計測機レンタル。業界№1の品揃えとクイックレスポンスで差別化
株式会社レックスは、測定器、測量器、検査器などの計測機器に特化したレンタル事業をメインに展開する会社だ。兵庫県西宮市の機材センターを兼ねた本社とカスタマーサービス本部、そして東京営業所の3拠点を構える。創業から約40年、順調に事業を拡大。近年も10年連続で増収を達成中で、特に2018年までの5年間は毎年120%以上の成長を遂げている。
強みは競合を圧倒する充実した品揃えだ。計測機器と一口に言っても数え上げていけば切りがないほどの種類がある。建築や土木の建設現場や、鉄鋼、自動車などの製造業、電力やガスといったエネルギー関連施設、自治体や研究機関における河川・海洋調査など、活用される分野や用途は多岐に渡り、それぞれの分野、用途に応じて多種多様な計測器が存在している。こういった計測機器を扱うレンタルサービスは国内にもいくつかあるが、その中でも同社の品揃えはトップレベルを誇り、その数は約2,000機種、保有台数は27,000台以上に及ぶ。マーケティンググループ テクニカルアドバイザー・椿麻央氏は言う。
「当社は他のレンタル会社が集めないようなニッチな機種を好んで集めており、そこが他社との差別化要因になっています。また、既存の品揃えにない機種でもお客様から欲しいと言われたら、すぐに購入して貸し出します。一般的な企業では予算が決められ、計画から外れた調達は困難ですが、弊社はお客様のニーズに対しては柔軟に対応しています。その柔軟性の高さやレスポンスの早さも強みの1つです。このような品揃えと対応力から、お客様の間では「困ったらレックス」という認知が定着しているのです」(椿氏)
このようなクイックレスポンスは商品の調達だけではなく、問い合わせへの対応や見積提出などにも表れる。部署間の垣根や隔たりをなくし会社全体で顧客の情報や要望を共有することで、迅速な意思決定やサービス提供を可能としているのである。リピータ率80%超という数字が顧客満足度の高さを物語る。
さらに貸し出す機材の品質にもこだわる。測定機器はメンテナンスが重要であり、国家基準に基づいた校正点検が欠かせない機器類だ。同社はレンタル期間を終えて返却された機材の校正点検を、自社の技術者が自社内の設備で行う。それが出来ることも顧客からの信頼を得る要因となっているのである。
業界に先駆け築いたWEB戦略のノウハウと集客力で持続的成長へ
レックス社の成長を語る上で重要な要因がもう1つ。それはWEBの積極活用だ。2000年8月には業界に先駆けてレンタルサービスのECサイトを立ち上げ、WEBでの集客を専任する部署を設けてノウハウを蓄積してきた。計測機器レンタルの見積サイト『レックス』は、競合サイトを寄せ付けない集客力を誇るとともに、同社の全サービスにおいて、WEBは欠かせない武器となっている。
集客力のあるレンタルのECサイトは、メーカーや代理店にとってテストマーケティングにも活用できる。実際同社には仕入れ先からのそういった依頼も少なくはない。そういったやりとりをする中で、関係性を作りレンタル事業者の中でも優先的に商品を供給されるポジションを確立しているのである。中には独占的に扱う商品もある。このような仕入れ先との良好な関係性が「困ったらレックス」と言われる同社の強みを形成する一因にもなっているのである。
こういったWEB戦略を担うのは、前出の椿氏が所属するマーケティンググループだ。それまでWEBプロモーションやカタログなどの制作を一貫して担ってきたクリエイティブチームを母体に、2018年9月に発足された部署だ。マーケティンググループのミッションは集客して顧客を育成し商談につなげること。具体的にはコーポレートサイトやサービスサイトなど各種WEBサイトの制作と運用、カタログやチラシの制作や配布、展示会の開催などである。また、営業やカスタマーサポート、購買などと連携しながら、取り扱い商材の選定にも携わる。
