株式会社前人未到

東京・六本木に本社を置く株式会社前人未到は、“非大卒人材”に特化した人材紹介業を展開する会社だ。特に中学卒マーケットでのシェアはトップレベルで、「非大卒人材を採用したい」、「非大卒を採用して長い期間をかけて育成していきたい」といった企業のニーズに応えている。会社設立は2018年8月で、2019年2月からサービスを開始。2019年8月にはユーザー数が2000人を突破した。

CEOを務める牛島悟氏は、大学卒業後、京セラ株式会社に新卒入社し、経理財務担当として原価計算や在庫評価損の業務に携わった。その後はWeb系メガベンチャーの株式会社Speeeに移り、SEOの新規営業担当として新人賞候補に選出。Webマーケティング事業部では月間MVPも受賞した。3社目となるAI系メガベンチャーのRPAホールディングス株式会社では、アドテク事業の事業責任者として活躍。入社数ヶ月で年間目標を達成し、マザーズ上場を牽引した。

牛島氏には、高校を3ヶ月で中退した過去がある。その後、兄や親友の励ましを受けながら高卒認定資格を取得し、法政大学に入学。大検取得からの大学受験や、上記3社での勤務で成長してきた経験から、キャリアサービスの分野で会社を設立することを決意するに至った。「普段属しているコミュニティから移動することで、人は大きく変われる」と語る牛島氏は、この“移動”を必然的に生み出し、くすぶっている中卒・高卒の人たちに“気づき”を与えることで、「頑張る人」を応援していく。

2020年3月5日、前人未到はコーポレートビジョンを「頑張る人が報われる社会を創る」に、ミッションを「頑張る人の就職格差を解消する」に刷新した。“非大卒人材”の紹介という市場の中で「長期的なキャリア形成」を重要テーマに掲げ、「求職者の人物特性が、求人企業の社風と合うかどうか」を非常に重視したサービスにこだわり続ける前人未到。正社員として働くのが初めての人も多い市場のため、“安心して働ける”企業の紹介に力を入れている。

前人未到が運営する非大卒者特化型キャリア支援サービス「サムライキャリア」は、中卒・高卒・専門卒・大学中退・既卒向けの転職相談サービスだ。紹介先は、人事担当者に確認した上で、学歴は気にせず「やる気重視」での正社員採用を考えている企業を厳選している

転職までの流れは、まずLINEで相談することから始まる。いま悩んでいることや将来どうしたいかなどをしっかり話し合い、納得のいく将来設計を描いてから、一人ひとりにマッチする企業を紹介する。

非大卒者はハローワークで仕事を探している人が多いが、サムライキャリアはそのような人たちに対して、手厚いサポートを無料で提供している。面接対策はもちろん、「求人だけ出してとりあえず受けさせ、入社後は放置」ということが起こらないよう、入社後であっても相談に乗る。

「今すぐ就職するつもりはないが、もっと自分と向き合いたい」という人には、非大卒支援をおこなう他社の外部サービスを紹介するなど、求職者の「その先」を考えた提案にも気を配る。また、人生経験や起業経験が豊富なベンチャー経営者を相談相手に迎え、「人生を考える」というテーマでキャリアの相談に乗るサービスも展開している。

競合にはリクルート系の企業（株式会社リクルートキャリアなど）やレバレジーズ株式会社などがあるが、それらと比べ、サムライキャリアはユーザー層が根本的に異なる。競合サービスの内定者の7割は「前職あり」だが、サムライキャリアは9割が「前職なし」。企業にとっては、「まっさらな状態」から将来を見据えた採用・育成ができることが大きな強みだ。

今後は、仙台・大阪・名古屋・福岡など地方の大都市を中心に、営業拠点の多角化を進めていく予定だ（現在は関東エリアのみ）。また、LINE APIを使用した自社用チャットbotなど、自社プロダクトの開発にも取り組む。さらに、子どものキャリアに悩む親向けのキャリアサービスや、シニア向けキャリア事業への参入なども見据える。

2020年3月時点の従業員数は10名で、メンバーは全員20代。平均年齢は27歳だ。男女比は1：1で、女性マネージャーが2名在籍しているなど、性別を問わず活躍できる。

手当の項目は、通勤交通費のほか、ヘルスケア手当や美容手当など独自のものがある。福利厚生は、各種社会保険完備のほか、時短勤務制度や服装自由など。社内行事は歓送迎会や誕生日パーティー、社員旅行などで、社員旅行には100％のメンバーが参加する。評価制度は1on1を導入しており、定量：定性の評価の割合は1：1となっている。

社風は、仕事や仲間への愛情にあふれた、部活のような文化だ。仕事をする上で、特に以下の6つを大切にしている。1つはオープンさで、自らの想いを発信しつつ、他者の思想も柔軟に受け入れるカルチャーを大切にしている。2つ目は愛情を育むハートで、優しさや厳しさの意味を問い続け、他者を愛することの尊さを考えていく。3つ目は精度で、自分自身の仕事を深く洞察し解像度を高めながら、人格の深さも育む。4つ目は「成果ファースト」の姿勢で、現実から目を背けることなく、定量的な成果と向き合う。5つ目は自責思考で、他力本願ではなく自分が変わることで、昨日よりも今日、着実に前へ進んでいく。6つ目は“他己評価”で、他者の評価が自分を映す鏡であることを知り、常に謙虚であり続ける。

今回の採用では、営業経験者やベンチャー企業経験者などを想定している。事業や成果に深くコミットした経験をもつ人は歓迎される。求める人物像は、「やりきった経験」を持つ人や、会社を大きくしていきたい意思を持つ人だ。

前人未到は「頑張る人が報われる社会を創る」をコーポレートビジョンにしているように、「頑張る」ことを会社のカラーにしている。「頑張る」ことで求職者や企業側、サポートする側のすべてが幸せになることが最大の喜びだ。部活のような雰囲気が好きで、「頑張る」ことで成長していきたい人にマッチするだろう。