(企業)が自らアプリやシステムを開発できるようになる成長を支援することで、社会をより豊かにしていきたいと考えています。APEXは、この理念を実現するためのツールとして最適だと考えています。そして、企業がシステム開発の内製化を一層しやすくできるよう、自社パッケージの開発にも着手しています」(亀井氏)
新規事業として自社パッケージの開発を進める
同社が立ち上げようとしている新規事業とは、OracleAPEXの拡張性を活かした自社パッケージの開発・展開だという。
「イメージしているのは、お客さまのデータを可視化したり、別のデータに変換したりすることが簡単にできる、データのインターフェイスとして使えるパッケージです。まだ形になっていないのでうまく説明できない部分はありますが、サービスメッシュの考え方に近いかもしれません。現在は、その前段階といえるものを開発し3社ほどに導入いただいていますが、今後はOracle Functionsなどクラウドの最新技術を盛り込みながらつくり込んでいく予定です」(亀井氏)
現状、同社のビジネスモデルは、ソフトウェア開発の請負と保守費が売り上げの源泉となっているが、自社パッケージを開発・展開することで、より安定的な事業基盤を築いていきたいと亀井氏は続ける。
「APEXの開発や開発支援、コンサルティング、APEXに付随するアプリの開発な、幸いなことにプロジェクトが途切れることなくお仕事をいただけています。しかし、企業理念を実現するには、より安定的な事業基盤を築き、企業規模も大きくしていく必要があります。今回の新規事業はサブスクリプション方式を考えており、まずはSIer向けに展開していく予定で、その有用性を認めてもらえれば、大きなビジネスへ成長する可能性を秘めています。そしてゆくゆくは、エンドユーザーである企業のシステム開発内製化に貢献できる仕様へと機能追加や改善を加えていく予定です」
要は、同社の新規事業が目指しているところとは、IT環境のインフラづくりである。それは容易に達成できることではない、大きな挑戦だといえるだろう。それでも、この志に共感して、亀井氏と同じ方向を向いて共に走ってくれる人を求めているという。
新規事業の立ち上げフェーズだからこそ、貴重な経験を積める
新規事業は、まだ立ち上がったばかりであり、新たなメンバーを加えて製品づくりを進めていきたいと亀井氏は語る。
「これから形づくっていく製品であり、事業ですから、自分の意見やアイデアを反映させていく余地が多分にあります。また、システム全般を見ながら開発を手掛けることができるだけでなく、サービスがどのようにつくられていくのか、最初から見届けることもできます。ビジネスサイドの視点を持ったエンジニアとして自身の可能性を広げていきたいといった人にも魅力的な環境だと思います。また、このような機会はどこの会社でも得られるわけではなく、新規事業の立ち上げフェーズにあるというだけでなく、幹部候補として事業推進の中心を担える当社だからこそ体験できることだともいえます」
OracleAPEXと聞いても日本ではそれほど認知度が高くないためピンとこない人もいるだろう。しかし、「ヨーロッパではかなり普及しているローコード開発のツールであり、すでにお話したように、新規事業ではクラウドの最新技術を取り入れていく予定なので、新しい技術に興味のある人もやりがいを持って取り組めるはず」だと亀井氏は強調する。
「既存の事業に携わることも可能なので、要件定義など上流工程の経験を積める環境も用意できます。また、社員には何かをつくり上げることができるエンジニアになってもらいたい。そのため積極的にスキルアップしてほしいと考えているので、外部セミナーやeラーニング、資格取得といった“学び”のための費用も基本的に会社で負担します」
亀井氏は、上下関係をうるさくいう人ではなくフラットな考えを持っている。それが社風にも反映されており、堅苦しい雰囲気はない。また、社風や組織運営の仕組みや制度についてもこれから整えていくため、会社づくりの経験を積むこともできる。
「テレワークの導入も検討していますし、私服勤務もOKです。こういったことも話し合いながらメンバーが快適に仕事に集中できる環境をつくっていければいいと思っています。少しでも興味を惹かれるところがあったら、一度お話してみませんか。お待ちしています」