メディア事業と、EC事業。2つの核をもつ「クルマ系」ベンチャー企業
MiddleField株式会社は、クルマ、バイク、そしてモータースポーツに関わる事業を展開する会社だ。2015年12月に設立され、これから成長期を迎える「活きの良い」ベンチャーである。
同社では主に2つの事業を展開。どちらも「クルマを最高のエンターテイメントに!」というミッションに基づいたビジネスだ。
まずは、メディア事業。「クルマ・バイクをもっと楽しくするメディア」というテーマのWebサイト「Motorz」を運営している。単なるキュレーションメディアとは違い、自力でさまざまな現場に「取材」に赴き、オリジナルの記事を制作・公開していることが特徴の媒体だ。
「『Motorz』は自動車・バイク関連のメディアです。取材をして記事を作るのが中心の媒体としては、最後発にあたります。それに加え、紙媒体を伴わないWebオンリー。こうしたメディアは日本でもオンリーワンですね。性質上、マネタイズは難しいのが実情ですが、クルマ・バイク・レース好きが集まるサイトとしてご好評いただいていますし、今後も生の情報、オリジナルの情報を発信し続けていきます」こう語るのは、MiddleField社のCOO、片岡伶介氏だ。
MiddleFieldのもうひとつの柱は、EC事業。「自分だけのクルマの楽しみ方が見つかるECサイト」というテーマで運営されている「モタガレ」の運営・開発が中心だ。
こちらのECサイトでは、日本国内に数あるカスタムパーツメーカーの情報を集約し、自分のクルマに合うカスタムパーツを見つけ、購入できる。
「日本には、大小あわせておよそ2000社のカスタムパーツメーカーがあります。これらのメーカーひとつひとつに協力を求め、彼らにとって面倒な部分は私たちが代行する形で、あらゆるカスタムパーツが入手可能なECサイトを構築していきます。また、日本製のカスタムパーツは、海外のファンからも人気なんです。そのため海外進出も前提に動いています」。(片岡氏)
今後のカギを握るのはEC事業。海外進出に向けて、今猛ダッシュ中
2017年12月、MiddleField社は大規模な資金調達を行った。
「今後『モタガレ』事業を大規模に展開するための資金調達を行いました。私たちは、業界全体に影響を及ぼすような新しいプラットフォーム作りに注力していきます」。(片岡氏)
先ほど片岡氏が語ってくれたように、日本国内にはおよそ2000社のカスタムパーツメーカーがあるという。そのうち1500社を目標にデータを収集し、協力関係を構築して、一大「カスタムパーツECサイト」を作り上げるのが最初のマイルストーンだ。
「カスタムパーツ業界には職人気質の方が多く、『Webで自動車部品なんて売れないだろう』と思われている方も多いんです。彼らは日本製のスポーツカーが海外で人気が出てきている事実をなんとなく知ってはいても、海外の顔も名前も分からないユーザーに対して上手にアプローチができずにいます。そこで、私たちが協力し、忙しい彼らに代わって日本に、そして世界にパーツを売っていく。そうすれば事業のマネタイズもできますし、協力いただいているメーカーさんには『Webでも売れるんだ』ということがわかっていただけると思うんです。カスタムパーツ業界を盛り上げ、ひいてはモータースポーツ業界を盛り上げるには、これが一番だと考えています」(片岡氏)
カスタムパーツメーカーの社長たちは、それぞれが熱心なファンを持つ「インフルエンサー」でもある。そうした人たちを取り込むことも、MiddleFieldの狙いだ。さらに同社では、自社事業のPR、そしてよりメーカー各位に信用してもらうため、大規模な業界イベントでマスコミの注目も集める「オートサロン」に出展。加えて、MiddleFieldが運営するサイト「Motorz」も役立っている。各所に取材し、記事にする中で、業界内の地位・存在感を高めることができる。今彼らが手がけていることは、どれも有機的に結びついているのだ。
「プラットフォームを作る事業は、成功させるまでに時間が掛かります。幸い株主の理解は得ており、目先の小さな利益を取りに行って本筋を見失うこともありません。現在300社ほどあるパートナーメーカーを1500まで増やし、さらにECサイトそのものの大幅リニューアルも実施中です。2019年中には海外向けのビジネスを開始し、2021~22年ごろの上場を目指しています」。(片岡氏)
ガンガン、オープンに、いろいろと。「コアバリュー」と、求められる人物像
さて、そんなMiddleFieldで求められている人材像はどのようなものなのだろうか。
片岡氏によれば、同社ではこんな「コアバリュー」3箇条を定めている。
●ガンガンいこうぜ
●オープンにいこうぜ
●いろいろやろうぜ
シンプルで勢いの感じられる言葉が並ぶが、その真意を説明してもらった。
「『ガンガンいこうぜ』は、考えすぎることなくとにかく動こうよ、ということです。人間、迷ったり悩んだりしますが、たいてい考えすぎるといいことがない。だからまずは行動しよう、という意味です。2つ目の『オープンにいこうぜ』は、隠し事はしない、ということ。嫌なことやマイナスなことは言いたくなくてついつい隠してしまいがちですが、それは止めようと。例えばお客様に対しても隠し事なく、おもねるのではなく、対等なパートナーとして、正直にお付き合いしようと。そうでないと、信頼されません。もちろん、社内でも同様です。そして最後の『いろいろやろうぜ』は、とにかく自分の枠を広げよう、いろいろやろうということ。仕事でもプライベートでも、やりたいことをどんどんやっていこうよという意味ですね。仕事は人生の一部でしかありませんから」(片岡氏)
MiddleFieldが掲げる「クルマを最高のエンターテイメントに!」というミッションと、この「コアバリュー」に共感できる人物こそ、彼らが求めるもの。スキルや経歴については、担当する仕事にもよるが、そこまで極端に重視はされないという。
「さすがにエンジニアについては一定のスキルを求めていますが、その他の部署は、基本的にクルマ好きならウエルカムですね!ですが、必ずしもクルマ好きだけが集まっているという訳でもありません。エンジニアの中には免許を持っていない方もいます。要するに重視しているのは「我々のコアバリューに共鳴できそうか」なので。ちなみに社内には本格的なレーシングシミュレーターがあって、社員ならやり放題。逆に免許がない人の方が純粋に運転することを楽しんでいますね(笑)」(片岡氏)
今、同社が特に求めているエンジニアについては、BtoC向けのプラットフォームを手がけたい人物なら、ピッタリ合うはずだ。片岡氏によれば、車やモータースポーツ関係では、カスタマー向けのECプラットフォームに成功例はまだないという。日本初の成功事例を作るのは自分だ、という気概をもつエンジニア諸氏は、ぜひチャレンジしてみてほしい。
「私たちは本当に『クルマを最高のエンタメにする』ために日々活動しています。正しいかより『楽しいかどうか』が重要。仕事もいくらでも任される環境ですし、今後どんどん大きくなっていく事業とともに、ご自身も成長できるはず。とにかく楽しく、笑いのない日はないというような、明るく楽しい会社です。皆さんが当社の門を叩いてくださることをお待ちしております」。(片岡氏)
●ガンガンいこうぜ
●オープンにいこうぜ
●いろいろやろうぜ