「健康・造船・ロシア」!?。普通のソフトウェア会社とは異なるユニークな製品開発、大学や公的研究機関との共同研究も推進中
「健康・造船・ロシア」を軸に、ユニークな製品開発の他にも、大学や公的研究機関との共同研究・実用化を手がけて成長を続けている株式会社テクノソリューション。日本とロシア(旧ソ連)貿易のパイオニア的存在である大陸貿易株式会社の100%出資子会社として1997年11月に設立し、以来20年以上にわたって独立系IT企業として実績を重ねてきた。
主力事業であるシステムサービスでは、製薬業界向けに「透明性ガイドライン対応システムの開発・運用」や臨床試験での「CSV支援(Computerized System Validation」を行っている。さらに、造船業界向けに「ニューラルネットワーク型騒音予測システム」の実用化を皮切りに、複数の機械学習モデルや画像認識を利用した品質管理システムなども開発している。
同社の特徴は、ほぼすべての案件がエンドユーザーと直接取引のプライム案件で、100%自社内で開発していることだ。プロジェクト先での常駐は一切ない。取締役事業部長として同社の事業を統括する坂口憲一氏は次のように語る。
「技術者にとって重要なのは、自分の作るシステムを使ってくれる方の意見を直接聞きながら開発を進めることです。そして、お客様とはじっくりと信頼関係を築き、かゆいところに手が届く会社でありたいと思っています。そのためエンドユーザーと密接にやり取りができる直接取引にこだわっているのです」
そして、20年以上のヘルスケア分野での実務経験を発展させて、Digital Health領域への進出も目指している。同社では2016年に「生体センシング開発チーム」を立ち上げ、さまざまなウェアラブル端末からのデータを取得・分析し、人間の心理や行動のメカニズムを明らかにする研究を行っている。ITエンジニアのメンタル支援として眼電位センサーや心拍センサーを利用してストレス状態を可視化したり、登山用トレッキングポールに独自開発した圧力センサを装着して、登山歩行を分析したりしてきた。
これらの地道な努力が評価されて、「体力評価機能を有する健康登山アプリの開発」として東京都新製品・新技術開発助成事業(2019年度)に採択された。そして、複数の介護施設や介護支援事業者と「認知症予防サービス」の研究開発にも着手した。
「少子高齢化は、我が国の大きな社会的課題ですが、私たちのような零細企業でも何か役に立つことはないだろうかと、ずっと考えてきました。日本には海洋資源だけではなく、素晴らしい山岳資源があります。私も登山が大好きで毎週のように登っていますが、老若男女問わず、みんな登山を楽しんでいます。じつは一時期、私の体重は100kgあったのですが、登山を始めてから数年で30kg近くの減量に成功しました。しかし、一般的に登山は趣味・観光の位置付けであり、科学的な評価がされていません。私たちは健康という側面から登山を分析することにチャレンジしています」。(坂口氏)
業績も好調に推移しており、設立10年目以降は10年以上にわたって黒字経営を続けている。2018年7月に策定した中長期ビジョンでは、「人工知能(AI)・生体センシング技術を実社会に適用し、生体センシング分野でのリーディング・カンパニーを目指す」という経営目標を定め、現在さらなる成長に向けて開発・研究体制の強化を図っている最中だ。
「科学的登山・CADデータのインテリジェント化・ロシアITビジネス」。まだ誰も手がけていない新しい領域に踏み込む!
現在、テクノソリューションが力を入れているのがヘルスケア分野である。従来から同社では製薬業界向けのシステム開発を数多く手がけてきた実績があり、現在も外資系製薬企業を中心に、透明性ガイドライン対応システムの開発・運用や臨床試験の支援サービスを行っている。
「製薬業界とのお付き合いは20年以上になります。その間、業界のノウハウや知識、人脈を培ってきました。それを活かして新規の製薬会社にアプローチすると共に、製薬にとどまらず広くヘルスケア分野への展開を開始しています」。(坂口氏)
現在、同社が取り組んでいるのが、「健康登山アプリ」の開発である。世の中にはすでにたくさんの登山アプリが存在するが、どれも地図情報に歩行軌跡や写真、コメントなどを登録する、いわば二次元の世界だ。しかし、同社では三次元(緯度・経度・高度)を利用して、斜面を登る・下る・休むといった登山者の行動分析を行い、運動評価と体力評価にチャレンジしている。
将来的には、自己評価と他者との比較に基づく行動変容を通じて、継続的な登山運動による健康維持活動の支援につなげていきたいと考えている。坂口氏自身の実体験から得られた知見のほかに、登山と運動生理学の研究で有名な鹿屋体育大学・山本正嘉教授との共同研究も同時並行に進めており、学術的な見地からも登山を評価したい考えだ。
もう一つ注力しているのが、「CADデータのインテリジェント化」だ。造船業界向けに公的研究機関と一緒に開発した「ニューラルネットワーク型騒音予測システム」で、同社が独自に培ってきたCADデータの分析技術から、造船設計者が延々と伝承してきた技術やノウハウ、設計技法を可視化できる可能性に気づいたのだ。
