株式会社AWAKENS

AWAKENSは、米シリコンバレーに拠点を置くゲノムスタートアップだ。ゲノムとは、ヒトが持つ遺伝情報。同社は、そのすべてのデータである「全ゲノム」を活用したサービスプラットフォームの構築に取り組んでいる。

同社は、共同創業者3名による週末プロジェクトから始まった。CEO 高野 誠大氏は、国際基督教大学大学院卒業後、医療ベンチャーエムスリーのゲノムビジネスグループにて新規事業「G-TAC」の立ち上げ参画経験を持つ。COO 松田 祐太氏は、東京大学大学院にてゲノミクスを専攻。修士課程を卒業後、株式会社DeNAにて遺伝子検査の立ち上げに携わり、東京大学医科学研究所と連携したサイエンスチームの責任者として活躍していた。CTO 沼倉 健介氏は、東北大学大学院情報科学研究科にてバイオインフォマティクスを専攻。修了後、ソニーとエムスリーの合弁会社P5にて医療機関向けゲノム検査システムの研究開発を担当した。

ゲノミクスの最先端に携わっていたこの3名が、所属する企業の枠を超えて新たな挑戦をしようと立ち上げたのが、AWAKENSなのだ。3名のゲノムプロフェッショナルによる2017年の創業以来、複数のエンジェル投資家から資金調達を受け、開発を続けてきた。2年目となる2018年は、米国内における飛躍的な事業拡大を目指していく。そのため、中核となる新たなメンバーを募る。勤務地は東京オフィスだが、希望があれば米サンフランシスコと頻繁に行き来する働き方も可能だ。

「5年後10年後という遠くない将来、全ゲノムをテーマにしたビジネスは、必ず大きな盛り上がりを見せます。」CEO 高野氏は力を込める。90年代にインターネットが普及し始めた頃、ここまで生活に密接に関わるものになるとは誰も想像していなかった。しかし、今や社会インフラと呼べるほど、現代人には欠かせないものとなっている。

「ゲノムは90年代のインターネットと同じ。この言葉を聞いた時、ゲノム領域が持つ可能性に強く惹かれました。」と、高野氏は言う。GoogleやAmazonといった世界に名だたる先進的大企業がゲノム分野に目を向けていることからも、今後注目の浴びる業界の一つだと分かる。

ゲノムは、ヒト個体が持つすべての遺伝情報。ゲノムデータによって、病気のなりやすさや体質傾向、食事や栄養の摂取傾向、人種のルーツ、さらには性格や認識傾向などがわかると期待されている。AWAKENSが目指すのは、全ゲノムを軸にした繋がりと循環がある世界。それは、個々人が自身の全ゲノム情報を自由に扱うことができ、さらにAPIを通じて開発者が新たなDNA個別化プロダクトを安価に簡単に安全に開発できるといった世界観だ。

現在同社が開発を進めているのがパーソナルDNAクラウド「GENOME LINK」だ。
これはゲノムデータを持つ一般ユーザーが、自身のゲノムデータを登録することで複数のサービスに同時アクセスが可能になるプラットフォーム。また、専門知識がない企業や開発者でも、ゲノムに関する新たなサービスをコーディングだけで簡単に作り出すことができる。AWAKENSはスタートアップとして新たな価値を創造し、医療やヘルスケアに留まらないゲノムの一大ムーブメントを起こそうとしている。

同社が拠点とするのは、米サンフランシスコ。UC Berkeleyが運営するSkyDeckというアクセラレータープログラムに参加している。本拠地とターゲットを米国に定めているのは、ゲノム領域において米国が日本の数倍も進んでいるという背景がある。

「ゲノムをテーマにする以上、アメリカでの展開が外せません。日本市場はもっと先のフェーズで考えていて、今はアメリカでの事業拡大に注力しています」。（高野氏）
米国内では多彩なゲノムビジネスが存在し、自分のゲノムデータを100％の状態で手に入れることが可能だ。アメリカで最近人気なのは、自分の祖先を知るサービス。混血民族の集まりであるアメリカでは、ルーツを知ることに興味を持つ人が多いそう。

このように、なりやすい病気や薬の副作用を知るといった医療・ヘルスケア分野だけでなく、祖先を探ったり、自分の性格傾向を確認したりと、 "自分を知る・再発見する" ツールとしてゲノムデータが使われていることに、高野氏は面白さを感じたという。

「空を見上げた時、無限に広がる宇宙空間や解き明かされていない謎を思い、ワクワクする人は多い。ゲノムは、宇宙が自分の中にあるようなものです。そんな面白さを、人々にポジティブに伝えるために教育やハッカソン開催などにも力を入れています」。（高野氏）

同社の取り組みが壮大かつ専門的で、参画するには敷居が高いと感じた者もいるかもしれない。しかし、求めているのはゲノムの知識や生物学の知見がある人物ではない。

「専門スタッフはすでにいるので、そのあたりの知識はむしろ必要ありません。」と、高野氏。専門家と一般ユーザーの架け橋になろうという人材にこそ、参画してもらいたいという。AWAKENSの実現したい世界観をどう一般ユーザーに伝えていくか、生活体験として落とし込んでいくのかが重要だ。

デザイナーならば、体験を設計し、活用の仕方によって価値を生み出していくための「真のデザイン」ができるやりがいを感じられる。エンジニアならば、ゲノムデータを同時アクセス下で効率良く処理するシステム基盤や、プライバシーとセキュリティーで求められる米国HIPAAへ準拠するインフラの構築など、Web開発の専門性が求められる。

そして同社は、日本国内に留まらない圧倒的なグローバル志向をカルチャーとして持つ。
世界最先端の学術研究が行われているUC Berkeleyのリソースに自由にアクセスでき、研究者や卒業生と繋がっているのは、他社が持ちえない強みだ。現在はビジネスサイドが米国を拠点とし、CTO沼倉氏をはじめ、開発チームがが東京にいる体制だ。3名の創業者が中心となり、パートタイマーやアウトソーシングを活用し業務を進めている。

今回の募集は、同社初のフルタイマーとなる。
「かなり柔軟な働き方が可能です。勤務地は赤坂に構えるオフィスはもちろん、その他の場所でも構いません。希望があれば、こちらにも頻繁に来てもらえます。勤務時間なども特には設定しません」。（高野氏）

最後に高野氏からのメッセージをお届けしよう。
「グローバルな新しいテクノロジーをもって、人の生活を変えるかもしれない体験が作れる。そんなやりがいある挑戦をしたい人、それが僕だったら間違いなくAWAKENSを選びます！！」
インターネット到来時を彷彿とさせる、コンシューマーゲノミクス。この分野のパイオニアとなれる、またとないチャンスだ。