独自のレコメンドエンジンの開発に成功!AIを駆使したECの1on1接客
AIを駆使して、EC業界に革命を起こそうとしている企業がある。株式会社イングリウッドだ。
自社のEC事業で蓄積したビッグデータを解析し、CRMからMD(マーチャンダイジング)までの一括管理システムをスクラッチ開発。最新のAI技術を駆使して200万人以上いる顧客のあらゆるデータ分析を行い、最新動向を見える化することで、ECの売り上げアップを目指している。
「ディープラーニングで、ある顧客が閲覧、または購入した商品データ、顧客情報から購入パターンを学習して、より高度でパーソナライズされたレコメンドの提示が可能です。顧客が見ている商品画像の色、形、価格などから類似する商品をおすすめとして表示させることにより、販売のチャンスを逃しません」(黒川氏)
レコメンドエンジンを開発したAI事業本部のトップ、ヴァーラディ・ゾルタンは、数多くの日系企業のAI開発を手掛けてきた、ハンガリー人のデータサイエンティスト。彼の経験と研究で従来とは違う独自のレコメンドエンジンの開発に成功した。
「適切なタイミングで高い確率で購入してもらえる商品を、よく買い物をしているタイミングでAIが提案します。AIが分析するデータはとても細かく、それこそ『メールアドレスに自分の名前の一部を使っているか否か』という情報すらも、ユーザーの属性を判断する材料としています」(ゾルタン氏)
そのほか、テキストマイニング技術を活用して、センチメント分析を行い、ブログやSNSに書き込まれたユーザーの感情を判断。「ポジティブ」「ニュートラル」「ネガティブ」の評価から顧客の声を抽出し、顧客インサイトを発見して分析し、製品開発、品質向上、解約防止、満足度向上などの新しい価値の創出につなげる。
イングリウッドでは、AIを今後の成長を支える重要な事業と位置付けており、AIとエンジニアのための専用ルームを作るなど、エンジニアやデータサイエンティストが働きやすい環境の整備に努めているという。
「エンジニアやデータサイエンティストはイノベーションを生み出せる人。彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるように、AI事業に関しては先行投資だと割り切って採算度外視で予算を組んでいます。社内のほかの仕事とは完全に分離させて、彼らが興味を持つ研究にフォーカスできる環境にしています。自由な発想でおもしろいものを生み出してもらいたいですね」(黒川氏)
2005年創業。テクノロジー×商品を軸に日本、アメリカ、中国に展開。
自社ECの運営からコンサルティングまで幅広く手掛けるECのスペシャリスト
AIに先行投資をして、テクノロジーで新しい世界を作ろうとしているイングリウッド。川下から川上に向けて着実に事業を広げてきた同社の歴史を紹介することで、彼らがテクノロジー企業として盤石な基盤を持っている理由を探ってみよう。
2005年に創業した同社は、17の自社ECサイトの運営を通じて、シューズを中心にしたアイテムを販売。300以上のブランド(取扱商品数約3万点・SKU数25万点以上)を展開し、800坪の自社倉庫とコールセンターも所有する。楽天総合ランキング1位、カテゴリ別5冠(総合・靴・レディース靴・サンダル・コンフォートサンダル)をはじめ、トップクラスの実績を誇り、14期連続で増収増益中の成長企業だ。
「30万円の元手ではじめたスニーカー事業が当社の源流です。アメリカで仕入れたスニーカーを日本のエンドユーザーに販売していました。その後、取り扱いカテゴリを広げ、現在はアパレルEC事業だけにとどまらず、ビューティー&ヘルスケア事業、WEBメディア事業、ブランドライセンス事業、PR事業、越境EC支援事業、AIを活用したプラットフォーム事業など、幅広い領域でビジネスを展開しています」(代表取締役・黒川隆介)