責任者を務めるのは、2013年に入社し、機材から営業、購買など社内のあらゆる部署の業務を経験してきた統括本部 マーケティンググループ サブマネージャー・渡辺陽氏である。
「もともとクリエイティブチームは、社内システムの開発や運用を担うSEチームと同じIT戦略事業部に属していました。ただSEチームは社内を向き、クリエイティブチームはお客様を向いているため、連携することはほとんどなく、両チームが同じ部署である必要はありませんでした。一方、数年前から会社全体として、より戦略的なマーケティング活動に取り組める体制作りが課題となっていました。そこでマーケティングに特化した部署を立ち上げました」(渡辺氏)
2020年の東京オリンピック開催に向け、建築や土木など建設業が活況を呈している。2020年以降は、オリンピックに向けて整備したインフラや施設を含めた社会資本のメンテナンス市場が膨らむことが見込まれる。そうなれば測定機器市場も拡大していく。同社においてはマーケティンググループが担うべき役割はますます重要となってくるに違いない。
重要なのは“誰と仕事をするか”。チャレンジしやすい環境も魅力
今後の高まるニーズに備え、同社は現在、マーケティンググループに属するデザイナー、クリエイティブディレクター、マーケッター、さらに社内システムやECサイトの開発・運用を担うシステムエンジニアなど、幅広い職種で採用を強化している。
「当社はスキル重視の採用は行っていません。入社時点で経験が浅くても、そこから育てるという方針です。また、“どんな仕事をするか”よりも“誰と仕事をするか”が重要だと考えています。例えばデザイナー志望の方でも“レックスならデザイナーじゃなくても働きたい”と思ってもらえたら嬉しいです」(渡辺氏)
「前向きに仕事をする姿勢があれば、社歴、年齢、経験、性別に左右されず、正当な評価が得られる。そこがレックス社の魅力」と語るのは渡辺氏と同時期に入社した椿氏。
マーケティンググループ発足のきっかけを作ったのも椿氏だった。展示会出展の準備に携わった際、顧客情報の管理方法をExcelからマーケティングオートメーションツールに移行する提案をした。そしてその導入を渡辺氏とともに進めて顧客情報を商談につなげていくという活動をスタートさせたことが同グループの発足へとつながったのである。
このような社風により定着率は非常に高い。渡辺氏や椿氏の記憶の中でも、配偶者の転勤といった家庭の事情以外の理由で退職した社員は1人もいない。産休育休を経て職場復帰する女性社員の割合も高い。
「“FOR THE CUSTOMER”という企業理念や、社内の風通しの良さ、そしてチャレンジのしやすい環境といった文化は、創業以来培ってきたものであり、私たち自身も諸先輩から引き継いできたものです。最近の若手社員たちも、フットワーク軽く貪欲に前向きに仕事に取り組んでいます。時代の変化に応じた表現の仕方は大事ですが、こういった文化は根付かせて行きたいと考えています。部署のマネジメントでは、手抜きをせずメンバーと向き合うようにしています」(渡辺氏)
職種に関わらず同社で働く魅力は部署の垣根なく連携し、全体を把握して自分の役割を明確に認識した上で仕事を進められることだ。若手社員には部署をまたいだメンター制度が適用され、個人の成熟度に合わせた教育が施されるため馴染みやすい環境だ。デザイナーやマーケッター、エンジニアにとっては特に、上流工程からアフターフォローまで一貫して携われるので、受託会社や大手の縦割り型組織とは違った醍醐味を味わえるはずだ。
「選考課程では会社の良いところも悪いところも全てさらけ出します。それを知った上でレックスを好きになっていただければと考えています」(渡辺氏)
創業約40年の歴史ある会社だが、代替わりが進み20代の社員も多い。レックス社の企業文化に少しでも興味がわいたなら、レックス社を訪ね、そこで働く人々の活気に触れてみて欲しい。
株式会社 レックスの社員の声

30代前半
2017年11月入社

20代後半
2015年12月入社

30代後半
2011年11月入社