株式会社クロスウォーク

株式会社クロスウォークは、SEO技術をコアスキルとしたWEBマーケティング事業を展開する会社である。大阪本社、東京営業所の2拠点を構える。

SEOサービスを提供する会社としての最大の特徴は、中小企業をメインターゲットとした低コストの完全成果報酬型SEO対策サービスを手掛けていることである。初期費用無料、上位表示されるまで課金なし、対策キーワード5つで月々15,000円から、という低コストのサービスを実現している。

SEO業界の中でも破格の低価格サービスを実現できる理由は、サービス運用コストを徹底的に排除しているからに他ならない。営業サポートはメールと電話を中心とし、客先への訪問はほとんどしない。新規顧客の獲得もテレアポを始めとするアウトバウンド型のマーケティング手法は使わず、自社サイトを介したインバウンド型マーケティングのみで集客をする。また、SEOの成果レポートは、自社で開発したオリジナルの管理画面を用意してWEB上で発行し、顧客自身にアクセスして見てもらう。一方で、高い確率で顧客サイトの上位表示を実現するだけではなく、問い合わせ数の増加などビジネス成果を確実に上げるため費用対効果は高く、クライアントとの契約期間は長期化する傾向にある。

代表取締役社長・木下恵次氏は語る。
「クライアントが大手企業の場合はマーケットが広いため、現状以上の成果を上げるには、戦略の見直しを行う必要があります。それに対して中小企業の場合（特に地域密着型のビジネスを行っている企業）は、成約につながるキーワードが予めわかっていることが多いため、電話とメールだけでも確実に成果が出せる対応が取れます」（木下氏）

成果報酬型SEOサービスは、検索エンジンのアルゴリズムに左右されることもあって、リスクが高いビジネスモデルである。新規参入が増えた時期もあったが、近年は淘汰が進んでいる。また、サービス開始時点では、同社と同様、中小企業をメインターゲットとしていても、長年事業を続ける間により規模の大きな企業へとターゲット層をシフトする企業が圧倒的に多い。そんな中で同社は、2013年4月の会社設立以来一貫して中小企業に特化した戦略を取りながら、持続的な成長を遂げてきたのである。

成果報酬型SEOサービスの他には、リスティング広告の運用代行やLP制作、WEBサイト制作、コンテンツサポート、アクセス解析などの付加サービスも提供。さらにそれらの施策を駆使したWEBマーケティングコンサルティングも行う。そんなクロスウォーク社が、次の成長に向けて計画しているのが、自社のマーケティング力を武器としたメディア事業の新規立ち上げである。

「SEOを中心としたサービスでビジネス成果を上げて、ご満足頂いている中小企業のお客様に対し、次のステップのサービスを提供したいと考えていました。お客様のビジネスをさらに成長させられる強力な自社メディアに育てていきたいと考えています」（木下氏）

クロスウォーク社を創業した木下氏は大阪府藤井寺市出身である。大学を出て最初に就職したのは地元の教育委員会だ。インターネットビジネスやSEO、起業といった世界とは全く無縁だった。そんな木下氏が起業家を志したきっかけは、ある若手起業家の存在だった。教育委員会に就職した頃に、あるベンチャー企業が地元プロ野球球団の買収計画を進めていることが公となり社会が騒然となった。その球団の熱狂的なファンで、幼少期からプロ野球選手になることが夢だったという木下氏にとっては、非常に大きなインパクトを与える出来事だった。

「インターネットビジネスで頭角を現した30歳ぐらいの若者が、急にプロ野球球団を買収すると言い出したことによって周りの人が衝撃を受けていました。インターネットの力はすごいと思うと同時に、自分が身を置く世界との違いの大きさも感じました。そこですぐに仕事を辞めてインターネットの勉強を始めたことが起業へとつながりました」（木下氏）

独学でWEBサイトを作り、収益ベースに載せる方法を考えたものの元手となる資金はなかった。そこでコストをかけずにアクセス数を稼ぐ方法として辿り着いたのがSEOだった。必死に勉強し約1年後には、どんなキーワードでも上位表示できるほど技術が向上していた。中小企業向けの成果報酬型SEOサービスを構想し始めたのはこの頃だ。