また、ECサイト運営で培ったノウハウを生かして、ECコンサルティング事業も展開している。ECサイトの制作から運営代行、プロダクト設計、マーケティングまでを一括して請け負うのが強みだ。
「Eコマースに特化したコンサル事業も手掛けています。ECコンサルの分野では、日本一の売り上げを誇り、流通総額1600億円を超えています。自社製品やECサイトでの売り上げも含めて、管理部門を除く従業員70名で100億円を稼ぐ会社です。来期は120名体制で300億円を目指しています」(黒川氏)
さらに、自社の越境ECで培った経験と実績で、他社の越境ECもサポート。マーケットやプロモーションを見極めて売上拡大に貢献し、海外での展示会出展や、MADE IN JAPAN製品の卸業務も10年間続けている。特に、中国の越境ECでは、経験豊富な現地スタッフが、商材に合わせた最適なプラットフォームを提案し、出店申請からECサイトの設計・デザイン、サイト運営、販売戦略・PRまで一括して請け負う体制を構築しているという。
上記の通り、同社は自身でもECを運営し、コンサルティングも行うECのスペシャリストだ。ECを極めた彼らだからこそ、テクノロジーを掛け合わせることで新たな価値を生み出すことができるのだ。
ハンガリー出身のデータサイエンティスト。同社のAI事業のキーマンだ。
「商品を売る最強の集団であり続ける」ための徹底した社員育成
イングリウッドの社是は「商品を売る最強の集団であり続ける」こと。そのために、同社では社員教育に力を注いでいる。業務に就くために必要な知識を、1200ページの教科書にまとめ、入社する全員に読んでもらう。そして、「デザイン」「コーディング」「広告」「ファイナンス」「商流」の5つのテストに合格しないと業務に就けない。
「弊社ではテストで70点以上取らないと仕事をさせません。新入社員は新卒も中途も3カ月以内にテストに合格してもらいます。新入社員以外も、スキルが落ちていないか半年に一回テストを実施。これも合格しないと『業務停止』となってしまいます」(黒川氏)
マネージャー陣、GM陣が講師となって、月に20時間程度、業務時間内に講義を行っており、社員はそれを受けてさらにYouTubeなどで繰り返し視聴して勉強しているという。教科書も常に最新の情報を掲載できるように、担当役員がチェックして3カ月に一回はブラッシュアップしている。
「全員がEC事業を推進するために必要なすべての知識を持っています。また、セールスメンバーであってもコーディングができます。商品を売る最強の集団であり続けるためには、全員がECのスペシャリストとなる必要があります」(黒川氏)
EC業界の人材は若年化が激しく、35歳になれば仕事がなくなるといっても過言ではない。デザインだけできる人材、広告だけできる人材、コーディングだけできる人材、それだけでは生き残れない。イングリウッドの社員は全員がスペシャリストを目指しているため、社内のあちこちに超優秀な人材がいる。そんな環境が同社で働くことの魅力の一つだ。
「すごい人に教えを乞うことを『社内営業』と称して推奨しています。学びたいことがあるなら、社内にたくさんいる優秀な人材から教えを受けるために声をかければいいと思っています。例えば、当社には7ヵ国の人材が働いています。ということは当然、外国語のネイティブスピーカーがいます。外国語を学びたければ『社内営業』で教えてもらえばいい。ランチをご馳走して教えてもらうのを『ランチ営業』と名付けていますが、みんなで一人の人間のランチ代を持つかわりにいろいろと教えてもらえば、みんなハッピーですよね」(黒川氏)
社員の育成・教育に並々ならぬ情熱を注いでいる同社だからこそ、単なるWeb人材で終わらずに、ECのスペシャリストになるための環境が用意されている。興味がある人は、ぜひ飛び込んでみてほしい。
株式会社 イングリウッド の社員の声

20代前半
2019年04月入社

20代前半
2018年04月入社

20代前半
2019年04月入社
クライアントの商品などを任されていますが自分の...続きを読む