株式会社POCKETS

株式会社POCKETSは、システムエンジニアリングサービス（SES）や受託開発を手がけるシステム開発会社だ。ただし、これはあくまでも現在の姿。今はSESがメインだが、今後は変貌していく。

創業は2016年7月と、同社は5期目を迎えたばかりの新しい会社だ。一般的にITの開発会社は、SESからスタートして徐々に受託開発を増やし、いずれ自社サービスも――というプロセスで発展していく。POCKETSもまさにその道をたどるべく、現在、順調に歩みを進めているところだ。

注目すべきは創業から5年間の成長ぶりだ。年間の売上高は1億8000万円、3億7000万円、5億円と倍増以上のペースで推移している。しかし、決して猛烈に案件獲得に走っているわけではない。技術力はもちろんのこと、営業力と経営手腕も兼ね備えるバランスのいい会社だからこそ、良き案件を呼び込み、確かな仕事ぶりで信頼を得て拡大してきたのだ。

創業者で代表取締役社長の池田康人氏は異色の経歴の持ち主だ。尋ねると、「中卒です」とさわやかに笑う。高校を中退して21歳まではペンキ屋。その後、ロサンゼルスで古着や中古デザイナーズ家具の買い付けの仕事をし、帰国後は再び一人親方のペンキ屋をしていた。そして32歳でIT業界へと方向転換する。5年間最初のIT企業で務め、開発の業務経験に加えてSESのビジネスと営業、経営を学んで独立し、POCKETSを起業したという。

多様な経験を糧に、人間力と営業力に溢れる池田氏。池田氏を慕って仲間が集まり、次々と受託案件も増え、現在は社員30名弱とパートナー約80人の体制で、付き合いのある会社は1500社に上る。

池田氏とコンビを組むのが、IT業界以前からの友人である取締役の東保伸氏だ。小学生の頃から趣味でプログラムを書き、大学も情報系に進んだものの、仕事は他業界を選んだ。その後、やはりIT業界に転職することにした。

素地がある上に力量もあることから、転職後はすぐにスピードと技術が問われるゲームアプリ開発の現場へ。そこで頭角を現した。池田氏とたびたび会っては「いつか一緒に会社をやろう」と話してきた。営業力のある池田氏と、エース級のエンジニアである東氏のベストマッチな組み合わせで、POCKETSは極めて順調に成長しているところだ。


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企業理念：「あんな夢。」「こんな夢。」

代表メッセージ：

当社の社名・ロゴの由来は某人気アニメの◯◯◯POCKETです。それに「S」をつけそれぞれのPOCKET としました。

私たちはそれぞれの胸の中にある、「あんな夢。」や「こんな夢。」をPOCKETから出し、話し合い
思いを寄せ合いながら「未来」「道具」「仲間」を作り出せる、そんな『夢』を叶えられる企業を目指していきます。

効率だけではなく、チャレンジし、遠回りし、失敗し、そこから学び、次に進み、常に人間力を高めていくことが大切だと考えます。
何事にも恐れずチャレンジし、「夢」が叶えられる場所の提供ができる、そんな企業の礎を作る事が、社員の為、
敷いては社会貢献の一助となると信じ私たちは邁進し続けます。

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POCKETSが取り組んでいるプロジェクトは、大手通販会社のECサイト、大手アパレルのECサイト、モバイルの会社の業務システム、スマートフォン向けアプリ、ゲームアプリなど様々だ。誰もが知っているような大手企業の案件が中心で、プライムベンダー直下、または間に1社をはさんでPOCKETSという位置づけで参画している。

「何層にもなる下請けの位置で、1人でポツンと加わる―というような案件はやらないようにしています。ユーザーに近く、しっかりとコミュニケーションも取れる会社であることを重視しています。大事な社員を送り込むのですから、自信を持って『これ、おもしろいでしょ』と言える仕事でなくてはいけません」（池田氏）

