ネットプリントの分野ではトップクラスのエンドユーザー数を獲得
しまうまプリントは、写真プリントやフォトブック、年賀状、オンラインアルバムといった「思い出」を通じて、暮らしに笑顔を届ける会社だ。ペーパーによるサービスのほか、画像生産システム、eコマースなどデータやIT、システム関連の事業分野にも力を入れている。設立は2010年5月で、後発組ながら業界トップクラスのエンドユーザー数を獲得し、オンラインサイトの会員数は370万⼈以上(2019年3⽉時点)を誇る。
システム開発部は東京・熊本・福岡で業務を行っている。「しまうまプリント」という社名は、白黒写真が世の中に初めて登場した時の驚きや感動に由来する。「写真には伝える力が何よりもある」という想いを胸に、うれしい時、楽しかった時の気持ちまでも写しこむ写真を提供したい。ネット通販の仕組みを活用し、大切な写真を丁寧に届けてほしいという気持ちから、しまうまが写真を咥えている姿をロゴマークにしている。
同社が伸びている理由は、業界トップクラスの低価格にある。中間工程に業者をはさまず、全工程を自社で完結。品質にも一切妥協することなく、設備や資材は一流メーカー製のものを導入し、自社システムによる自動化工程を経て、それまで不可能とされてきた「高品質と短納期の両立」を実現した。売上高は創業から右肩上がりに成長しており、写真プリント業界では独走態勢に入っている。
低価格・高品質・スピード出荷が強み、データを活用した新サービスも
写真プリントサービスでは、リアル店舗であれば約30円/枚が相場のところ、7円/枚で提供している。フォトブックサービスは、オリジナル写真集を1冊最安198円で作成。最短当日出荷に対応しているのも人気の要因だ。特にフォトブックは結婚式や学校行事、子どもの成長記録などさまざまな需要が見込める隠れた成長市場で、最小32ページから最大144ページのラインナップで、人生の大切な思い出をカタチに残してくれる。自分用、家族用だけでなく「贈答用」としてのニーズも、しっかりつかんでいるのだ。
年賀状サービスでは、PCとスマートフォン、どちらからでもカンタンに注文可能。1000種類以上のデザインテンプレートも用意し、宛名印刷サービスも無料提供している。また、写真やアルバムの大量生産・スピード出荷のノウハウを活かし、生産システムの販売も行っている。
これらの業務の大部分を担う鹿児島ラボは、高品質・低価格と当日出荷を実現する国内最大級のラボ施設だ。鹿児島県日置市と立地協定を締結しているこの施設は、2010年9月に竣工してから、2012年、2015年、2018年と増設を重ね、現在は第1ラボから第4ラボにまで規模拡大、操業している。新たな生産体制を構築して膨大なニーズに対応すると共に、地域の雇用拡大にも貢献している。
同社が見据える今後の展開としては、フォトブック市場でのさらなるシェア獲得を目指す。また、業界No.1、売上高100億円を目標に、会社理念のその先にある「フォトライフ構想の実現」に向けて、本格的な取り組みを行う。また、膨⼤な画像データや顧客データの解析を進めることで、新たなビジネスモデルやサービスも⽣み出していく方針。その結果、もたらされるものは「仕事が楽しくなる会社」という理想郷の創造だ。
自ら企画・提案したシステムで、顧客の笑顔と会社の成長を実現
2019年4月時点の従業員数は236名で、平均年齢は41.8歳。男女比は男:女=4:6の比率だ。産休・育休の取得は、全社で多数の取得実績がある。9期目の離職率は1%だ。業務の区切りにあたる時期ごとにBBQなどの社内イベントも行われ、参加率は高い。分散した拠点で働いているということを感じさせない、一体感のある社風だ。
写真という昔からある産業でありながら、最新技術との融合で新しいビジネスを生み出している同社は、「新しい価値を生み出そう」という意欲が高く、社員の意見やアイデアを積極的に取り上げる社風がある。⾏動指針に「正直、挑戦、成⻑」を掲げている通り、「意見を出して働きたい人」、「論理的に考えることができる人」が活躍できる土壌がある。
主な配属先となるシステム開発部では、要件定義から運用まで、システムに関するすべての作業を幅広く担当する。改修方針などは週に1回開催されるミーティングで話し合われ、必要事項はミーティングの場ですぐに決まるため、スピーディーに開発していく体制が整っている。人材育成はOJT研修を中心に、セミナー参加や書籍購入補助など、継続的にスキルアップできる環境が用意されている。
これまでに採用され、活躍している人のキャリアを見てみると、高専卒業後に某企業の総合職として採用され、その後SIerへ転職しJavaやC#など業務系システム開発に従事してきた人の例が典型的だろう。29歳で同社に入社すると、生産システムを担当し熊本ラボへの出向を経験。現在はシステム開発部の中軸メンバーとして、チームを引っ張っている。自社システムの企画開発を通じて、自分の提案したものが直接会社の利益へとつながっていく――そんな醍醐味を味わえることができる職場といえるだろう。