建築物の性能評価やコンサルティング業務に特化した独自のサービスを展開。
環境・省エネ・防災の観点に基づく建築物の性能評価における各種申請支援やコンサルティング業務を専門に行う株式会社イズミシステム設計。エアコンやボイラー等の導入支援を行う設備設計事務所として1973(昭和48)年に創業した歴史を持ち、東京・高崎を拠点とした東日本建築事業部と、2015(平成27年)1月には大阪オフィス(西日本建築事業部)も開設し、全国へと事業を展開する注目の企業だ。
同社の強みであり最大の特色は、自社開発のソフトウェアを活用した支援&コンサルティング業務で、設備設計一級建築士や建築士としての経歴を併せ持つ環境コンサルタントと、ソフトウェアの企画・開発からパッケージの販売まで行う開発チーム(システム事業本部)が両輪となって独自のビジネスモデルを確立している。
1982(昭和57)年にシステム事業部を創設し、空調機器メーカーの営業支援ツールとして設備設計関連のソフトを業界内でもいち早く販売していたことも特筆すべき点だが、建築物に対する環境・省エネ・防災といった新たな性能評価の基準が設けられるたびに、ユーザーのニーズや社会の動向を見極めつつ社内で一貫した開発を行って来たことも同社の強みになっている。
現在は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)に基づく省エネルギー措置の届出書の作成支援が業務全体の8割を占めているが、2017(平成29)年4月からは「建築物省エネ法」へと制度が移行され性能評価の計算方法や基準も変わるため、同社が有するサービスへの期待も高まっている。
大手ゼネコンや一部の個人設計事務所では、届出そのものを内製で行っている会社も少なくないが、大規模物件やいわゆる難しい物件でこそ同社で開発したソフトウェアが生かされ、設計者の本業を助ける専門に特化した外注先としても高い評価につながっているようだ。
大手ゼネコンから個人の設計事務所まで、のべ1,000社以上もの建築物に同社のサービスが活用されてきた実績を持ち、全国で年間1万数千件もある登録申請件数のうち約1割にあたる1,000件以上もの案件で同社のノウハウが生かされている。
建築士とエンジニアがひとつ屋根の下で開発して来たユーザー目線のシステムを提供。
省エネルギー措置の届出書を作成するうえで、図面から情報を読み取ってエクセル上にリスト化するのは人の手作業ゆえに入力ミスが起こりやすい煩雑な作業であったが、株式会社イズミシステム設計では、自社で開発した簡易CADシステムを導入することにより、壁の材料まで自動的に読み取って数値化できるシステムを開発し業務効率を大幅に改善させた。
同社の製品以外にも建築物の性能評価を支援するソフトウェアは多数あるが、設計者と同じ視点を持つ環境コンサルタントと、ひとつ屋根の下であらゆる提案や課題に応えながらシステムを改善させてきたエンジニアがひとつのチームとして開発してきた同社の製品は、「ユーザー目線で考えられた扱いやすい仕様になっている」と定評がある。
現在、建築物省エネ法に準拠した省エネルギー措置の届出書を作成する支援ソフトウェア「A-repo 3(エイレポスリー)」をはじめ、国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課監修「建築設備設計基準」に準拠した空調設備技術計算ソフトウェア「STABRO(スタブロ)」シリーズ、公益社団法人 空気調和・衛生工学会「空気調和・衛生工学 便覧第14版」に準拠した最大空調負荷計算ソフトウェア「SOFTEC(ソフテック)学会負荷計算 便覧14版対応」には、長年にわたり設備設計と省エネ計算業務に携わって来た同社ならではのノウハウが随所に生かされている。
「システム開発に携わってきたエンジニアの方にも、建築士をはじめとした建築分野の方にも、同社のシステムは一朝一夕に真似できるものではありません」と自信を持って語るのは、代表取締役の小池 康仁氏。
同社を志望する人のなかには、「他社には無い独自のものを持っていることに惹かれた」という声が多く、特にエンジニアにとっては、自社でじっくりと開発に携われるのはもちろん、建築物の性能評価という専門性の高い領域において要件の定義から設計・開発・運用に至るまですべての工程に関われるチャンスもまた魅力的だろう。
またCASBEE(キャスビー)やLEED(リード)といった建築物の環境性能評価システムを十分に理解した上で入社する必要性はかならずしも無く、社内の充実した教育環境や資格取得を積極的に支援する会社の基本方針のもと、「環境・省エネに配慮した建築物って面白そう」といった興味からスタートしてみるのも良いだろう。
東京・高崎・大阪の3拠点を展開。働く環境にも注力。
2019(令和元年)年7月現在、株式会社イズミシステム設計には東京・高崎・大阪の3拠点に147名の従業員が在籍している。ソフトウェアの開発に携わるエンジニアも在籍しており、東京・高崎のいずれかのオフィスへと配属になる。
東京都新宿区の揚場町にあるオフィスには、エンジニア同士のコミュニケーションはもちろん、部門間のコミュニケーションもより良く促すため、仕切りを設けず見通しの良い快適な仕事環境が整えられている。また作業効率を向上させるために上下昇降デスクを取り入れているのも特徴で、エンジニアの仕事をよく理解した企業の風土が垣間見える。
一方、環境コンサルタントのオフィスには、グループ内や担当者間で情報共有がしやすいよう広々としたミーティングスペースやカフェスペースが設けられ、環境・省エネを提案する企業ならではのアースカラーによる配色や木、植物をインテリアに多く取り入れるなど働く環境にも配慮された居心地の良さが感じられる。
今後は東京・高崎に加え大阪にも進出した建築事業本部とシステム事業本部間の業務のさらなる効率化を目指して、社内SEの採用にも動き出す予定で、コア・コンピタンスのある同社の業務が加速度を持って普及していくだろう。
日本の建築物においてはまだ、環境性能評価で用いられるCASBEEやLEEDの認証によって得られる明確なメリットは見えづらく、政府による指針や今後の研究結果に期待するところも大きい。しかし、「緑化された建物にいると何となく気持ち良いよね」といった感覚を共感できる建築物はすなわち地域や人、ひいては地球環境にもやさしいサステナブルな建築になると考えられ、そういった意味で同社の業務は「企業のCSR活動としての環境・省エネに配慮した建築」を支援する取り組みとして重要な役割を担う可能性がある。
また、近い未来には、人の手をまったく介さずに自動で空調を管理できるようになったり、AIやIoTも建築物を設計する上で取り入れられていくと考えられており、建築×ITによって発展する仕事に携われるのも魅力のひとつに違いない。
株式会社 イズミシステム設計の社員の声

30代前半
2015年11月入社

20代後半
2015年11月入社
特化した分野で一緒に建物を作り上げられる事です。
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20代後半
2016年06月入社