総合人材サービス会社出身の5名が、新しい旗を掲げて設立
株式会社ギークリーは、2011年8月に元大手総合人材サービス会社の同僚5名が“新しい人材サービスの在り方”を掲げて設立して以降、IT・Web・ゲーム業界で活躍するエンジニアやクリエイターなどに特化した人材紹介ビジネスを展開している企業である。
同社の最大の特徴は、IT・Web・ゲーム業界に特化し、人材サービス会社としてのコンセプトを明確にしていることだ。世の中には膨大な数の人材紹介会社が存在するが、そのすべてが企業と求職者の幸せなマッチングを実現できているとは言い難い。特に幅広い分野の人材を扱っている総合人材紹介会社では、専門知識を備えていない紹介担当者が、あらゆる業種・職種のクライアントや求人を抱えて右往左往しているのが現状だという。
現在の転職市場は空前の売り手市場である。中でもIT業界の有効求人倍率は約7倍という過去最高の水準を示し、深刻な人材採用難になっているとのこと。大まかに言えば、IT業界の求職者1人に対して7件の求人がある計算だ。そのような状況において、「どんな人材でも対応します」と風呂敷を広げる紹介会社が、より良い人材を求める企業と、より能力を発揮できる企業を探す求職者のベストマッチングを実現することができるだろうか。
同社は業界を特化することで生まれる高度な専門知識を武器に、満足度の高いマッチングを実現している。同社を訪れて転職活動をした求職者の実に7割は、同社が紹介した企業に入社するというのだ。マッチングの精度=決定率は、業界内でも相当な高水準をキープしている。
人材紹介のキャリアカウンセリングにおいて、求職者が本当に期待していることは、自分の過去の経歴を聞いてもらうヒアリングではなく、専門的な知識・交渉力・アドバイスであり、どんな企業があって、どんな求人があるのか、という答えだ。にも関わらず、キャリアカウンセリングの主業務はヒアリングだという認識は根強く存在している。最適解がわからない中でやみくもにヒアリングに時間をかけるのは、求職者本意ではないと同社は考える。
そのため、同社は具体的な提案や明確な答えにこだわり、IT業界に対象を絞ってサービスを提供しているのだ。
求職者のニーズに最大限応えるべく、業界を絞って専門性を突き詰めていくという戦略。
IT業界の適材適所はまだまだできていない。ギークリーの成長期はこれからが本番
経済産業省の予測データによると、2020年には36万人以上のエンジニアが不足するという見通しも出てきている。IT業界に限らず、世の中では若い労働人口が減ってきており、あらゆる業界で次世代人材の育成が追いついていない。
例えばシステム開発一つをとっても、マネジメントが苦手な人材が重要プロジェクトのトップを任せられている現場は少なくない。得意なプログラミングを任せた方が生産性は改善し、製品のクオリティも向上できるのに…というケースが実に多い。そういった人材の適材配置を一つひとつ丁寧に行うことで、離職率も低下し、IT業界の人材難の解決を見据える。
設立以来、同社は提案とマッチングの品質にこだわったサービスを強みに、業界の多くの主要企業と太いパイプを築き、6000件以上の一般には公開されていない非公開求人を抱えるまでに至った。しかし、現状に満足はしていないという。
同社は引き続き業界特化型の人材紹介サービスを強化し、2021年までには東京のIT人材マーケットにおける圧倒的なシェア獲得を目指す。そして最終的には、業界になくてはならない、"IT・Web・ゲーム人材採用のインフラ"になることを目指す。そのために、実績のさらなる積み上げはもちろんのこと、マンパワーの増強が早急の課題だという。今後、新卒・中途含め、年間数十名単位の人員増強を予定している。
同社のこだわりと今後の展開を踏まえ、どのような人材を必要としているのか。同社は3つの資質を挙げている。それは“素直”、“まじめ”、“気持ちいい”である。素直な姿勢があれば、吸収力が高いので成長が早い。仕事にまじめであれば、わからないことは質問をするし、嘘をつかない。気持ちいい人間であれば、挨拶も元気だし、コミュニケーションの反応も早い。企業や求職者の懐に入り、信頼を築くためには、専門知識以前に、こうした人間性を持ち合わせていることが前提だという。同社では金融・Web制作・アパレル販売・携帯電話ショップの店長など、さまざまな経歴のメンバーが活躍している。もちろん同社が求める人間性を兼ね備えた面々であり、各々が前職で培った経験を土台に活躍している。
全員がビジョンを共有し、一人ひとりが能動的に行動するカルチャーが成長の原動力
同社で働く醍醐味は、事業の拡大フェーズのど真ん中に入り、組織を一緒につくれることである。これから大海原を航海する船をともに組み立て、同じ志と目標をもった仲間たちと力を合わせて、船を漕いでいく。「ここは自分の会社」と胸を張りたい人間にとっては、今が参画の最大のチャンスと言える。社歴によって発言権に差がなく、手を挙げた人間にチャンスを提供する公平なカルチャーも、同社ならではだ。
驚くべきことに、同社の戦略設計を担当しているのは、新卒入社2年目の20代のメンバーだ。自ら手を挙げ、代表に直談判したという。そのようなやる気がある人材が最大限ストレスなく働けるよう、チャレンジを歓迎する風土となっている。
さらに、同社の人間関係は裏表がまったくないそうだ。全社で同じビジョンを共有し、信頼関係をベースとした経営が行われているため、経理面を含め会社運営上で必要になる数字はすべてオープンになっている。
またサービスのボトムアップを図る上では、組織内の縦・横・斜めのつながりが欠かせない。そういった点でも、上下関係、部署間関係なく、各々が積極的にコミュニケーションを図り、良い情報も悪い情報も包み隠さず話し合っているそうだ。メンバー全員が仕事に対して真摯ということもあるだろうが、誰も見ていないから楽をしよう、という人間は一人もいないとのこと。
1つ面白い事例がある。同社の天井の電球が切れると、メンバーがいつも同じタイミングで電球が切れたと指摘するという。同社では下を向いている人間がおらず、みんな胸を張って前を見ているから良く気がつくというのだ。とにかくポジティブで明るいメンバーばかりなので、同社が展開するビジネスに興味を持ち、同じ志を共有できる人であればこれ以上にない環境だろう。
どんなに素晴らしいビジネスモデルも、それを力強く動かす人材があってこそ。そういった意味では、同社は優秀で頼もしい人材に恵まれていると言える。