「船の騒音は国際条約で基準が定められていますが、騒音の計算は非常に複雑で手間のかかるものでした。そこで私たちは設計図面から居住区域(部屋や食堂、操縦室など)をコンピュータが認識できるようにしたことで、騒音計算に必要な手間を大幅に軽減できました。造船業界は一隻一隻の受注生産であり、且つ中国・韓国とのグローバル競争が熾烈ですので、生産リードタイムの短縮が業界共通の至上命題となっています。船主からの要求仕様に基づいて、船の基本設計をある程度自動化したり、船の設計段階で実施される図面認証業務の電子化に寄与できれば、設計期間の短縮に貢献できるかもしれません。今後、私たちは造船業界における多くの方々と一緒にこの難しい技術的課題にチャレンジしたいと考えています」。(坂口氏)
さらに新たな試みとして取り組んでいるのが、ロシアIT企業や大学との連携だ。2018年11月、坂口氏が25年ぶりにロシアの地を踏んだことをきっかけに、ロシアとの交流が始まったのである。2019年の大半をロシアで過ごした結果、多くのロシアIT企業や大学との人脈を形成することができた。いま取り組んでいるのが、①ロシアIT教育プログラムの日本展開、②ロシアIT人材の育成、そして、③ロシアIT企業とのオフショア開発・R&D受託開発だ。
「ロシアには優秀なAI技術者が数多くいます。私たちが間に入って、日本の企業の要求を聞いて設計書に落とし、ロシアのAI技術者と一緒に開発できれば面白いですね。先日ロシアに行ってきたのですが、非常に微弱な電磁波を出し、脳波誘導という技術を使って、睡眠をコントロールするヘルスケア機器に出会いました。日本にはないユニークな商品の輸入も考えています」。(坂口氏)
小さな企業でありながら、迅速な経営判断の下、スピード感を持って新しい事業創造に取り組んでいる。
積極的な人こそ得をする!。最先端の技術・知識を習得したい人、仕事を任せて欲しい人、プロダクトを開発・運営した人、みんな集まれ!
テクノソリューションのオフィスは、JR京葉線・東京メトロ日比谷線の八丁堀駅から徒歩5分に位置する東京都中央区新川のビル内にある。社内では、経験・知識ともに豊富な技術統括責任者をはじめ、20~30代前半の若いエンジニアたちが開発・研究に取り組んでいる。比較的少人数ということもあって、エンジニア同士が「教えあう文化」が根付いており、お互いに意見を言い合うことができる風通しの良い社風だ。
※2020年4月〜、リモートワークを推進中。新型コロナ終息後もリモートワークを継続し、日本およびロシアのエンジニアが離れていても共同開発できる場を設ける予定である。
「すでにスキル・経験があるエンジニアを評価するのは当たり前ですが、当社では、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト等の雇用形態に関係なく、新しいプロジェクトに対して積極的に手を挙げてくれる人を求めています。先輩たちから教えてもらうことだけを期待している人や言われたことをこなすだけの人には向いていません。人工知能の技術や知識を学びたい人、自分に仕事を任せて欲しい人、自分たち独自のプロダクトを作りたい人など、当社でスキル・経験を積み重ねる環境とチャンスは十分にあります。ですから、目標・目的が明確な人や自律的に行動できる人に来てもらいたいです。そして、当社におけるキャリアパスとしては、テスターとプログラマーを経て、ご自身の希望や特性を考慮して、システムエンジニア・アプリケーションエンジニア・テクニカルエンジニアへと成長していくことができます」。(坂口氏)
■システムエンジニア
顧客の業務調査・ヒアリングを実施したうえで、要件定義および基本設計を行う。システムの基本的な入出力および機能を設計し、システム全体の概要をまとめる重要な役割を担う。
■アプリケーションエンジニア
顧客の業務内容や既存システム、業界知識に精通し、ワークフローやデータ分析、システム間連携などを実装できる上級エンジニア。
■テクニカルエンジニア
人工知能技術(自然言語処理、機械学習、音声・パターン認識など)やIoT、モバイル(iOS・Android)などの技術に精通し、さまざまな業務に適用できる上級エンジニア。
しかし、一方でワークライフバランスを重視しているのも同社の特徴である。納期前やトラブル発生対応を除き、残業や休日出勤は原則禁止。社員の月平均残業時間は10時間程度で、プライベートも大切にしながら働くことができる環境だ。
「残業が少ないのは、直接取引なので早い段階から技術仕様や納期の調整ができ、ある程度、自分たちのペースで開発に取り組めるからです。元請けから提示される設計書や要求仕様がコロコロ変わるというような仕事はありません。当社では仕事の充実がプライベートを豊かにし、プライベートの充実が仕事の成果にもつながると考え、趣味やスポーツを楽しむことを大切にしています。私自身は登山が趣味で、ほぼ毎週のように丹沢や奥多摩等での登山を楽しんでいます」。(坂口氏)
超高齢化社会の進展に伴い、最先端技術を使って健康維持を支援するための製品・サービスの開発に取り組む同社への期待は、今後ますます大きくなってくることは間違いない。
「当社には自分のやりたいことにチャレンジできる環境があります。"こんなサービスを開発したい"という要望があるなら、ぜひ本気で提案して欲しいですね。会社として得られる期待収益とリスクを評価して、投資すべき案件には迅速に投資を進めていきます」。(坂口氏)
クライアントと直にやりとりしながらシステム開発に携わりたい、AIやIoTなど最先端技術の研究開発に挑戦したい、自社でじっくり開発に取り組みながらスキルを磨きたいといった方にはおすすめの企業だ。
株式会社 テクノソリューションの社員の声

30代前半
2019年04月入社
・シ...続きを読む

40代後半
1996年04月入社
小さなソフトウェア会社ですが、...続きを読む

20代前半
2020年04月入社
個...続きを読む