カテゴリーナンバーワンの『ABook』等、ユニークな自社プロダクトを展開
株式会社エージェンテックは、「未来を切り開くIT価値を創造し、広く世界へ提供する」を企業理念に掲げ、ユニークなITプロダクトを企画、開発している会社だ。創業は2004年。その当時から今日まで、一貫して動画をはじめとするリッチコンテンツの可能性を追求し、主にビジネス用途で活用されるプロダクトを次々とリリースしてきた。直近では、ビジネスシーンでVRを活用するソリューション、『VR2.0』シリーズが注目を集めている。
数あるなかで、同社を代表するプロダクトは、コンテンツ管理プラットフォーム『ABook(エーブック)』シリーズだ。タブレット、スマートフォン、PC等マルチデバイス向けのコンテンツを編集・管理し、安全に共有するためのプラットフォームで、閲覧データ等の収集・分析もできる。2019年1月現在、約550社、約32万台の端末で利用されており、モバイルコンテンツ管理(MCM)市場において、4年連続でシェアナンバーワンを誇っている(市場調査会社の調査による)。
「これまで、世の中で『デジタル化』と呼ばれてきたものは、ただ紙をテキスト化しただけでした。我々が一貫して取り組んできたのは『情報×情報』による新たな価値の創出。例えば動画の上にテキストが表示される等、情報と情報を組み合わせることで格段に分かりやすく、多くの情報を伝えられるようになります」こう説明するのは、代表取締役社長の金淙採氏だ。
営業支援ツールとして使えば、カタログや提案書に音声や動画を組み合わせ、いつでもどこでも、タブレットで視覚的なプレゼンテーションができる。大量の資料やマニュアルもデジタル化して携行でき、変更や更新も常に反映される。ある私鉄の会社では、乗務員が省令等で携行しなければいけない規程類のデジタル化に『ABook』を導入。重く、検索に時間がかかり、改訂のたびに差し替える等、管理が大変―といった課題を一挙解決した。営業、接客、研修等、活用シーンはビジネスのあらゆる場面にわたる。一見、ありそうでどこにもなかった『ABook』は、ひとたび市場に受け入れられると、その利便性、機能の高さから瞬く間に普及し、ナンバーワンポジションを獲得したというわけだ。
半歩先の未来を追い続けた軌跡。VRもいち早く製品化。常に先駆者であり続ける
エージェンテックが実践してきたのは、常に世の中の半歩先を行くことだ。社長の金氏は韓国出身で、1999年に来日。数社でシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーとして活躍した後、2004年に独立・起業した。何の後ろ盾もなく、たった一人で起業し、最初のうちは受託開発で必要な売上を作りながら、お金と時間をやりくりして常に何らかのプロダクト、サービスを出し続けた。
飛躍のきっかけとなったプロダクトが、動画配信プラットフォーム『SINABURO DoGa』だ。提供開始は2008年3月で、日本で海外メーカー製のスマートフォンが発売される少し前。この早いタイミングで、その後のネットワーク環境やデバイスの急速な進化を見越し、「これからは動画だ、マルチメディアだ」と、いち早くプロダクトを作っていたのだ。『SINABURO』シリーズは、企業向けに作った、企業内で動画を配信するプラットフォームだ。それが電気通信事業者の目にとまり、販売代理をしてくれることになった。そうこうしているうちにスマートフォンが発売され、様々なスマートデバイスが普及し始める。
そのタイミングで、次に「世の中にないものを作ろう」と考えて開発したのが、大ヒットした『ABook』シリーズだ。2011年2月のこと。そして今、半歩先を行くプロダクトとして出しているのが『VR2.0』シリーズだ。VR元年と言われた2016年、VRコンテンツ制作ソリューション『Smart360』を提供開始。これも『ABook』と同様に、ビジネス領域で、VR×情報で価値を増大させるものだ。金氏は言う。「当初も今も、VRはクルっと見回すだけのもので、主にエンタメ領域で使われています。でも、これではもったいない。そこに情報を掛け合わせると、もっとずっと有用なものになります。デモを見せると、『なんで、こういうものがなかったのだろう』と言われます」
例えばマンションのモデルルーム。ゴーグルをつけて部屋の様子を見回す―というのがよくある使い方だ。『VR2.0』は、例えばキッチンのシンクに触れるとカタログと連動し、情報が出てくる。壁に触れればクロスの情報が出る―という具合だ。『VR2.0』シリーズで、街中のデジタルサイネージに着目したのが『SmartLink360』だ。多くの場合、一方的に情報を流しているだけのデジタルサイネージだが、これを360°のパノラマコンテンツにし、タッチすると詳細の情報が表示され、スマートフォンをかざすとQRコードで情報を取得でき、必要な情報を持ち帰り、人と共有できるようにした。もちろん配信側は、情報を組み合わせて簡単にコンテンツが制作できる。
金氏は言う。「我々は、決して難しいことをしているわけではありません。ちょっとした発想の転換を、世に先んじてやり、市場を獲る。そしてブラッシュアップを続けることで、他社が追随できないようにします」これまでもこれからも半歩先を行き、先駆者として勝ち続ける決意だ。
世の中にないものを作り、広めるやりがい。自分次第でどこまでも成長できる
斬新な『SmartLink360』は、今でこそ売れ始めているが、発売から2年余りはわずかしか売れなかったという。理解が追いつかなかったことに加え、タッチパネルが高額だったという事情もある。環境が整い、今、ようやく時代が追いついてきた状況だ。これは、先駆者ならではの苦労だろう。蓄積した知見と技術を組み合わせ、今後もまだまだユニークなプロダクトを出していく。ほかにも、一部上場企業等の大企業と、ライセンス供与の形で共同開発する例もある。安定収益になると同時に、エージェンテックだけでは思いつかない視点、アイデアに触れる機会にもなる。そのような知見と実績も、貴重な資産となっている。
ちなみにエージェンテックの営業は、ある意味、大変でもある。拡販のフェーズになれば、販売代理店の強力な支援を得られるが、立ち上がりは、エージェンテックの営業部隊が提案営業する。「まだ世の中にない、概念もないものを売ることになるので、営業というよりはエバンジェリストに近いですね。キャリアがあって、中途で入った人も最初は苦労すると思います。でも創意工夫して頑張れば、自分を大きく成長させることができる環境で、やりがいは大きいと思います」と金氏は言う。
新しいものを自らの手で形にし、世に出すエンジニアも、ワクワク感は大きいだろう。「エンジニアの仕事は、一般には、言われたものを作る請負のスタイルが大半です。でもここは、クリエイティブな発想ができ、自分がほしいサービス、やりたいことにチャレンジできる場です。ただし、これも意欲次第。同じ会社で同じような仕事をしても、意欲がなければ、言われたものを作ることに甘んじてしまいます。意欲を持って、こうしよう、ああしようと率先して提案すれば、それを形にできる場は用意されています。自分次第で成長につながる環境だと思います」
理念には「世界へ」とある。エージェンテックの製品はプラットフォームであるため、入れるコンテンツ次第で、世界中で使うことが可能だ。現在は、韓国に支店を置くだけで、まだ世界進出は進んでいないが、「やりたい」という人が来てくれれば、是非チャレンジしてほしいという。「この製品を担いで、何処何処の国に売りに行きたい」という人がいれば大歓迎だ。世界展開の可能性は大いにあり、それだけ、エージェンテックの成長は、まだまだ伸びしろがあるということでもある。
エージェンテックは、様々な可能性に満ちたユニークな会社だ。事業拡大に向けて、営業も開発も全方位的に仲間を募集中だ。