設立21年、大企業や官公庁、すべての業界業種を支え続けるITソリューションの老舗企業
幅広いITサービスを展開し、クライアントの様々な悩みに応えるITソリューションをワンストップで提供するオリゾンシステムズ株式会社。ネットワークやサーバの構築事業からスタートした同社は、システムの開発、運用、保守、監視と、着実に事業を拡大し、変化の激しいIT業界において、21年の歴史を築き上げてきた。長期にわたって取引を継続しているクライアントが多く、主要取引先にはあらゆる業界の大企業や官公庁が多く名を連ねていることからも、同社に対する信頼性の高さがうかがえる。
同社は1998年に、創業者である先代社長の菅克夫氏が、大手システム開発会社から独立して立ち上げた。インターネットの黎明期、IT企業といえばソフトウェアの開発会社が多い中で、ネットワーク・インフラの分野を得意とする同社は業界内でも注目を集め、引く手あまたの存在になったという。設立から間もなくITバブルの時代が訪れ、同社は自社サービスに加え、エンジニアの派遣事業でも急速に業績を伸ばした。
しかし、2008年に起きたリーマンショックにより、同社の業績は急激に落ち込んだ。エンジニアが常駐先から次々と本社に引き上げ、経営は危機的状況に陥ったという。会社の危機を救ったのは、リーマンショック以前から少しずつ拡大していたシステム開発や運用・保守、監視サービス等の自社事業だった。自社事業としてスピーディで、きめ細やかな対応のできるITサービスを取り揃えていたことにより、業種や仕事の規模を問わず、幅広いITニーズに応えることができたのだ。
システムの安全性に対する意識が高まる中、システムの監視や保守作業を24時間365日体制で実施するサービスも、クライアントのニーズを掴む足掛かりとなった。また、同社は従来から海外の先端技術やソフトウェアの導入にも積極的に取り組んでおり、その中の一つである、チェコスロバキアで開発された革新的なネットワークトラフィック監視システム『Flowmon』が注目を集め、ヒット商品となったのだ。
海外赴任から帰国後、先代と共に経営を担い、2017年に代表に就任した。
4の事業とストックビジネスで、時代の波に左右されない強さを手に入れる
リーマンショックからの回復を経て、同社は現在、ソフトウェア開発、インフラ構築、運用・保守、海外製品販売という4つの柱を持った、安定性の高い会社に成長を遂げている。
「多角化経営によってリスクが分散されるだけでなく、事業が新たな事業を呼ぶという相乗効果も生まれ、従来よりも安定性のある収益構造を築くことができました。」と、菅氏は語る。
また、安定した収入が継続的に得られるストックビジネスを保有していることも、同社の強みの一つだ。菅氏は将来的に、全ての固定費をストックビジネスで賄えるような収益構造を目指している。収益の基盤を固めることで余裕が生まれ、新しい事業にもより積極的にチャレンジできるという考えだ。
従業員数約200人という規模でありながら、幅広いITサービスを展開し、安定した収益構造を持つ同社の経営スタイルを、菅氏は「小さな大企業」と表現する。「私達は、ベンチャー企業ではありません。確かな実績と安定した基盤のある、小さな大企業だと自負しています。お客様に提供したITサービスを10年先も20年先も守り続けることができるような、持続性のある会社でありたいと思います」(菅氏)。
幅広い事業を展開することは、社員にとっても大きなやりがいとなっている。2012年に入社し、SEを経て、現在は総務部で採用及び広報を務める金秀奈氏は、同社の魅力をこう語る。
「就職活動を始めた当初、私は大企業志向が強かったのですが、面接で出会った先代社長の人柄と、『ITサービスの商社を目指す』という力強い言葉に魅力を感じて、当社に入社しました。実際に、当社は事業の幅が広い上、社員一人ひとりの裁量も大きいので、SEとして期待以上に幅広い経験を積むことができました。お客様のビジネスや、世の中の役に立っているという実感も強く、大きなやりがいを感じることができる環境だと思います」
また、将来性や安定感、グローバルな事業展開等、大企業に求めていた要素も全て、今の同社に揃っているという。近年、特に魅力を感じているのは、会社の意思決定が早く、社員の意見が事業や経営に反映されやすいという点だ。「中小企業ならではのやりがいと、大企業のような安定感のある当社の魅力を、是非多くの方に知ってほしいと思います」(金氏)。
社員がいつまでも幸せに働き続けられる、長寿企業であるために
「当社では仕事に真摯に向き合いたいという思いから、メリハリをつけて働く空気感を大切にしています。」と語る菅氏。
落ち着いた雰囲気が魅力の同社だが、同社の目指す安定とは、決して現状を維持することではない。常に最先端のITサービスを展開し、9期連続で増収を記録する等、時代と共に成長を続けることが、同社の目指す「安定」なのだ。2019年度は売上目標に30億円を掲げ、上半期では既に目標を達成している。次の目標として50億円企業となることを目指し、人材の採用に取り組んでいるところだ。
従来、同社では毎年20人前後の新卒社員を採用し、社内における人材の育成に力を注いできた。しかし、これから見込まれる急激な成長の担い手として、即戦力となる人材の採用もさらに強化したい考えだ。これまで人事部が一括して行ってきた採用業務のうち、採用方針の決定や面談等の一部を各部の裁量に任せることで、各部の仕事によりマッチした人材を採用したいとも考えている。
また近年、人事評価制度と給与制度を一新し、評価の基準に透明性を持たせたことによって、社員がこれまで以上に高いモチベーションで仕事に取り組めるようになったという。会社が目指す方向性と、自分に求められる働き方が明示されたことで、「頑張っているのに評価されない」等という不満の声が一掃された。それぞれが納得感を持って働くことで人間関係もより良くなり、社内の雰囲気が以前に増して明るくなったという。
「私達は『成長・貢献・和』を理念に掲げ、その中でも『和の心』を一番大切にしています。困っている人がいたら助けることのできる会社であれば、必ず成長し、利益を出せると信じているからです。近年、若手社員らがサークル活動として野球やフットサルで盛り上がり、交流を深めていることも、とても嬉しく思っています。公私にわたって助け合い、刺激を与え合えるような社風の会社でありたいですね」(菅氏)。
設立以来、同社が常に目指しているのは、「社員がいつまでも幸せに働き続けられる会社」であることだ。「ORISON(祈り)」と「HORIZON(地平線)」を掛け合わせた造語からなる「ORIZON」という社名には、 “遥か彼方まで続くように”という、同社の強い願いが込められている。