EC、店舗、オークションの三位一体を強みに高級ブランド品を売買
株式会社ギャラリーレアは、海外ブランド品・時計・宝飾品などの買い取り・販売を事業ドメインとし、店舗事業、EC事業、オークション事業の3本柱で事業展開するベンチャー企業である。ECに取り組み始めたのは2002年と業界で最も早く、以降、インターネットの活用で事業を成長させてきた。特に、2013年度以降は来日観光客の増加もあり、急成長を遂げてきた。2016年度の売り上げは、2013年度と比べ3倍強にまで拡大している。
オークション事業では、大阪を拠点とする同業者間取引(BtoB)「日本ブランドアドバンストオークション」を運営している。同オークションは、月間取引点数5000点以上、月間取引高3億円以上、月間参加業者100社以上という日本最大級の1dayオークションとなっている。
同社のビジネスモデルとしての強みは、これら3つの事業が一体となり、相乗効果を生み出していることだ。
店舗事業拡大へ
2017年6月現在、店舗事業では、バッグを中心として海外ブランド品全般を扱う「GalleryRare」と、機械式時計専門店「Timezone」の2業態を運営。「GalleryRare」は、東京3店舗(銀座本店、青山表参道店、小田急新宿店)、関西5店舗(心斎橋本店、東心斎橋店、梅田店、なんば店、神戸元町店)と、「Timezone」は中野と東心斎橋店の2店舗を展開する。
オムニチャネル化を推進
EC事業は、自社公式サイトの他に楽天市場やYahoo!ショッピングなどの国内ECモール、さらにeBayなどの海外ECモールにも出店。
ブランド品の買い取り・販売を行う会社は国内でも少なくはないが、その中でも同社は、自社で販売する商品を価値のあるハイセンスな商品、または希少価値の高い商品に絞ることで競合他社との差別化に成功している。取り扱う商品の価格帯は、数十万円から数百万、場合によっては数千万円という高価格帯となる。ECで気軽に買える価格帯ではないことから、インターネットで探して、店舗で商品の状態を確認した上で購入するというスタイルが主流となっている。そういった背景があるため、近年はECサイトと実店舗の連携を強化し、注文・商品の受取りを多様なチャネルから提供するオムニチャネル化を推進してきた。
その一方、買取サービスでは、売主のニーズに応え、基本的にはすべて買取る方針を取っている。その中から自社で販売する商品は、店舗(実店舗、ネットショップ)の品揃えと調和が取れる商品だけを厳選し、その他の商品は自社が運営するBtoBオークションに出品して、同業者に販売するという仕組みを構築してきた。
3事業のシナジーで成長を遂げている同社だが、その強みをより一層生かすために取り組んでいるのがWebを使った情報発信だ。自社WebメディアやSNSをはじめインターネットをフル活用し、ユーザーのニーズに合わせたきめ細かい情報発信を戦略的に行っていく計画である。