「23歳の素人が作ったサイトが、大企業のサイトよりも上位に表示される。その経験から、SEOは中小企業の戦略だと考えるようになりました。中小企業はテレビCMなどのマスメディアを使った戦略では勝てません。しかし、検索エンジンの領域は、良いサイトさえ作れば、規模に関わらず対等に勝負することが出来ます。私自身、その恩恵を受けたことが基盤となり、中小企業向けにビジネスをしたいという思いが生まれました。低コストの成果報酬型サービスを構築したのも中小企業にメリットのあるサービスを実現するためです」

自身の思いを周囲に話すうちに、SEOサービスの新規事業をサポートしてくれる経営者との出会いがあり、2008年、大阪市にクロスウォーク社の前身となる会社が設立された。木下氏が中心となり事業は順調に推移し、やがて別事業部を立ち上げるまでに規模を拡大。さらにそれぞれの事業部門が単独で採算が取れる状態になったことから、2013年に木下氏がSEO事業部のみを買い取り、クロスウォーク社の設立へと至ったのである。

独立後も好調を維持し、2年目に東京営業所を設立すると、成長スピードはより一層早まり、安定した経営基盤を築くことにつながった。設立時は従業員数約10名からスタートし、現在（2017年5月）は35名にまで増えている。職種は、新規問い合わせへの対応や既存客のフォローを担う営業、SEO技術者に加え、社内の業務システムの開発運用を担うプログラマー、サイト制作やLP制作を担うデザイナー、WEBマーケッター、ライター、広告運用スタッフなどを揃える。

新規で立ち上がるメディア事業では、これら社内リソースの一部を割く形でスタートする予定だが、事業を牽引するリーダーとなるポジションは外部から経験者を採用してアサインしたい考えだ。

「メディア事業として具体的にどんなメディアを作るか、どんな体制でやっていくかはリーダーとなる人と一緒に話し合いながら決めて行きます。その人が力を発揮しやすい分野を選択した方が、本人のモチベーションが上がり、成功の確立も高まります。自分がやりやすいように裁量を持って、のびのびと取り組んでいただきたいと考えています」（木下氏）

クロスウォーク社はもともと型にはめたやり方を押し付けるような社風ではない。木下氏の方針として、比較的自由度の高い組織づくりを行ってきた。中核サービスのSEOに関しても、業務に取り組む中で社員から料金体系を変えたいという声が出ればチャレンジさせてきた。営業の方法も、現場の意志を柔軟に取り入れてきた。新規事業のリーダーポジションを任せる人材であれば、なおさら自由に動いてくれることを期待している。現在、メディア運営に関わっていて、自分なりにやりたい方向性が明確にありながらも、諸条件によりイメージを具体化できていない人は少なくないだろう。そういう人にこそ、チャンスをつかみ取って欲しい考えである。

「私と直接コミュニケーションを取りながら仕事を進めていただくことになります。仕事についての熱い想いをぶつけ合える方をぜひお待ちしています」（木下氏）

同社は設立時から未経験者をアルバイトで採用し、積極的にチャンスを与えることで戦力化し、成長してきた会社である。前向きで柔軟性が高く、素直な性格の持ち主が揃っているため、雰囲気の良い組織となっている。また、残業時間はほぼゼロ。営業部門は顧客の営業時間に仕事をし、SEOの業務はシステム化されているため対策にかかる時間は短い。さらに、社長である木下氏と一般社員の距離も近く、意見も言いやすい。こういった好条件が揃うため、社員の定着率は高い。クロスウォーク社として独立する前の会社の設立時から勤続している社員は10名以上も在籍する。女性の出産後の復帰率も100％という高さだ。

このような雰囲気の良さ、働きやすさは今後も引き継いで行きたい考えだが、その一方で、これまで以上の飛躍を目指すためには社内制度の整備にも着手していく必要がある。そういった局面で力を求められる機会もあるだろう。クロスウォーク社は、今以上に活躍の場を求める人には可能性に溢れた会社である。