一例を挙げると、プライム（超大手）～1社～POCKETSという位置で入っている事例で、大手メーカーの保守点検サービス員が携行するアプリ開発の案件がある。契約形態こそ直契約ではないが、エンドユーザーである大手メーカーにPOCKETSのチームが常駐し、現場の要望を直接聞きながら、アジャイルで開発を行っているという。

「サービスの部署のため、本来は開発部隊はいないのですが、クライアント企業の『直に話しながら作りたい』という要望で、POCKETSのチームが常駐することになりました」（東氏）

このように、エンドユーザーの顔が見え、仕事の意味や完成形がわかり、育成も含めてチームで参画するスタイルを目指しているという。

エンジニアの間では、SESはしばしばネガティブにとられがちだが、このようなポジションと編成を重視した案件であれば、経験を積む絶好の機会となる。加えてPOCKETSでは、納期や人数がタイトで、長時間労働を余儀なくされるような案件もNGとしている。社員の健康と意向、成長できる環境を重視して案件を選ぶ。少人数で、互いによく知った間柄なので、定期的なキャリア面談のような改まった場はないが、池田氏や東氏は日頃からメンバーとよく話し、各人のキャリアの希望などを把握。できる限り、その人の力量と目指す方向性に合致した案件をアサインする。

経験が浅いメンバーであれば、上記の例のように、力のあるリーダーとチームを組み、OJTで技術を磨く。このような活動の積み重ねで、会社の地力も上がっていく。そして、今、次のステップとして、個々人の力を一つに集め、会社全体で蓄積・共有すべく受託案件をスタートしたところだ。近い将来、受託をSESと半々の割合にまで伸ばし、並行して自社サービスにも取り組んでいく考えだ。

POCKETSでは今年度、第1号の新卒社員が加わり、本格的に会社としての制度を整えていくフェーズに入った。評価や教育の制度・体制、福利厚生なども整えていく。土台を固め、飛躍的な成長を目指す第2創業期というわけだ。これから仲間になる人には、ともに会社を創り、中核メンバーとして活躍することを期待している。

「次の目標としては、早々に受託を50人規模に拡大し、SESの社員も50人で、100人規模にしたいと考えています。将来、自社サービスを立ち上げるには社内にリソースが必要です。そのためにも、まずは受託に注力します。日頃から社員同士でアイデアを出しあえる環境を整え、そこからサービスが生まれたら事業化し、発案者には事業責任者になってもらいます。子会社化して社長になってもいいですね。そのような、いろいろな展開ができるようにしたいです」と池田氏は展望を語る。もちろん社員は、SESと受託のチームを行き来し、本人の志向に沿った成長を実現していく。一人一人の成長がPOCKETSの力になる。

これから仲間になる人には、「SESの会社」という現在の姿よりも、このような可能性に期待してほしいという。その上で、その可能性を、「自分の手で実現する」という気概のある人に来てもらえればベストだ。受託拡大に注力する現在、プロジェクトをけん引できる即戦力の人材を求めているが、一方で、若手や経験の浅い人も歓迎するという。本格的に拡大していくフェーズにある今、多くの人との出会いに期待している状況だ。

人物的には、「明るい人がいいのでは？」と池田氏。自身の経験から、「どんなことでもいいから、何か人に負けないことがあるといい。そのような自信がある人なら、何をやってもうまくいくと思います」と言う。東氏は、「SEだけど、家では自分でアプリを作っているような人もいいですね。仕事は淡々とやっているのでしょうが、どうせなら仕事の時間も楽しいほうがいい。ゆくゆくは自分でおもしろいサービスを作りたいと思っているなら、ぜひ我々と一緒にやりましょう」と呼びかける。

普段は常駐先に散らばっているメンバーだが、月一の帰社日に食事をしたり、季節ごとに花火やバーベキュー、野球観戦、ボーリングなどを楽しんだりと、コミュニケーションは良好だ。「ワイワイやれる雰囲気を大事にしたいです」と池田氏。希望に沿った仕事ができ、活躍した分は給料で報い、風通し良く、ON/OFF楽しめる仲間がいる。会社とともに自分も成長する充実感も、きっと得られるだろう。仲間になりたいと思う人は、訪ねてみてほしい。